底を増やそう!

 何だか、最近の浅知恵袋は本当に役に立つのかどうか疑問なものが多いような気がします(笑)といっても、私の浅知恵の紹介なので、笑ってお許しいただくとしまして…。今回もまた本当に役に立つのかどうかかなり疑問なお話です。

■はじめに
 底モノってなんだかすごく良い響きですよね。今まで飼ってきた熱帯魚を考えてみると、圧倒的に底モノが多い猫丸なのですが、やっぱり惹かれるものがあるからなのだと思います。かといって上ものが嫌いなわけではないのですが、いつの間にか底モノ天国になっているのがいつものパターンです。今回はそんな底モノのための水槽を考えてみようかと思います。
 昔、あれこれにも書いたことがあるのですが、コリドラスは3センチの水で飼えるのか?という事がずっと頭にありまして、同じ理屈で、クラウンローチも3センチの水で飼えるのかななんて、また変なことを考えていまして。
 実際問題、3センチで飼うとして、水深が問題なかったと仮定しましょう。そうすると何が問題になるのかと言いますと、総水量なんですね。例えば60センチ水槽で3センチしか水を入れないと、5リットル程度しか入らないことになります。これはちょっと水量が少なすぎますね。広さとしてはクラウンローチ4匹くらい飼えても、5リットルで4匹は無理というものです。小さな個体1匹が限度と思います。60センチ水槽に1匹。ちょっと寂しいです。ですから、貯まり水である水槽で、水深3センチで飼育するのはあまり効率が良くないということは言えそうです。でも、逆のこともありますね。60センチの規格水槽は高さが36センチあります。底モノだけで、上層魚が居ないと仮定すると、上のほとんどの部分が空いた状態です。それはそれで寂しいです。でも水量を確保するには仕方がないのでそうなっているわけですが…。このデッドスペースはなんとももったいない気がするのです。
 そこで考えた結果、「底を増やそう!」ということになってしまいました。つまり、水槽の中にもう一枚”底”を作ってしまおうと思ったわけです。同じ水量でも底面がよりたくさんあれば、底モノ達も喜ぶのではないかとの、いつものごとくに安直な発想なのですが、思い立ったが吉日なので、早速作ることになってしまいました。

※ご注意:底を増やすということで、底モノを水槽にたくさん収容できるようにする方法だと思われるかもしれませんが、あくまでも、底が増えたら、今居る底モノの魚たちが、もっと快適になるのでは?という考えからこのアイデアを紹介しております。ですので、その水槽の底モノの数は、このアイデアを使うかどうかに関わらず、水槽の水量やろ過能力などを考慮して、決めていただくよう、お願いいたします。(2005/10/19 追記)

■どんなものを作りましょうか
 底を増やすということで、思いついたのが、水槽の中に棚を作ることです。要するに2段ベッドと同じ考え方ですね。1人しか寝られない面積に2人寝るための器具が2段ベッドですが、それと同じように水槽内に棚を作って、底の面積を稼ごうと考えました。ものすごく単純な考え方ですね。
 それで、ちょうど水深を半分にするくらいのところに棚を作ることにしました。今ある隠れ家の流木などをその棚の上に載せてこれまで通りの隠れ家とし、さらに棚の下(底砂)のところに新しい隠れ家を用意しようと思います。これで隠れ家がいっぱい、ローチも喜ぶことでしょう。というのが私の皮算用です。
 でも一つだけ問題があります。クラウンローチやボティアの仲間は比較的器用な連中が多いので、棚を作っても特に支障はなさそうですが、問題はコリドラスです。たまに、水面に向かってすごい勢いで上がっていきますよね。通称コリドラスダッシュ(笑)ですが、たまに水槽にプラケなどを浮かべていると、ゴツッという音がして、頭をぶつけたコリドラスがフラフラと底に落ちてゆくのを見ることがあります。たまのプラケなら我慢してもらえそうですが、ずっと棚があるのはやっぱりまずそうです。脳しんとう?を起こしたコリドラスの集会場になってしまうのはちょっと困ります。ということで、コリドラスが頭をぶつけても大丈夫な工夫も必要です。それを踏まえて、材料を用意しましょう。

■お買い物
 買ってきたものと、うちにあったものの紹介です。

●棚(105円)

 やっぱり100円ショップですね(笑)最近思うのですが、100円であることはあまり重要ではなくて、いろいろとおもしろいものがあることが楽しいのですよね。まあ、それは良いとして、太い針金を曲げて作ってある棚です。収納用品です。高さがちょうど水槽の半分くらいになるように、17センチのものを買ってみました。縦横の長さは、少し短め。水槽と同じくらいですと、魚が間に詰まったりすると困りますので、ふた周りくらい小さなものが良いように思います。天板の部分が完全に板のものもあったのですが、今回はコリドラスダッシュ対策として、網状のものを選んでみました。理由はあとで説明します。また、今回は上に流木を載せるつもりなので、それが乗っても大丈夫な強度、それから、さすがに目立つと格好が悪いので、水槽の中で浮かない色をなるべく選ぶのがコツかと思います。

●バット(105円)
 料理の時などに、材料を入れておくための、四角くて浅い皿です。上の棚のように編み目になっていると砂が敷けないので、棚の大きさよりも少し大きなバットを買ってみました。でも、最終的には使わなかったです。そのあたりのこともあとで書きます。

●竹(?円)
 知り合いからいただいたようなものなので、値段が不明です。元々は、物干し竿にするための竹だそうですが、ちょうど良い隠れ家になりそうですので、使ってみました。塩ビパイプを入れるよりも見た目が自然な感じがします。ただし、なかなか沈まないので、しばらく水につけておく必要があります。ということで、10センチくらいの長さで輪切りにしまして、節を抜いた竹(直径5センチくらい)4本を用意しました。沈むように、あくを出すようにとのことで、数日前から水につけてあります。

●リシア(1万円?)
 水草のリシアです。確か、一握り400円くらいだったので、用意したリシアの量をお金にしたら、多分1万円分くらいあると思いますが…。水面に浮かべておけば私でも増やせるくらい簡単な水草なので、1万円も出して大量に買い込む必要はないです。一握り購入してきて増やしましょう。とりあえず、今回は1.5リットルのペットボトルにぎちぎちに詰め込んで1杯分くらい用意してみました。

ということで、買い物はこれで終わりです。早速作りましょう!


■作り方

@棚を入れる
 特に説明することはないのですが、右の写真のように、上で紹介した棚を水槽に沈めます。魚が居るところで作業をするときには、足で魚を潰したりしないように気をつけて作業をしましょう。また、四方のガラスにあまり近づけすぎると、魚が挟まると困りますので、ある程度の距離をとりましょう。底砂などにしっかりと埋めて、足を固定してください。それと、浮き上がらないように気をつけてください。このあと、ちょっとした浮力がかかりますので。

Aリシアを入れる
 ここが今回のポイントです。コリドラスダッシュ対策として、棚の下側にスポンジをつけるとか、三角形にするとか、いろいろと考えたのですが、やっぱり自然のものがよいなぁということで、棚の下にリシアを詰め込んでクッションにすることにしました。リシアは浮力がありますので、棚の下に入れてやると、棚の裏側にぴったりとくっついてくれます。また、リシアは水に沈めても、大丈夫な水草なので便利です。また、棚をあえて網にしたのはリシアが引っかかるようにとの配慮です。これがかなりうまくいきまして、リシアがきちんと棚の下に収まりました。ただ、長期維持するとリシアが枯れてきそうですので、適当に入れ替えてあげる必要はありそうです。

B隠れ家をセットし完成!
 あとは、棚の上と、もともとの底に隠れ家をセットします。棚の上には、ウィローモスを活着させた流木(大小4本)を置いてみました。棚の下には、竹の筒を4つ並べます。棚がなければ、この竹は入らなかったのですが、こうすることで、隠れ家をたくさんふやすことができました。実はこの前に、棚の上にバットを置きまして、それに砂を入れたりしてみたのですが、どうにも格好が悪い上に、流木を置いたら、砂地があまり見えないくらいになってしまいましたので、今回は断念しました。もう少し広い水槽で、流木などの大きさも違う場合には良い方法かと思います。また、この状態でも棚の上を底だと思っているのか、ストリアータが隠れ家にして寝ておりました。とりあえず、リシアがもじゃもじゃとしていますので、良いベットのつもりなのかもしれません。
 まだ設置してから日が浅いので、棚の針金が見えますが、リシアやウィローモスがもう少し茂ってくれば、見えなくなるかなと期待しています。


■問題点など
 美観としてはあまり良くないです。それが最大の問題点だと思います。水槽をレイアウトとして見るのであれば、あまりお勧めではないですが、クラウンローチや底モノをメインで飼育するための場所としてみるのであれば、隠れ家や”底”が増えたことは良いように思います。今までは流木が底を占領していたのですが、棚の上にあげたので、結果として竹を4本置いても底砂の見えている面積は広くなっています。そのあたりは良かったなと思うところです。
 上層魚が多少なりとも居る場合には、どの程度の空間を残すのかなど、きちんと考える必要があると思います。また、まだ維持して日が浅いのでリシアがどうなるのかちょっと気がかりです。上に流木があるのであまり日が当たらないのですが、枯れないことを祈っております。維持していて何かあれば追記するつもりです。

■最後に
 今回は棚というアイデアでしたが、水槽を平面としてではなく、空間として考えてみてはどうでしょうか?という提案ですので、他にもいろいろな方法が考えられると思います。クラウンローチなどはくねくねと入り組んだところが好きみたいですが、コリドラスなんかは、結構広いところで、ぼんやりしていることもありますので、そのあたりの生態も考えつつ、レイアウトを自由に楽しんで見てはいかがでしょうか?
 そして、左の写真。良かれと思ってやっていても、人の思うところと、魚の思うところは違うということを端的に示しています(笑)せっかく竹で隠れ家を造ったのに、その間の砂を掘ってご満悦なパキスタンローチの図です。私の浅知恵では、まだまだ魚たちには通用しないようです(^^;

■ご注意
 このHPの全てのコンテンツに言えることなのですが、試すときはご自分の責任でお願いしますね。

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