細かい底砂を手に入れよう!
※この記事はちょっと長いですし、少々面倒ですので、手間のかかることが嫌いな方には不向きかもしれません。クラウンローチを飼うのに必須の話題ではありませんので、お気軽にお読みください。 |
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■はじめに クラウンローチのおもしろい行動として、砂を掘り起こして餌を探すという習性があります。細かいヒゲで一生懸命に探しては、鼻先を砂に突っ込んで、もぞもぞと餌を探す姿は見ていてとても楽しいです。また、餌を探しながら砂ごと飲み込んでエラから出す行動も本来の生態なのかも知れません。ですが、その習性を水槽の中で存分に発揮してもらうには、細かい底砂が必要になります。底砂の粒が大きいと、クラウンローチがいくら鼻先を突っ込んでも動きませんし、隙間に落ちてしまった餌にも届きません。あまりにも餌がとれないとクラウンローチは底砂を漁る仕草を止めてしまうこともあります。コリドラスなんかも同じですよね。せっかくクラウンローチを飼っているのですから、このかわいいしぐさを見ないのは勿体ないです。そこで、細かい底砂をしいてみようと思うわけです。 細かい底砂は熱帯魚屋さんに行けば売っています。大磯の細目や田砂、川砂、ADAのブライトサンド(淡彩砂)、サンディーゴールドなんて、いろいろと売っていまして、それを買ってくれば事足りるのです。実際、私の水槽にも半分だけ田砂が入っております。でも、ちょっと高いんですよね。大磯はまだ良いですが、新田砂なんか、結構な値段しますし。あとはどこかから採取してくるという手もあります。田砂は水田の泥を流したあとの砂だというお話ですし、川が近かったりしても砂を取ってくることはできそうです。 お金のある方は買ってくだされば良いですし、採取できる方はそれで済むと思いますが、誰でもが無理なくクラウンローチを飼えると良いなと思っている私としては、もう少し安く、誰でもが入手できる方法はないかなと考えるわけです。そこで、熱帯魚飼育に使える細かい底砂を作ることにしました。 |
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■どんなものを作りましょうか とりあえず、どこでも手に入る物で作らないと駄目なのでホームセンターに売っている物で考えますと、セメント用の砂、滑り止め用の砂、園芸用の砂などが思い浮かびます。ただ、それをそのまま水槽に投入するのは何とも不安な気がするのでいろいろと処理をして使うことにしました。 |
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■お買い物 ということでお買い物です。すでに持っている物は最大限に利用することにして、どうしても買わないといけない物だけ買ってくることにしました。 |
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●砂 今回は荒砂という砂を買ってきました。セメントに混ぜたり、公園の砂場の砂になったり、冬道の滑り止めに道路にまいたりする砂です。近くのホームセンターで20キロ380円でした。 |
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●食酢 ごく普通のお酢です。もちろん飲めます。今回は余っていたお酢を使えと言われたので、写真の2本は銘柄が違います。あとで値段を調べたら、安売りで1本128円でした。今回の砂の量(20キロ)で2本使いました。お酢の量は入れる容器の大きさや深さなどによっても変わりますので、ひたひたに浸かるように適宜調整してください。 |
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●ステンレスざる これは100円ショップで売っている調理用のざるです。砂の大きさを揃えるふるいとして使いますので、目の細かさはお好みで買ってきてください。値段は105円です。 |
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買い物はこれで終わりです。他にバケツと、砂を入れてお酢に浸すための大きめの容器が必要ですが、どちらも家にあった物を使いました。バケツは良いのですが、大きめの容器はお酢の匂いが付くのでそれを覚悟の上でお使いください。100円ショップに行ってバケツをいくつかかってきて代用しても良いと思います。 |
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■作り方 (1)砂をバケツに取り出す |
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砂の袋を開けると左の写真のような感じです。取りだしたのが真ん中の写真です。色が結構黒っぽいです。バケツに5キロくらいを取り出します。 | |
(2)水洗いと、粘土質や細かい砂の除去 水槽に入れる物ですからまずは水洗いです。さらに、砂には粘土質や非常に細かい粒が混ざっています。それをそのままにしておくと水槽の水が濁ってしまいますのでそれを取り除きます。ホースで水をバケツに注ぎつつ、砂をかき混ぜます。舞い上がった軽い砂は勿体ないと思わずにどんどん流してしまいましょう。ホースを砂の中に突っ込んでバケツの底の方からも砂を巻き上げるようにして洗います。 |
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はじめは左の写真のように茶色く濁り、待っても濁りがとれないのですが、しばらく洗っていると、右の写真のように5秒くらいで水が澄むようになります。こうなったら水洗いは完了です。今回は60センチ水槽にそれなりの厚さで敷き詰めるつもりですので、20キロの砂を洗ったので、私はバケツでの水洗いを4回やりました。 | |
(3)小石を取り除く 砂をふるい(ステンレスざる)にかけて、小石を取り除き、大きさを揃えて、細かい砂にします。買ってきた砂がはじめから細かくて粒が揃っていれば、この行程はいりませんが、今回は大きめの小石も混ざっていたのでやってみました。砂が水分を含んでいるとざるに入れても落ちません(左写真)ので、下に砂を受ける容器を置いた上で、上から水をかけます(中写真)。さらに、水の中にざるを浸して振ってやると良いです。そうすると、ざるの中には結構な量の小石が残り、下に置いた容器には細かい砂が貯まっていきます。かなり大きさが揃っているので嬉しいです。 |
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(4)砂を酸処理する 大磯などでもやられていることですが、砂の中には細かい貝殻の欠片などが混ざっていることがあります。特に、今回購入したような、出所がわからない砂の場合にはその可能性が捨てられません。貝殻が混ざっていると水槽に入れたときに水質をアルカリ性に傾けてしまいますので、それを防止するためには貝殻を取り除かないといけません。手で取り除くのは無理ですから、薬品に頼ることになります。ショップなどでの大磯の酸処理には塩酸などを使う場合が多いようですが、扱いや後処理が面倒ですので、今回は食酢にしました。塩酸に比べると処理に時間はかかりますが、危険性も少ないですし、手頃なので。 まずは水洗いした砂を大きな容器に入れて、しっかりと水を切ります。洗ったときにかなり水を含んでいますので、蓋などで押さえて横にしてしばらく置いておくとかなりの水がしみ出してきます。水がそれなりに切れたら、表面を平らにならします。このときに使う容器には酢の匂いが付きますので、それでも困らない物を用意してください。 次に、そこへ食酢を入れます。ケチったりしないで豪快にドボドボと入れてください。3枚目の写真のように砂が酢に完全に浸かる量を入れましょう。そうすると結構な量のお酢を使います。今回は2本のお酢の瓶が空っぽになりました。 このままの状態で1週間から10日ほど放置します。2日に1回くらい、砂をかき混ぜたりしていましたが、意味があるかどうかはわかりません。また、かなり匂いがきついので部屋の中に置いておくのは厳しいです。悪いことは言いませんので蓋をして外に置いておきましょう。 今回は5日目にお酢を足して10日間待ちました。その後、お酢を流し、今度はお酢が残らないようにもう一度水洗いします。 |
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(5)熱湯消毒 お酢を洗い流したら、砂をなるべく平らに敷き詰めて上からまんべんなく熱湯をかけます。 |
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(6)完成 やっと完成です。クラウンローチとの比較で左の写真のような大きさになります。新田砂よりも少し粒が小さいかも知れません。この大きさだと、クラウンローチがガバガバと飲み込んで勢い良くエラから出す仕草を頻繁に見ることができます。 いくつか処理の行程がありましたが、必要ない部分もあると思っています。とりあえず、元々の砂に何が入っているのかよくわからないので念には念を入れて考えられることをやってみた次第です。 |
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■問題点など ホームセンターで安く売っている砂を利用するという事ですので、色が選べないです。今回は黒っぽい色だったので私は満足でしたが、思うとおりの色を探すとなると少し大変だと思います。また、やっぱり手間がかかりますね。買ってきてから使うまで10日もかかるのは耐えられない方も多いかと思います。お金を取るか、手間と時間を取るかという事ですので、少し考えてやってみてはどうでしょうか。 使用感としてはなかなかです。水槽の中も引き締まった感じになりましたし、何よりもクラウンローチの砂堀りがよく見えるので楽しいです。また、水洗いを念入りにしたおかげなのか、濁ることもないです。あとは水草がうまく育つかどうかがちょっと心配ですが、それは経過を見守っていこうと思います。 |
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■最後に この砂のお話を掲示板でしましたら、しびさんも同じように工事用の川砂を使われているとのお話を伺いました。酸処理はしてらっしゃらないとのことでしたが、問題ないそうです。今回は私は少し手間をかけすぎたのかも知れませんね。どのようにされるのかは、皆さんのご判断でやってみてください。しびさん、掲示板での情報提供ありがとうございました。 |
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