猫でもわかる立ち上げのお話

 熱帯魚飼育を一から始めると、必ず経験しなければならない水槽の立ち上げです。ですが、それについてのまとまった情報は、ネットを探していても意外と少ないので私も少し驚きました。水槽設備の準備やセットするまでのお話、濾過バクテリアの理論のお話は多いのですけど、一番大切な立ち上げてから安定するまでの時期のお話が結構少ないのです。でも、その時期に魚をかなり殺してしまうことも多く、もう少し具体的な解説があると便利だなと思いましたので、少し書いてみることにしました。
 とりあえず、どこかの掲示板などで水槽立ち上げの話題が出ても、混乱しないですむ程度に理解していただけるよう書きたいと思います。ですので、特殊な詳しいお話(例えば特殊な水質を好む魚種のための水槽)や例外的な事例は省きました。また、基本的な事のみですので、それ以上のことは申し訳ないですが、お調べください。
 それと、以下に説明する事項はなるべく一般化して書きたいと思いますが、それでも事例の一つとして考えてください。かなりの確率で似たような状態になると考えられますが、それでも必ず下記のようになるとは限りませんので、そのあたりは勘案してくださるとありがたいです。

■水槽立ち上げってなんでしょう?
 普通に魚を飼おうと考えたときに、大抵の方は水を入れてそこに魚を入れておけばそれなりに飼えると思われるのではないでしょうか?熱帯魚だから、ヒーターを入れて、濾過器があれば水が汚くなるのも防いでくれて、エサをやりながら、たまに水が汚れたら水換えしていれば飼えるでしょう。ってくらいがはじめの認識ではないでしょうか?
 私も飼育をはじめたときにはこの程度のことしか考えなかったと思います。そして、そういう考えをお持ちの方が、世の中にはたくさんいらっしゃるわけで…。ですから、水槽立ち上げのトラブルが尽きないのだと思います。
 実は上で言っていることというのは、水槽が安定期に入った場合のメンテナンスなんです。この安定期になるまでが一番大変で、一番魚が死にやすい時期なんです。その時期のことを”水槽の立ち上げ”時期と呼ぶことが多いです。でも、何も知らないで、普通に立ち上げと聞くと、水槽をセットして、水を入れて、濾過器とヒーターに電源を入れて、魚と水草を入れることだけを想像されるのだと思います。このあたりの言葉の使い方やそれに対する認識の違いも、水槽の立ち上げを難しくしている要因の一つなのかなと思います。
 ということで、言葉の定義をしておきますね。以下の説明では、水槽の立ち上げ期(ただ単に立ち上げと呼ばれることの方が多いです)と言ったら、水槽を設置してから安定期にはいるまでの間を指すことにします。では、安定期というのは何かといいますと、これも決めてしまいましょう。魚が死ににくくなり、安心して飼い続けられる水槽の状態になったときということにします。
 つまり、立ち上げは安定期になることを目指して行われるということで話を進めていきましょう。


■立ち上げ期と安定期との違いは?
 立ち上げ期と安定期というふうにとりあえず水槽の状態を分けたのですが、そこにはどんな違いがあるのでしょうか?はじめにそれを説明したいと思います。
 理屈を言い始めるととても面倒なお話になってしまいまして、説明も煩雑になりますので、ここはわかりやすく言いたいと思います。もしも詳しい理屈が知りたい方は猫でもわかる濾過のお話を参照してください。
 さて、立ち上げ期と安定期の違いですが、その一番大きなところは、水質の悪化速度です。これが全く違うのです。その理由も書いているといろいろと面倒な説明で混乱してしまいそうですので、上記のリンクを見ていただくとして、とにかく立ち上げ期の水槽は水が汚れやすいということを覚えておいてください。
 魚には基本的にエサをあげます。そして、それを食べた魚が排泄をします。それで水が汚れるというふうに、とりあえずは思っていてください。でも、立ち上げ期でも、安定期でも、餌は普通にあげますよね。と言うことは、同じように水は汚れる事になると思うのが普通です。でも、なぜ、立ち上げ期の方が、水が汚れるということになるのでしょうか?
 それは、立ち上げ期には、その汚れを浄化する能力が水槽や濾過器に備わっていないからです。そして、その能力を備えるようにするまでの時期が立ち上げ期ということになります。安定期に入ってしまうと、同じように汚れが出るのですが、それを浄化する能力が備わっているために、魚たちに影響が出る前に、汚れが少なくなってしまいます。そういう状態にして魚を飼うと、魚も病気になりにくく、また繁殖などもしやすくなると思います。


■汚れを浄化する能力って?
 水槽や濾過器に汚れを浄化する能力が備わるっていうのも不思議な話に思えるのかも知れませんね。濾過器をつければ普通はそれで汚れを吸い取ってくれそうですから。でも、濾過器の能力というのは、ただ単に汚れを吸い取るだけではなく、むしろそれ以外の役割の方が大きいと言うことをまずは覚えてください。それで、その役割を果たすのが濾過バクテリアと呼ばれるものです。ちょっと難しい言葉ですが、これもそのまま覚えてくださいね。この濾過バクテリアはその能力として、目には見えない水中の汚れを綺麗にしてくれる働きがあります。そして、この濾過バクテリアは、水槽をセットした段階では水槽の中にも、濾過器の中にも居ないんです。そして、しばらく魚を飼っていると水槽の中に自然に沸いてきて増殖し、水中の汚れを綺麗にしてくれるようになります。
 つまり、この濾過バクテリアを繁殖させるための場所となる役割も、濾過器は担っているわけです。そして、濾過バクテリアが十分に繁殖して、水中の汚れをすぐに取り除いてくれるようになってはじめて、水槽は、安定期になることができます。
 なぜ、水槽に立ち上げ期があるのかおわかりいただけましたか?この濾過バクテリアが水槽や濾過器の中に繁殖していない状態では、魚の排泄物から出る汚れがそのまま水中に長く残ることになりますので、魚にとっても辛い水質になってしまうのです。その時期が立ち上げ期ということになります。
 さて、ここでいくつか用語を説明しておきますね。先ほどから出てきている目には見えない水中の汚れというのは、具体的にはアンモニア亜硝酸と呼ばれています。これを除去できてはじめて水槽が安定期に入ったと言えると思います。


■具体的にはどうするの?
 いろいろと説明しましたが、具体的に水槽を立ち上げて、なるべく魚を殺さないで安定期に持っていくにはどうすればよいのかを説明したいと思います。ただ、これは水槽ごとにケースバイケースでしてなかなか確実な答えというわけには行かないです。ですので、こんな感じで立ち上げると良いのではないかという事例を考えてみました。かなり万全を期したやり方だと思っていますので、慣れてくると手を抜ける部分はありますが、とりあえず、なるべく魚を殺したくない方はやられた方がよいと思います。

前提条件:60センチ以下くらいの水槽に濾過器、ヒーター、蛍光灯をつける。底砂があり、多少でも水草を植える。4センチ程度の小型魚から、最終的にはクラウンローチくらいまでの魚を飼えるようにする。

●とりあえず、安定期に持っていく
@まずは準備です。水槽用具一式の他には、温度計カルキ抜きpH試薬(pHメーター)アンモニア試薬亜硝酸試薬を購入してください。以後、水槽に入れる水は全てカルキ抜きをしてから使用してください。

A水槽をセットします。底砂、濾過器、ヒーター、蛍光灯、水温計もセットし、水を入れてから、全ての電源を入れてください。その上で、水草を植えます。まだ魚は買ってきてはいけません。水のpHを計ってメモしておきましょう。

B上記の状態で、1週間ほど様子を見ます。その間に濾過器が壊れていないかとか、ヒーターで水温が一定になっているか、水槽から水が漏れていないかなど、確かめておきます。この状態で、pHとアンモニアを計ってみましょう。pHには大きな変化はないかも知れませんが、アンモニアが少し検出されるかも知れません。とりあえず、この数値もメモしておきましょう。さて、やっと魚を買いに行きます。

C魚を買いに行きますが、お目当ての魚を買うのは少し待ってください。上でも説明しましたが、立ち上げ期には水が汚れやすいです。ですので、水の汚れに強い魚をまずは買います。もちろん、ずっと生かしておくわけですから、嫌いな魚を入れてはいけません。最終的に入れたい魚のうちで、一番水質悪化に強い魚を入れます。お店の店員さんにそういう条件で聞いてみるのも良いです。ただ、小魚中心で、最終的な構成に特にこだわりがないのであれば、アカヒレや、ゼブラダニオラスボラヘテロモルファなどが水質への適応面からはお勧めだと思っています(これらの魚をパイロットフィッシュと呼ぶことがあります)。でも、このときにいきなり10匹とか、買ってこないでくださいね。60センチ水槽であれば、5匹程度にしておきましょう。小魚でしたら、だいたい、水10リットルに1、2匹くらいの割合にしておくのが無難です。

D魚を水槽に入れます。このとき水あわせという作業を行いますが、これも慎重にやってください。具体的な方法については、こちらを参照してください。とにかく、魚は急激な変化に弱いですから、徐々に水に慣れさせるように配慮してくださいね。この日はエサをあげずに、早めに電気を消して寝てしまいましょう。

E次の日にエサを少しあげてみます。エサはとにかく少な目にします。4センチ程度の小魚1匹に対して、耳掻き1杯分くらいにとどめておきましょう。この量で1日に2回あげれば十分です(1回でも大丈夫だと思います)。

F次の日、アンモニア濃度を測ってみましょう。前回に比べると少し上がっていると思います。また亜硝酸濃度も測ってみましょう。まだそんなに検出されていないと思います。もしも、この段階で、アンモニア、もしくは亜硝酸が0.5mg/lを越えているようでしたら、水を全水量の1/3程度取り替えます。このとき、入れる水の温度を水槽の温度に合わせてから、時間をかけて水槽に注ぎます。以後、水換えの時には同様に行ってください。また、このときにアクアリウム用の活性炭などを水槽に投入すると、アンモニア、亜硝酸を一時的に減らしてくれますので、使ってみるのも良いと思います。

G毎日エサをやりつつ、アンモニアと亜硝酸の濃度を測ってみます。pHも計って記録しておくとなお良いと思います。そして、アンモニアか亜硝酸が0.5mg/lを越えているようでしたら、水を全水量の1/3程度取り替えます。

Hしばらくすると、何もしなくてもアンモニアの濃度が下がってくるようになります。そして、さらにしばらくすると亜硝酸の濃度も下がってきます。この状態になるまで、2週間から1ヶ月くらいかかると思います。pHも少しずつ下がるようになると思います。そうなってくると、安定期に近づいてきた証拠です。

Iさらに少したつと、アンモニアも亜硝酸も検出されない状態になります。これで一応安定期と呼んで良いと思います。この時期になると濾過器の中や水槽のなかに濾過バクテリアがたくさん繁殖して、アンモニアや亜硝酸を浄化してくれます。

※上記の記述でアンモニア、亜硝酸の濃度が0.5mg/lと書きましたが、もう少し慎重にやる場合には、その半分程度のときでの水換えでも構わないと思います。

 さて、こんな風にいろいろと書きましたが、実際問題として、ここまでしっかりと設備を整えてから飼育をはじめる事は少ないと思われます。特に試薬は値段が結構しますので、購入されない方も多いと思います。ですので、現実的には、試薬無しで、やられる方が大半ではないでしょうか。その場合には、上の解説では、水換えの指標などがわからないですよね。
 上のような数の魚を入れた場合、2日に1度1/3程度水を換えていれば大抵は大丈夫だと思います。それで魚を入れてから3週間ほど続けてみてください。そうすると生物濾材が茶色っぽく色づいてくるのがわかると思います。そうなってきたら、水換えの頻度を3日に1回とか、4日に1回とか、徐々に延ばして、最終的には1週間に1回くらいに持っていけると思います。また、途中で魚の状態がおかしい場合には、1/3程度の水換えを行うと良いと思います。
 もちろんこの方法はあなたの水槽を見ていませんので、当てずっぽうです。私の経験上、おそらく大丈夫であろうと思われる状態を参考までに書いています。試薬で計りながら行うのが確実なことは覚えておいてくださいね。

●安定期を維持しながら魚を増やす
 とりあえず、安定期に入ったのですが、まだ本当に飼いたい魚を飼っていないかも知れませんし、さすがに60センチ水槽に小魚5匹くらいでは寂しいと思いますので、魚を追加したいところですね。でも、濾過バクテリアは、水槽の中に居る魚の出す汚れを浄化するのに足りるだけしか繁殖していませんので、一度にたくさんの魚を増やしてしまうと立ち上げ期に逆戻りするような形になってしまいます。ですので、魚の追加は、1度に4センチ程度までの小魚であれば数匹、それより大きければ、1,2匹を基本にして、1週間程度の間を置いて徐々に増やしてゆくのが理想的だと思います。
 ただし、増やすにも限度があります。アンモニア、亜硝酸が検出されない状態が維持できないような魚の数は、確実に多すぎますので、その場合には、水槽を分けるか、水換えの頻度を上げてください。

●安定期でも水換えは必要
 安定期に入ってから、pHを計っていますと、徐々に下がってくるのが観察できると思います。魚には適正なpHがありますので、あまりにも違いすぎると魚が調子を落としたりします。また、pHを下げる原因になる物質が水槽の中にたまっている証拠ですので、定期的に水換えをして、pHの値を中性付近に戻してあげてください。

●安定期が崩壊しないように
 安定期になったということは、濾過バクテリアがしっかりと繁殖していると言うことですが、底砂や、濾過器の中が汚れたりすると、濾過バクテリアは、死んでしまったり、活動が悪くなることがあります。それを防ぐために、水換えの時にでも、底砂を掃除したり、濾過器が詰まっていないかどうか確認したりして、安定期を維持できるようにしたいものです。
 また、底砂が汚れていると、コリドラスやクラウンローチなどの魚は病気になりがちですので、それを防ぐ意味でも、掃除は定期的にやった方がよいと思います。

このようにして、水槽を立ち上げ期から、安定期に持っていくのが良いと思います。ただ、慣れてくると、もう少し魚を増やしたり、アンモニアなどの濃度を測定しなくてもできるようになりますが、とにかく魚を殺さないように立ち上げをしたいのであれば、万全を期してやると良いと思います。


■早く安定期を迎えるための工夫
 立ち上げ期は魚が死にやすいので誰でもが早めに脱してしまいたいわけですが、濾過バクテリアも生き物ですから、なかなか人間の思うようには増えてくれませんので、じっくりと待つのがセオリーなのです。でも、実はそれも少し工夫や他の方の協力を仰ぐことで幾分早くすることができる場合があります。その方法について少し書きたいと思います。

●濾過バクテリアを移植する
 立ち上げる水槽以外で、すでに安定期にある水槽には当然ですが濾過バクテリアが繁殖しています。そこで手っ取り早く、繁殖した状態の濾過バクテリアをわけてもらえば良いという考え方です。そのために、そちらの水槽から水換えで捨ててしまう水をもらうとか、濾材や底砂の一部をもらうなどの方法がよく使われます。2本以上の水槽を維持されている方でしたら、そのようにされた経験もあるかと思います。友人に水槽をやっている人がいれば、その人からもらっても良いでしょうし、頼めばそれらを分けてくれるお店もあると思います。
 ただし、ここで注意点があります。それは、もらう先の水槽に病気などが出ていないことが大前提です。調子の悪い水槽から分けてもらうと、病気なども一緒にもらってくることになりますので、くれぐれもご注意ください。

●事前にアンモニアを別の方法で水槽に添加する
 立ち上げを早くするというよりも、魚が入った状態での立ち上げ期を短くすると言う意味合いです。上で説明しましたが、アンモニアがあるから濾過バクテリアが繁殖します。アンモニアを出してもらうためにパイロットフィッシュを入れているのですが、アンモニアを出してくれれば、それは魚でなくても良いわけです。ですから、アンモニアを直接水槽に投入したり、食用の肉を水槽に入れてみたりと言った方法で濾過バクテリアを繁殖させて、それを確認してから水槽に魚を入れるという方法を取っている方もいらっしゃるようです。


■それでもダメなことがあるんです
 水槽の立ち上げについて書いてみましたが、上のようにやってもやっぱり魚が死んでしまう場合があります。それは他の要素が問題になっている事がありますので、良く聞く問題を書いてみたいと思います。できるだけ気をつけてみてください。

弱い魚を買ってしまう傾向にあります。
 はじめて熱帯魚の飼育をする場合には、おそらくその手軽さから、ホームセンターなどで魚を入手することも多いと思います。一概にホームセンターの魚が弱いとは言いませんが、管理がずさんだったり、病気の魚をそのまま売っている場面を見かけることもあり、弱い魚を買ってしまうことが多いように思います。また、魚の状態の善し悪しを判断するのも、慣れないと難しいことですので、元気の良い魚を選んで売ってくれるようなお店で購入するのが理想的だと思います。ホームセンターでもそのようによくわかっている店員さんが居るところであれば積極的に利用して良いと思います。

病気の魚を買う可能性も結構あります。
 はじめて魚を見ると、それが病気なのかどうかの判断もなかなか難しいです。そして、病気の魚を水槽に入れると、それが他の魚にまで移ることがあります。そうなると立ち上げどころの話では無くなってしまいます。できる限り病気の魚を買ってこないことが理想ですので、信用できるお店で魚を購入するようにしたいものです。


■良くある失敗
 水槽立ち上げに関する相談をいろいろとお聞きして、はじめての方が良くやってしまう失敗を挙げてみました。どれも事前に知っていなければ普通にやる事だと思いますので、気をつけてみてください。

●エサをあげすぎること
 一番多いように思います。魚はあまり餌を食べなくても死なないですので、とにかく少な目にエサをあげることを心がけてくださいね。

●急激な変化を与えること
 水換えなどでも、一気に新しい水を水槽にそそぎ込んだり、病魚薬も一度に溶かしてしまったり、とにかく急激に水の状態が変化することをやってしまう場面を良くききます。水あわせという作業があることからしても、急激な変化は魚にはかなりのショックです。何をするにしても、徐々に、変化をゆっくりとすることが重要ですので、お気をつけください。

●余計なものを入れること
 水槽には必要のないものは入れないことをお勧めします。例えば、水槽のアクセサリーとして、身の回りの小物を入れる方がいらっしゃいますが、水槽用ではないものの場合には、むやみに入れると有害な物質が溶けだしたりする事もありますので、入れなくて良いものは入れないようにするのが無難です。

●魚同士の相性が悪いこと
 魚には相性があります。いろいろな組み合わせで、一緒に飼ってしまうと良くない場合も結構あるのです。そのおかげで魚が死んでしまうこともありまして、それは水質などとは別の問題です。ですので、なるべくネットなども活用して、相性の良い魚同士を混泳させるように、気を配りましょう。

●一度にたくさんの魚を入れること
 これもかなり見かけます。魚が多ければ水が汚れるのも当然早くなります。上で説明したように、バクテリアが繁殖するには時間がかかりますから、その間、汚れやすい水の中で多くの魚を過ごさせることになります。そうなると死んでしまう魚も増えることになりますので、とにかく最初は魚を少な目に買ってくるのが良いと思います。


■最後に
 説明の中に難しい言葉なども出てきたので、少しわかりにくかったかも知れませんが、水槽のセットから、安定期に至るまでの過程を書いてみました。説明を簡単にするためにかなり省略した部分もありますので、猫でもわかる〜の他のお話も一緒に読んでいただけると納得していただけるものと思います。
 普通の趣味というのは大抵、簡単にはじめられて、のめり込むほどに難しくなってゆくという感じかと思いますが、アクアリウムという趣味は、はじめの立ち上げが一番難しいところかも知れません。ですが、そこさえ乗り切って安定期に入ってしまえば、かなり飼育は楽になりますので、それを目指して頑張ってみてくださいね。

ホーム