飼い方

 熱帯魚飼育方法はそれぞれの飼い主や水槽、環境でケースバイケースで、統一した飼い方を示すのはとても難しいです。ですので、ここでは、おそらくこのような環境にしたらクラウンローチには快適だろうと思われる事柄を列挙してみようと思います。それをやらないと飼えないわけではないですし、なにより私のようにクラウンローチ単体で一つの水槽を構成している環境(現在は混泳です)などあまりないと思いますので、他の魚の手前、実現できないことなど多分にあると思います。とりあえず、参考程度に考えてください。それと、これからの記述は私の経験を元にして書かれていますので、それは違うとか、うちのクラウンローチはそうじゃないとか、そういったご意見があると思います。私も違った飼い方や意見を聞いて参考にしたいと思っていますので、是非そういう場合は掲示板に書き込んでいってくださいね。

■底砂は細かめ、丸めに
 熱帯魚飼育でいろいろと悩むことの一つとして、底砂の選択があると思います。クラウンローチはスカベンジャーと言われていることからもわかるように、底砂をつついて掘り返すようにして餌を食べます。よって、他の魚よりも底砂は重要です。なるべくなら、口を突っ込んだときにきちんと掘り返せるくらいの粒の小さな底砂を敷いてあげてください。角張った底砂や大きめで重い底砂でもそんなに問題はないように思いますが、二種類の砂を入れて実験したところ、やはり細かい砂の方に居ることが多かったように思います。ただ、底砂を掘り返すので植えてある水草も浮かせてしまったりします。それが嫌な方は掘り返せない程度の大きさの底砂を入れるのも良いと思います。その辺りは飼育環境と相談して決めて下さい。私のお薦めは細目の大磯や新田砂、川砂などです。

■隠れる場所を
 クラウンローチは物音や人影に敏感です。それに、近くに別種の魚が居たりしてもこそこそと逃げていくことがあります。大手を振って水槽のど真ん中を泳ぎ回ることも多いですが、それでも警戒心が強い魚だと思います。そして、逃げ出した彼らは安心できる場所に身を隠そうとします。そういう場所があると、クラウンローチはストレスをあまり感じることなく生活してくれる(と思っている)のです。ですから、是非クラウンローチが隠れられるような流木や水草を入れてあげてください。それが駄目なら、塩ビのパイプでも適当な石組みでも構いません。何か、隠れやすいところを作ってあげてください。まあ、隠れ家を与えると、彼らを見るチャンスも減ってしまうのが残念なところなのですが。

■濾過装置の水の出入り口にはカバーを
 クラウンローチは比較的遊泳力のある魚ですが、普段はあまりそれを発揮することなく、胸鰭をぱたぱたさせてふらふらとホバリングすることが多いと思います。そして、縦になったりして虚空を見上げていることもあり、その状態で濾過装置の口に近づくと中に吸い込まれてしまうことがあります。私も一度、水槽内にどうしても見つからず、死んだのかとあきらめかけて濾過装置の蓋を開けたら、その中で生きていたことがあります。それ以来、私は吸い込み口にはきちんとスポンジをはめるなどの対策を施すことにしています。特に、体長4センチくらいまでの小さいうちは注意が必要です。また、濾過装置の吹き出し口からさかのぼるようにして進入することもあるらしいので、それにも注意が必要です。

■餌は確実に
 クラウンローチは個体差もありますが、どちらかといえば警戒心が強く、臆病な魚です。水槽になれてくるとそうでもないのですが、なれないうちや体が小さいときには餌の時間になってもなかなか出てこなかったり、他の魚に圧倒されて食いはぐれることもしばしば見受けられます。いつの間にか痩せていて餓死してしまうという事態も何度か経験しました。私はその時以来、混泳水槽で飼う場合に食いはぐれている個体を見つけたら、餌の時だけ取りだして、別の容器でゆっくりと食べさせています。まあ、ここまでする必要は無いのかもしれませんし、取り出すのが良くない可能性もありますが、どうしても食べてくれない場合は隔離して生き餌などあげてください。

■あまり驚かさないで
 熱帯魚全般に言えることですが、水槽をどんどん叩いたり、揺らしたり、周りで騒いだりするのは良くないように思います。特に、クラウンローチの場合は人影を見ただけでも後ろに隠れてしまうこともありますので、よく観察したい場合には驚かさないでそっと見てあげるようにしてください。中には図太い神経をしていて、人が居てもヘッチャラな奴もいますが。

■なるべく群で
 クラウンローチは特に小さいときは臆病な魚ですから、仲間と群れている方が何かと安心するようです。できることなら5匹くらい、無理ならせめて2匹は一緒に入れてあげてください。単独で混泳水槽に投入するといじめられて、餌を食べにでてこれなくなることがあるようです(うちは基本的に2匹以上常にいるのでよくわかりません)。人間でもそうですが、同胞が一緒にいた方が集団にとけ込みやすいという事なのかもしれません。クラウンローチを1匹だけでスマトラ(オレンジに黒の縞の熱帯魚)と混泳させていたら仲良くなっていつも一緒に居たという記述をあるサイトで見たことがありますが、それもまたすごい話ですね。そのくらい寂しがり屋だということなのでしょう。

■水草の植えすぎに注意
 隠れる場所を作ってくださいと書いておきながら矛盾していると言われそうですが、底砂を覆い尽くすほどに水草が植わっているような、よく言われる水草水槽などでは、クラウンローチはちょっと厳しいかもしれません。掘り返す底砂がないのはちょっとかわいそうです。ですので、クラウンローチがその習性を発揮できるような底砂の見えている部分を作ってあげるようにしてください。

■水あわせは慎重に
 クラウンローチは水質の変化(特に温度)に少し敏感な気がします。ですから、購入時や水槽移動時の水あわせは他の魚よりも慎重にやった方がよいと思います。私の場合、他の魚は1時間半くらいで水あわせは終わるのですが、クラウンローチの場合は3時間くらいかけています。長いときには半日かけることもあります。いくら何でもそこまでは必要ない気はしますが、他の魚よりも多少気を使っています。

■なるべくトリートメントタンクを
 トリートメントタンクというのは、魚の調子を整えるために飼育水槽とは別に用意する隔離水槽のことです。
 クラウンローチは購入時に白点病にかかっている場合があります。他の魚でもあるのですが、クラウンローチはその傾向が強いようです。ですから、前から水槽に居る魚たちのことも考えると、トリートメントタンクを用意してそちらで様子を見てから飼育水槽に移す方がベストだと思います。ただ、トリートメントタンクを用意できない環境も多々あると思います。その時は、購入時の水あわせの際に、ごく薄い塩水で薬浴しながらやるという手もあります。とにかく、水槽に病気を入れないことが大切です。


いろいろと飼い方のポイントなどを挙げてきましたが、おわかりいただけましたでしょうか?とりあえず、ここまでで大丈夫だとは思います。ただ、皆さんはそれぞれに事情や金銭的な問題などありますので、全てを満たすことができないかも知れません。ですが、それでもクラウンローチを飼えないと言うわけではありませんので、ご自分の飼い方を見つけてみてください。ということで、一応、現在の猫丸の飼い方などこちらに書いてみますので、興味のある方はご覧ください。


ホーム