プチ外部濾過器を作ろう!

 ※この記事はちょっと長いですし、少し難しい物理のお話も出てきます。文字嫌いや物理嫌いの方はやめた方がよいかも…。そうでない方も、暇で暇で仕方のないときにでもおつき合いください。クラウンローチを飼うのに必須の話題ではありませんので。


■メニュー


※洗車スポンジの使用についてのご注意
 以下の説明で、濾過器の濾材として洗車スポンジを使用している部分がありますが、それに関して注意していただきたいことがあります。
 私が一番最初に100均の洗車スポンジを使った時、濾材としてしては全く問題なく利用することができたのですが、そのしばらく後に、同じ商品を同じ店で購入しまして、濾材として追加したところ、数ヶ月間、pHが上昇する状態が続きました(その後おさまりました)。その間、何かが溶け出していたと思います。100均以外の洗車スポンジも試したのですが、それもしばらく入れているとpHを変動させるもの、水に油が浮くようなものがありました。濾材として考えたときに同じ商品でも品質が安定していなかったり、特に記述が無いのに何かが付着している場合があるようです。ですので、私の結論としては、洗車スポンジをろ材に使うのは好ましくないように思いました。安くて利用しやすい素材なのは確かですが、選択にリスクがありますので、その点にはよく注意を払って使うかどうかの判断をしてくださいね。節約して趣味を続けるのは大切なことだと思いますが、お金をケチって大切な魚にダメージを与えては元も子もないですので、お気をつけください。また、以下の記事は私がやったことなのでそのままにしておこうと思いますが、濾材の部分だけは、別の濾材を入れることを基本に読み替えていただければと思います。
 これまで、この記事を参考にして洗車スポンジを使われた方がいらっしゃるかもしれませんが、このことがわかったのが少し前でして、その後、本当に洗車スポンジのせいでpHが変わったりするのかなど、検証しておりました。皆さんにお知らせするのが遅くなってしまったこと、申し訳なく思います。<(_ _)>


◆プチ外部濾過器1

■はじめに
 現在の私の60センチ水槽は、水作エイトMのみで濾過をまかなっていまして、詳しい方々に言わせると、濾過能力不足とはっきりと断言されてしまいそうなのですが、魚の病気もあまりでませんし、水草もまあまあ育ってますし、苔もそれなりですし…。ということで濾過に余裕はないのでしょうが、困っているわけでもなく、おそらく微妙なバランスで成り立っているような気がします。底砂なんかもフル活動で濾過を頑張ってくれてるんでしょうね。とりあえす、ちゃんとバランスしているんですから、それで良いのですが、実はまた”魚を追加したい病”が出てきそうな雰囲気でして…。というか、その病は慢性のような気もします(笑)。ともかく、これ以上増やすとなると、やはり現在のバランスは崩れるであろうと考えるのが順当な判断だと思われます。ということで、濾過能力を増やしてみることにしました。じゃあ、物置に行って昔使ってた濾過装置でも引っぱり出してこようかな、なんて思ったのですが、ふと、足が止まりました。
 「それじゃあ、つまらない…」
危ない考え方です。自分が楽しいかどうかで飼育方針を変えるとは本末転倒も良いところ。でも、なんかやってみたい。もしかしたら、市販の濾過器よりも良いことがあるかも。なんて淡い期待が頭をよぎります。これまで飼育を試行錯誤でいろいろとやってきた虫がうずくのです。
 ということで今回はプチ外部濾過器を作ってみようかと思います。WaterBox初のDIYとなりました。長い前振り。ごめんなさい。
 さて、作る前にまじめな話をしましょう。今回のプチ外部濾過器ですが、いくつか目標を立てました。

  1. お金をあまりかけないこと。高くつくなら濾過器を買ってきた方がよさそうですし、誰でもが真似できないことをネットで紹介しても意味がないと思ったからです。何より、私のお財布は軽いのです(;_;)。ということで、予算は小学生のお小遣いクラスにします(私より多い?)。
  2. 今ある設備を役立てること。お金の節約にもなりますが、何よりも現状のバランスを崩してはなんにもなりません。
  3. 簡単に作れること。不器用で時間もそんなに無いので、これは必須です。また、特殊工具を使うような加工は出来ませんし、接着剤とかも何となく使いたくないですよね。
  4. 配線がごちゃごちゃしないこと。よくあるDIYでどうも気になるのが、電気配線がいっぱい出ていて、蛸足でなんとかしているという状態です。電気は火事などにつながることもありますので自作の場合はあまりそういうことはしたくありません。
  5. 少なくとも自己満足はできること。これはとっても重要です(笑)。
 では、早速どういうものを作るのか考えてみましょう。

■どんなものを作りましょうか
 大まかな方針として、外部濾過器にしようかと思います。理由は、構造が簡単だからです。水槽から、水を引きだして濾材の中を通して水槽に戻す。やっているのはそれだけですので、結構楽に出来そうです。
 さて水槽から水を引き出すことを考えたときに一番最初に必要だなと頭に浮かぶのは水揚げ用のポンプです。でも、ちょっと考えます。ポンプは値段が高いです。テトラのOT-30という外掛け式の濾過器でも1600円、壊すのは勿体ないです。その他、上部濾過器のスペアポンプなんかも売っていますが、2000円くらいします。1000円の水揚げポンプも売ってますが、耐久性がどうにも怪しく、それでも値段が高い。水中ポンプもありますが、それも1000円くらいはしますよね。@が達成できません。しかも、ポンプには電源が必要でして、現状よりもコンセントが一つ増えてしまいます。Cが危うくなります。ということで、電動の水揚げ用ポンプは却下です。
 では、どうやって水をくみ出そうかと考えたときに、エアリフトという方式が思いつきます。水作エイトなどの投げ込みフィルターや底面濾過フィルタに使われている原理です。その詳細はここで説明すると長くなるのでここに書いて、先に進みます。とにかく、エアリフトなら、今のエアポンプを使えばいいですから、お金も節約、電源も増えません。そこで目を付けるのが水作エイトMです。水槽の中で盛大にブクブクと泡を吹き上げてますね。それを利用しようというわけです。ちょっと実験です。右の写真を見てください。水作エイトMのブクブクが出てくるところにホースを挿して水面から持ち上げます。すると、水が水面よりも上に来ていることがわかります。写真では、水面から、揚水面が6センチほど上がっています(泡がぶくぶくで見にくいですが)。水面よりも高い位置に水を持ち上げられると言うことは、これで水をくみ出せると言うことです。とりあえず、これで水槽から水を濾過器に入れることは出来るようになりますね。
 今度は濾過器に入れた水を水槽に戻す方法を考えないといけません。ということで、またも物理現象の登場です。今度はサイフォンの原理。例のごとく説明が長くなるのでそれはここに譲るとして、要は二つの水槽の水位を同じにするというサイフォンの性質を利用して、濾過器側の水位が上がったらその分だけ水槽に戻してくれるようにします。これで水を水槽に戻す作業も、めどがつきました。さて、ここで今回作るプチ外部濾過器を簡単な図にしてみました。
 図を簡単に説明します。エアポンプから空気を送り、その空気で本水槽に入っている水作エイトを動かします。水作エイトはその上部と底部から水を吸い込んで空気の泡と一緒に筒になった部分から上へ吐き出します。その筒にホースを取り付けて空気と水を一緒に水槽の外部に導きます。その空気と水を濾過水槽に入れます。濾過水槽には上から物理ろ材、生物ろ材の順番に濾材をセットしてあり、その中を水が通過します。濾過水槽の下まで降りた水は、サイフォンの原理でホースの中を通って本水槽に戻ります。台は濾過水槽の水面がちょうど良い高さに来るように、高さ調節をするために置いてあります。
 と、概要はこんな感じです。案外簡単にできそうな気がしませんか?


■お買い物
 ここまで来ればできたも同じ?ですので、材料集めに行きましょう。ということで、買い物リストです。一応サイズなど書いてありますが、全く同じでなくても、同じ役割を果たしてくれるなら違うものでも良いですよ。また、全ての部品に言えることですが、水の中で余計な成分が溶けだしたり、崩れてしまったりしないようなものを用意してください。

●ホース1
 内径8mm、外径13mmのビニールホースです。長さは外部濾過器を置く場所との距離や水槽の深さなどにもよりますが、今回は1メートル買ってきました。ちなみに、私が今回取り付けるのは水深36センチの水槽で、プチ外部濾過器と水槽の距離は2センチくらいです。
 値段は10センチ21円でした。
 私と同じホースは見つからないと思いますので探すときのコツを書きます。柔らかくて良く曲がるホースがよいと思います。硬くて、少し強く曲げると折れて詰まるホースもありますがそれは使いにくいです。今回買ってきたのは灯油を通すためのホースでした。

●ホース2
 内径15mm、外径18mmのビニールホースです。長さは10センチもあれば十分です。
 これは何に使うかといいますと、ホース1は細いために水作エイトMの泡の出る筒の部分には入らないんです。それで筒にすっぽりかぶせられる太さのホースを用意したのがこれです。このホースを使って水作エイトMとホース1を接続します。ですので、10センチもあれば十分なのです。値段は10センチ29円でした。
 こちらのホースは普通の水道用のホースでよいです。特に曲がりやすくないといけないわけではありません。ただ、ハサミで切りにくいほど硬いと作業がしずらいですので、安物のホースで良いように思います。

●ケース(濾過水槽)
 濾材を入れるための水槽です。基本的に大きな方がよいですが、水槽の横に置きますので、あまり大きいと邪魔なので適当なものを見繕ってください。それと、なるべく断面が四角い方が納まりがよいです。今回用意したのは100円ショップで売っていたパンなどを入れておくためのケースです。容量は約4.5リットルあります。もちろんこれでなくとも、濾材を入れる大きさがある入れ物で、水が漏れたりしなければ問題ないと思います。他に思いつくのは2リットルのペットボトルとか、ゴミ箱とか、小さめの衣装ケースなんていうのも使えるかもしれません。
 ちなみに市販の外部濾過装置の濾材容量は、エーハイムの2213が3リットル、2228が7.3リットル、2260が18リットル、フルーバルが104〜404で3.2〜8.5リットル、ニッソーのプライムパワーが1.3〜5リットル、ジャレコのNEOシリーズも1.9〜6.6リットル程度ですので、プチ外部濾過器としては、2リットルもあればなんとなく格好がつくのではないかと思います。
 この写真のケース、値段は105円でした。
 

●キスゴム
 ホースを水槽内に適当に止めておくのに便利なので買ってきました。無ければないで、別の方法で止めればよいので、いらないかもしれません。アクア用のキスゴムをとりあえず、2個買ってきました。値段は2個入りの袋で128円でした。

●スポンジ(濾材)
 濾材は本当に何でも良いと思います。普通に売っているリング濾材や球濾材、砂利でも、ウールでも構いませんが、とりあえず今回は洗車用のスポンジにしてみました。濾材は結構お金のかかる部分なので、安くあげるということと、物理濾過用にはスポンジを薄く切って敷き、生物濾過用には適当にサイコロ状に切って使うことが出来るので、これにしてみました。ちなみに、洗車や台所用スポンジを使う場合には抗菌処理されていないものを選んでくださいね。バクテリアが定着しなくなってしまいますので。また、スポンジの中には希に使っているうちに溶けるものがありますが、それは使わないとわからないので、溶けないことをお祈りしてください(笑)
 写真のスポンジも100円ショップの品です。一つ105円で二つ買いました。

●水作エイトM
 これを使って濾過能力アップを目指す事を前提にしているので、買い物リストに入れて良いのやらわかりませんが、とりあえず紹介しておきます。超定番の投げ込み式濾過装置です。ホームセンターなどでも頻繁に見かけますので特に購入するのに困ることはないと思います。値段は680円でした。

●エアポンプ
 これも元々あるものを使うつもりなので今更買いに行くことは無いと思いますが、とりあえず紹介しておきます。写真のものは水作の水心SSPP-7というエアポンプで880円で買いました。最大吐出量が毎分600CC、圧力が0.08kg/cmという性能です。

●台
 重さに耐えられて、水がこぼれても問題ないものであれば、何でも良いです。台の上にケースを載せたときに、ケースの一番上の高さが水槽の高さよりも数センチ高くなるような台を用意します。ですので、、高さを微妙に調節できるようなものがベストです。ですが、なかなか無いですね。私もちょうど良いものがなかったので、台は家にあった木の箱、台とケースの間に古雑誌などを挟んで調節しました。


買い物はこれで終わりです。水作エイトとエアポンプ、台を除けば、600円くらいですむので、お小遣いでなんとかできる範囲ではないでしょうか。このほかに工具としてハサミを用意します。では、実際の作業に移りましょう。


■作り方

(1)水洗い
 とりあえず、水に浸かるものは全部洗いましょう。埃とか、油とか付いていると思いますので。数日間水につけておくのも良いかなと思います。ケースに水を張って他の部品を全部入れてしまうと良いですね。といいつつ私は水洗いしただけで使ってますが。

(2)ホースを水作エイトに接続する
 ここからやっとDIYらしくなってきました。ホース1を水作エイトに接続します。完成図が右の写真です。ホース2が水作エイトの筒にすっぽり入るんですからそれをそのまま使えばいいとおっしゃるかと思いますが、実はエアリフトの場合、ホースが太すぎると水があまり高く上がらないんです。それで細めのホース(ホース1)につなぎなおしています。ちなみにホース1が細すぎるとエアが漏れますので、太すぎず、細すぎずの適度な太さが必要です。
 さてやり方ですが、どんな手を使おうと、上手くつながればそれでよいです。しかも水中なので多少漏れても構いません。気楽です。
 私が買ったホースの場合(太さは上記、ホース1が1メートル、ホース2が10センチ、それぞれ1本)の手順ですが、
@ホース2から2センチほどの長さを切り取る→ホース2の切れ端
Aホース2の切れ端を縦に裂いて長方形にする。
BAをホース1の端に巻く。だぶってしまった部分は綺麗に切ってちょうどホース1をぐるりと1周巻くようにする(写真の”ホース2の切れ端”の部分になる)。
Cホース1にホース2の切れ端を巻いた上から、ホース2の残り(8センチ)を差し込む。このときに多少無理して、ぴっちり入るくらいのホースを買ってくるのがベストです。あまり緩いとエアと水が漏れますし、きついと入りません。
Dホース2を水作エイトにかぶせる。

この作業が今回のほとんどメインです。これが終わるとあとは大したことは残っていませんので、頑張って細いホースを水作エイトに取り付けてみてください。今回紹介した以外の方法でも、エアがあまり漏れないように取り付けられれば良いですので、工夫してみてくださいね。

(3)ケース(濾過水槽)を設置する
 台を置いて、ケースをその上に載せます。ケースの高さが、水槽の高さよりも数センチ高くなるように設置します。それより高くても構いません。ケースの方が高いぶんには濾材の入る容量が減るだけですので問題はないですが、間違ってもケースの方を低くしないでください。特に水槽の水面よりもケースが低いと、サイフォンが働きませんので、この濾過装置は動かず、周囲が水浸しになるので注意してくださいね。

(4)水作エイトを水槽に入れる
 ホースを付けたまま水作エイトを水槽に沈めてください。エアポンプのホースも付け忘れないでくださいね。

(5)ホース1を適当な長さに切る
 (2)で接続したホース1は買ってきた長さ(1メートル)のままですね。水作エイトを水槽に入れましたので、ホース1が水面からニョキッと出ていると思います。それをケースの上まで引いていって、多少余裕を持って届く長さで切ります。だいたい60センチくらいで切ることになると思います。

(6)水作エイトを試しに動かしてみる
 ここまで出来ればとりあえず水を水槽から吸い出すことは出来るようになったはずです。ということで試験をかねて水作エイトを動かしてみましょう。まだ水槽へ戻す経路が出来ていませんからケースの水をあふれさせないように気を付けてください。左側の写真がぶくぶくと泡の出ている水作エイトの様子です。泡が水を巻き込んでホースの中を昇ってゆきます。右側の写真がケースの方の様子です。ホースの中からエアと水が一緒に出てきています。このように水が水槽からケースに流れ込めば成功です。もし水が途中までしか行かなかった場合は、次の項目をチェックしてみてください。
●ホースが太すぎないかどうか
●水作エイトとの接続部分からたくさんのエアが漏れていないかどうか
●ホースの途中の高さが高すぎていないかどうか。あまり途中を高くすると水が上がってきません。
●ホースが途中で折れていないかどうか
●エアポンプのパワーが弱すぎないかどうか

だいたいこの辺りをチェックすると悪いところが見つかります。上手く動いているのが確認できたらケースに水を半分以上入れてから、いったんポンプを止めます。

(7)水槽に水を戻す経路をつくる
 まずは、キスゴムを水槽とケースに一つずつ付けます。水槽の方は、水が流れ出てくる場所を適当に決めて下さい。なるべく水深の深い場所の方が良いと思います。ケースの方は下の部分から水を吸い出す予定なので、なるべく底に近いところにホースの口を設置できるよう、考えて配置します。
 先ほど切り取ったホース1の残りがあるので、それをケースと水槽の間に渡してみて、付けたキスゴムの位置に合わせて適当な長さに切ります。切ったホースでサイフォンの状態を作らないとなりません。私が良くやる方法はホースを完全に水没させて中の空気を抜き、両方の端をつまんでホースの中に水を入れた状態を作ります。片方の口を水槽側、片方の口をケース側の水の中に入れてから、つまんでいた手を静かに離します。この途中でホースの中にエアが入ってしまわないように気を付けましょう。あとは、先ほど取り付けたキスゴムにホースの端をそれぞれ引っかけます。サイフォンの原理がきちんと働いていれば、水槽とケースの水面の高さが同じになるように、水がホースの中を流れるはずです。水面の高さが同じになったら成功です。写真では手前の下側にキスゴムが付いていて、それにホースを引っかけてあります。

(8)濾材を入れる
 今回はスポンジを濾材にしましたのでそれを入れるやり方を書きます。といっても難しいことはありません。サイコロ状(左写真)にスポンジを切って入れるだけです。あまり大きいと表面積が小さくなりますし、小さすぎると水の流れが悪くなりますので、適当な大きさにしてください。形は本当に適当でよいと思います。そのまま入れると浮きますので、水の中でしっかり絞って水を含ませてから入れます。最後に物理濾過用にスポンジをシート状(右写真)にして、サイコロ状に切った濾材の上にのせます。その上に水作エイトから出ているホースの先をのせてください。

(9)完成
 右の写真のような感じでとりあえず完成です。蓋をのせてありますが、のせてあるだけです。ケースの蓋に穴を開けたりしてホースを通してやるとしっかり蓋が出来るようになりますが、それは好みでやってください。別に蓋がないと困るわけではありません。多少、水が蒸発するのを防げると思いますが、見栄えの問題かと思います。

(10)動かしてみる
 エアポンプのスイッチを入れます。水がケースに入ってきて、物理濾過用のスポンジの上で泡が弾けるような感じになると思います。しばらく動かして、きちんと水が戻っているかどうか、あふれたりしないことを確認しましょう。確認できたら、お終いです。接着剤もなく、ドリルなんかも使わないので、結構簡単に作れると思いますがどうでしょうか?
 右の写真は使いはじめて1週間たった様子です。スポンジが黒くなってますね。それなりに濾過の効果はあるようです。とりあえず、ここまではきちんと動いてくれていますので、しばらく使ってみるつもりです。


■問題点など
 プチ外部濾過装置のことについてやってみて気づいたことなど少し書いてみたいと思います。
 作るのが簡単です。材料を揃えてから30分くらいで完成しました。また、今までの水作エイトはそのまま水槽の中で動いていますので、濾過能力がこれまでに比べて落ちてしまうということは無いのではないかと思っています。コンセントも増えませんし、手軽にお試しで作ってみるには良いかなと思います。
 ただしいくつか問題点があります。
 まずは水位の問題です。水槽の水位が下がると、エアリフトで持ち上がる水の量が減ります。つまり濾過水槽に水が入りにくくなってしまいますので、常に水槽の水位を高く保つように蒸発分の水は足してあげる必要があります。次に、この濾過器を付ける前は、水作エイトから出るエアが水槽内をかき回していたので、適度な水流ができていたのですが、それが無くなります。その影響がどうなのだろうかと思っています。一応、水槽に戻るホースの出口からはそれなりの勢いで水が出ていますので、外部濾過器を普通に付けたのとあまり変わらないようにも思うのですが。次に、やはり、造りがいい加減ですので、ひっくり返したりするとひどいことになります。あまり無いとは思いますが、何かの拍子で水を水槽に戻すサイフォンが機能しなくなると水があふれますので注意が必要です(といっても市販の外部濾過装置も失敗すると水浸しなんですけどね)。
 ちなみに、透明のケースでやると中に苔が生えることがありますので、周りを適当な遮光物で囲ってくださいね。
 とりあえずいろいろやってみたい方、外部濾過装置が高くて手を出せない方などは一度試してみてはいかがでしょうか。少なくとも、自己満足だけは得られると思いますよ(笑)。


◆プチ外部濾過器2
 プチ外部濾過器1の問題点など踏まえまして、先日新しいプチ濾過器を作りました。上の濾過器も3ヶ月使用しましたが、特に問題もなく、魚たちも至って元気にしておりまして、別に悪くはないのですが、とりあえず保険の意味合いも込めまして、濾過容量を増やしてみたいということで濾過層として使っている容器を取り替えようと思いました。ですが、ただ取り替えてもおもしろくない(笑)ので、いくつかの問題点を解決しようとちょっぴり頭をひねりました。そのプチ外部濾過器1の問題点なのですが、
  1. サイフォンが何かの弾みで機能しなくなると水槽の水が全部無くなるまで水が溢れてしまう
  2. 水槽にエアレーションが無く、水があまり動かない(酸欠になる?)
  3. 濾過層にコケが生える(笑)
ということがちょっと気になっていたのです。とはいえ、3ヶ月使いましたが1についてはそのような事故は一度も起こりませんでした。また2についても水が動かなくて困るということは特にないようでしたし、夏でしたが酸欠の様子もなかったですので、魚に影響が出たようには思えませんでした。でも転ばぬ先の杖というか、対策をしておくことに越したことはないですので、今回改善してみたいと思います。ちなみに3に関しては自分でもバカなことをしたなと思います。透明なケースで日光が差し込む場所においておけばコケが生えるのはある意味当然でして…。ということで、今回はこれらの問題を解決すべく、少し方式を変えました。

■どんなものをつくりましょうか?
 基本的に考え方はプチ外部濾過器1と変わりません。水作エイトを利用したエアリフトの水揚げを使って水槽の外の濾過層に水をいれて、サイフォンでその水を戻す。と…。でも、このままでは1の問題点が解決されませんので、今回は逆にしてみました。右の図を見ていただけるとわかると思いますが、濾過層から水作エイトで水を水槽に入れて、サイフォンの原理で水槽から濾過層に水を戻すようにしました。こうすると、サイフォンが何かの理由で機能しなくなっても、水槽の方に水がたまりますので、溢れる危険性は少ないですし、濾過層の容量は水槽に比べると小さいですのでたとえ溢れてもその水の量は少なくてすみます。これで水漏れに関しては少し安心できるというものです。また、水作エイトから出る水(濾過層から水槽に戻る水)は空気と混ざっていますので、水槽に入るとエアレーションの効果を発揮します。
 ただ、今回少し問題になるのがサイフォンで水槽から濾過層へと水を送っているということです。サイフォンに利用するのはただのホースですから、水槽の水をそのまま吸い込んで濾過層へと送り込みます。うちの水槽の場合、常に何かの稚魚が泳いでいたりしますので、このままではそれを吸い込んで濾過層送りの刑にしてしまいます(笑)。ですので、サイフォンに使うホースの水槽側にスポンジフィルターを取り付けまして稚魚の吸い込み防止と、多少の物理濾過、生物濾過を期待してみました。

■お買い物
 といっても前回のプチ外部濾過器1の部品を基本的に流用するので、システムとして増えるのは吸い込み防止用のスポンジフィルターだけです。その他に私は今回、濾過層の容量アップと苔対策のために容器を買い直しましたのでそれと、濾材を少し増やしましたのでその分が追加になっています。追加分のみ書きます。

●スポンジフィルター
 サイフォンに使うホースの外径は13mmですので、それに合うようなスポンジフィルターを探しました。それで見つけたのが、テトラの外掛け濾過器OTシリーズ用のストレーナーフィルターです。ちょうどホースの外径にぴったりとはまりまして、それで万事OKと言いたいところですがちょっと工夫が必要でして…。それに使う器具は下で。このフィルターの値段は2個セットで348円でした。一つはうちにあるOT-30につけたので、一応174円ということですかね。

●お菓子袋の留め金(笑)
 上のスポンジフィルターは何が駄目かと言いますと、スポンジにパイプを通す穴があいているのですが、それが向こう側まで突き抜けていると言うことです。つまり、”ちくわ”状態でして、そこに同じく”ちくわ”であるホースを差し込んでも水はちくわの穴からほとんど流れ込むので無意味です。ということで、スポンジフィルターの片方の穴を塞ぐためにお菓子袋の留め金(名前がわかりません)を使います。細い針金にテープ状のビニールがはりつけてあるあれです。巻き付けてちょっとねじると止めることのできる便利なものです。考えた人は偉いと思います。同じように袋の口を閉じられるようなものであれば良いので、紐でも輪ゴムでも大丈夫ですよ。とりあえず、水に溶けないものにしてくださいね。ということで、廃品利用なので0円です。

●容器(濾過水槽)
 今回、濾過容量アップと濾過層の苔対策のために買い換えた容器ですが、別に前回買った容器をそのまま使っても問題ないです。とりあえず、今回はゴミ箱にしてみました(笑)。容量は約7.8リットルです。前回の2倍弱ですが、今回は水作エイトが濾過層に入りますので、そこまで大幅な容量アップと言うことにはならないです。そして最大のメリットが黒いことです(笑)。前回、透明の容器にしたために、濾過層にコケが生えるという失態をやらかしまして、その教訓から今回は光をシャットアウトできるようにしてみました。やっぱり100円ショップで買いましたので105円でした。

●洗車スポンジ&砂利
 濾材にするために前回使用した洗車スポンジを一つ追加しまして、他にもなにか入れた方がいいかなぁなんてちょっと思いましたので、余っていた五色砂という3〜5ミリくらいの粒の底砂を入れてみました。生物濾材なんて、条件さえ満たしていれば別に何でも良いんですよね。ということでお好きな生物濾材を入れてください。値段は…、スポンジが105円で、砂利は余り物なので0円という事にしておきましょう。

■作り方
 早速組立ですが、これもあまり解説することは無かったりします。前回作りましたものをそのまま濾過層側と水槽側で取り替えるだけですので、変更点や注意点を重点的に書きたいと思います。
(1)水洗い
 容器などをしっかりと洗いましょう。

(2)濾過水槽(容器)の設置
 前回と同じように台の高さを調整して水槽のすぐ隣に濾過水槽にする容器を設置します。高さは容器の口が水槽の水面よりも必ず高くなるようにしてくださいね。

(3)水作エイトを濾過水槽にいれる
 前回、水作エイトにホースを接続しましたが、それをそのまま濾過水槽に入れてしまいます。そうするとホースの先が濾過水槽から出てくると思います。ここでポイントですが、前回のものを流用した場合、基本的にホースの長さは短くてすむはずなので、水槽までホースを引いていって、水がきちんと水槽に入るところで適当に切ってください。このとき、水槽側のホースの先を水に深く沈めると圧力の関係で水が出てこなくなりますので、あまり深く沈めないか、もしくは水上に出していても良いと思います。また、前回使いましたキスゴムを水槽につけてそれにホースの端を引っかけると収まりが良くなります。それと、きちんとエアチューブも水作エイトにさしておいてくださいね。

(4)水作エイトを試しに動かしてみる
 濾過水槽から水槽に水が行くかどうかを確かめるために濾過層にいっぱい水を張りまして、水作エイトにエアポンプで空気を送ってみてください。空気の泡と一緒に水が水槽に入るようであれば成功です。エアポンプを一端止めましょう。もしもうまくいかなければ、下の項目をチェックしてみてください。
●濾過水槽に水が上の方まで入っているかどうか
●水作エイトとの接続部分からたくさんのエアが漏れていないかどうか
●ホースの途中の高さが高すぎていないかどうか。あまり途中を高くすると水が上がってきません。
●ホースが途中で折れていないかどうか
●エアポンプのパワーが弱すぎないかどうか
これらを調べて改善すればおそらく動くと思います。

(5)濾過水槽に濾材を入れる
 私はまず砂利を入れまして、それで水作エイトが埋まる感じになりました。砂利の粒が比較的大きいですので、この程度であれば埋めてしまっても水の流れに影響はありません。あまり細かいと水作エイトに詰まりますのでお気をつけください。その上から洗車スポンジを細かく切った濾材を入れ、これを生物濾過層としました。さらにシート状にしたスポンジをその上に載せて物理濾過層としました。

(6)スポンジフィルターの加工
 加工なんて大げさなことを書いていますが、実際にはスポンジフィルターの片側を縛って止めてしまうだけのことです。写真をご覧になると一目瞭然だと思いますが、ホースの先につけるフスポンジィルターの片側をお菓子袋の留め金で絞っているだけです。こうしないと、スポンジフィルターを取り付ける意味が無くなります。このようにして水を吸い込むときにスポンジの中を水が通過するように工夫しました。
 このように作ってから一端ホースからスポンジフィルターを外してください。

(7)水槽から濾過水槽への経路をつくる
 今回はサイフォンでの水の流れが前回と反対で水槽→濾過水槽です。その間にサイフォンを働かせる方法は前回と同じです。違うところは、濾過水槽側のホースの位置でして、前回は濾過水槽の下の方から水をくみ出していましたが今回は濾過水槽の上に水を供給するので、ホースの先は先ほど入れた物理濾過用のスポンジの上に置いてください。このときにも前回のホースを使うとおそらく長いですので適当なところで切ったり、キスゴムにはめたりして長さや位置を調整してください。

(8)ホースにスポンジフィルターを取り付ける
 サイフォンを働かせるのにスポンジフィルターがついていると邪魔なので取っていましたが、ホースのサイフォンがきちんと動き始めたら取り付けてください。

(9)完成
 前回のものをほとんど流用したので、今回は工作らしい工作もなく、おそらく15分もあれば完成すると思います。蓋もあった方がよいですが今回はゴミ箱を買ってきたので蓋がないです。無くても機能としては問題ないですが、光が当たるとコケるのでなるべく遮光できるものを用意すると良いと思います。私も早急に適当なものを探してこようと思います(笑)

■問題点など
 今回はプチ外部濾過器1の問題点修正なのでプチ外部濾過器2に変えたからといって問題点が増えたわけではないです。依然として残るのは、ちゃちな作りなので、倒してしまうと水がこぼれることや、サイフォンが止まると濾過器としての機能を果たさなくなることなどがあげられますが、今回水漏れの時の漏れる水量やリスクを減らせそうなことや、エアレーションを行えるようになったことは良かったと思います。また、後から気がついたのですが、水槽内から水作エイトが消えましたので、普通の外部濾過器のようにすっきりと水槽内を使うことができるようになりました。またスポンジフィルター(濾材)をつけましたので多少は生物濾過、物理濾過ともに能力が上がったような気はします。これも今回のような小型のものではなく、ニューブリラントの替えスポンジとか、もう少しまともなスポンジフィルターを使えば生物濾過も十分に期待できるものと思います。ちなみに、この方式だと外部濾過と言うよりは、オーバーフローと呼んだ方が良いのかも知れませんね。まあ、とりあえず、外にあるし、なんかオーバーフローなんて大げさな事を言うと、怒られそう(笑)なので外部濾過器という事にしておいてください。
 またしばらく使ってみて問題点などありましたら追記したいと思います。

■最後に
 今回、このプチ外部濾過器2を作りに当たり、水槽生活さんの情報・雑記第3倉庫で、「濾過器側からリフトしたらよいかも」というアイデアをいただいていまして、それを私なりに考えてやってみました。このアイデアをくださったジャガーさん、プリンさんに感謝したいと思います。また、同コンテンツ内ではお茶ポットで作る外部濾過器のお話や、テトラのブリラントを利用した底面濾過(情報・雑記第4倉庫)も提案されています。おもしろいですので興味のある方は是非見てみてくださいね。

■追記
 このプチ外部濾過器2を実際に制作されて、改良されたヨーキーさんがその様子を教えてくださいました。紹介します。(以下、ヨーキーさんの書き込みを一部変更、抜粋させていただきました)
「我が家で使用している「プチ外部濾過器2」、3ヶ月以上使用しましたが、何の問題もなく順調でした。そこで、気になりだしたのが、サイフォンのために水槽内に突っ込んでいるホース…。これを、できるだけ「見た目」のよいものに改良できないかと思いました。
内径16のパイプを買ってきて、ノコギリで適当に切断。90度に曲がっている継ぎ手を2つくっつけて完成!
エアを巻き込んでいるかどうか外から見えないので不安ですが、順調順調。見た目もスッキリ。流量に支障なし。
41×21×26の水槽ですが濾過的には問題なし。ただ、我が家では、バケツ(濾過層)の中に入っている水作エイトがSサイズですけど。
今回の費用は、パイプ134円、90度継ぎ手36円×2、塩ビ用接着剤207円、合計413円でした〜」
とのことです。すっきりとパイプでサイフォンを作るというのは良さそうですね。
ヨーキーさん、参考になる報告をありがとうございました。



◆プチ外部濾過器3

■はじめに
 いろいろと作るのが好きな猫丸ですので、また工作をすることになりました(笑)といっても、別に前回の濾過器に大きな不満があったわけではなく、それならそれで良いかなと思っていたのですが、実は水槽生活さんの情報・雑記第4倉庫で”ある意味オーバーフロー水槽”という記事を見つけてしまいまして。何だか楽しそうなので、それを作ってみようかなと思った次第です。といっても今よりも悪くなるものを作っても仕方がないので、それならやらなかったのですが、この方法を使ってみようと思ったのはズバリ「サイフォンを使わなくても良いから」です。前から気になっていたことの一つに、サイフォンで濾過層と水槽の間の水のやりとりをしている事がありました。サイフォンが一概に信頼性が低いと言うつもりはないのですが、魚が予想外の動きをしたり、水槽には枯れた水草など、パイプを詰まらせる要素がありますし、エアレーションをしている関係上、空気がサイフォン管に入って停まってしまう可能性も無いわけではありません。今までそのような事故は起きていないのですが、不安であることは確かでして、それをもう少し信頼性の高い方法に切り替えられたら良いなと思っていました。それで、今回のプチ外部濾過器3の制作となったわけです。


■どんな物を作りましょうか
 仕組みについてはリンク先の水槽生活さんで解説されているのですが、多少私のアレンジ(というか、ありもので作ったのでそうなったという方が正しいですけど…(^^;)が入っていたりするので、今回作った物をきちんと説明しようと思います。右の図を見てください。非常に構造は簡単です。水槽よりも高い位置に濾過層を用意しまして、そこに水槽からポンプで水を送り込みます。そうすると濾過層から水が溢れますので、その溢れた水を水槽に戻してやるという方法です。濾過層の1カ所だけを低くしておけば、そこから水があふれ出しますから、水槽側の壁の一部を下げまして、そこに樋を作って水槽に水を導くという原理です。これですとサイフォンを使って水槽に水を戻したりする必要がありません。外掛け濾過器を大きくしたような作りだと考えていただければ良いと思います。
 

■お買い物
 前回のプチ外部濾過器2の部品を流用しますので、ホースなどは買ってきませんでした。新しく購入した物について主に説明します。

●水中濾過器@
 今回はエアリフトを使わないでやってみようと言うことで水中濾過器にご登場願いました。といっても一番安い価格帯の水中濾過器を使っているのは言うまでもありません。ということで、右の写真の濾過器、水作のスペースパワーフィットです。水槽のコーナーに設置できて、つまみで流量調整ができる優れ物です。うちの近くのお店で1000円〜1200円程度で売られていました。水槽内に水流を作ろうと思って買ったものでして、これが手元にあったので水中濾過器を使おうという発想になったわけです。が、ちょっと問題がありまして…。

●水中濾過器A
 上で問題があると書きましたが、どう問題があったのかは後に回しまして、とりあえず、こちらの水中濾過器も紹介しておきます。GEXのe−ROKA(PF−200)です。こちらはノーマルな水中濾過器で、特にこれと言った特徴もないのですけど、最終的にはこちらを使うことになりました。理由は後で説明します。ちなみに値段はうちの近くのお店で1000円程度です。

●ゴミ箱
 またまたゴミ箱を買いました(笑)。やっぱり手頃な容器というとゴミ箱になるのです。これも100円ショップで買いまして、値段は税込み105円。今度は前回よりもさらに大きくなっておりまして、容量は約12リットル。そんなに大きな濾過層はおそらく必要ないですけど、とりあえず、濾過器も含めた全体の水量が増えるのは良いことなので、これにしてみました。また、今回は濾過層を水槽よりも高く設置するので、なるべく高さのあるゴミ箱(これは30センチほど)が欲しかったと言うことと、いろいろと試行錯誤はしたのですが、最終的には作業の途中でゴミ箱を熱して変形させるという力業になってしまいまして、それができる材質の物を選んでおいて良かったなと後から思った物です。

●ホース
 前回、前々回と使いましたホースをそのまま流用しています。内径8mm、外径13mmのビニールホースです。長さは、水槽の水中濾過器から濾過層の底まで届く長さが必要なので、50センチ程度用意しました。
 このホース、一つだけ条件がありまして、濾材の重量が結構かかるかもしれませんのでなるべく肉厚で潰れにくいホースを選んだ方が良いと思います。

●シート(ポリプロピレン)
 濾過層から水槽に水を導く樋を作ろうと思って買ったのですけど、微妙に使い方が変わってしまったポリプロピレンのシートです。これも100円ショップで105円でした。カッターやはさみで切れることと、良く曲がること水をはじくことで、かなり使い勝手が良かったです。同じような材質なら他の物でも良いですし、プラ板やアクリル板なんかでも良いような気がします。

●その他
 ガスコンロ(家にある普通の調理用のガスコンロ)、ペンチ(これも普通のペンチです。熱で溶けない物にしましょう)、カッターを使いました。

■作り方

(1)水洗い
 前回同様、水に入る物はきちんと洗いましょう

(2)濾過層(ゴミ箱)の加工
 (※火を使うので気を付けてやってくださいね。子供の方は大人と一緒にやりましょう
 ここが今回一番厄介だったところです。ゴミ箱の縁の一部分を低くして、そこから水が流れ出すように改造しなければいけません。そのときにまず考えたのが、ゴミ箱の一部分を切り欠いて、そこに上で紹介したシートとシリコンボンドで樋を作るというものでした。ですが、試しに、その樋を作ってゴミ箱にくっつけて水を流してみたところ…。水がものすごい勢いで漏りまして…(涙)。今回、サイフォンを捨てたのは、より高い信頼性を求めてのことなのですが、全く信頼できない代物になってしまいました(T_T)。やっぱり、素人にはそういうボンドで接着してきちんと密閉するとか、水が漏れないようにするとか、そういうことは難しいです。しかも不器用な私には無理だということが今更ながらに判明したのでした。

上から見たところ。微妙に前に突き出しています

正面から見たところ。他よりも低くなっています(重要)

斜めから見てこんな感じになったらとりあえずokです。
 そこでちょっと考えます。このままではこのゴミ箱は本当にゴミ箱行きになってしまいます。ということで、次に考えたのが、上のシートで、ゴミ箱の内側に高い壁を作りまして、それの一部分を外に向けて曲げると言うことでした、が…。それも、壁の隙間から水が漏れることが判明しまして(あはは…)。却下となってしまいました。それで、ちょっとやけくそ気味になってしまいまして、「こうなったら溶かしてやる!」なんてことを言い出したわけです。それで、まずはハンダゴテを取り出しましてゴミ箱を熱してみましたが…。私のイメージではクニャッといい感じに柔らかくなって適当にのばせるはずだったのですけど、実際には一部分が異常に加熱されて、溶けて流れるという始末です。ハンダゴテは、用途に合わせて使うべきだと言うことを実感しました。さらに「こうなったら火だ!」なんて言いながら、その次に使ったのがチャッカマン。ですが、それも表面を焦がすのみに終わり…。うまく溶かすにはかなりの熱をかなりの範囲に当てないといけないことがわかりました。
 夕日を見ながら脱力感にさいなまれておりましたら、夕飯の匂いがしまして、「これですよ、これ!」と手を叩いて喜んだ(一部脚色)のが、家のガスコンロです。かなりの熱量が広範囲に放出されますので、なかなかナイスです。
 ということ(長い前振りすみません)で、ガスコンロでゴミ箱の縁を熱しつつ、溶けてきたなと思ったらペンチでその部分を引っ張ると言うことを、30分ほど続けまして、できあがったのがこの写真です。本当にお見せできるような代物ではないのですけど、ゴミ箱の縁の部分が一部低くなっておりまして、そこがくちばし(とはお世辞にも言えませんが…)のように前に出っ張っております。この出っ張りも、短いと意味がないので、きちんと水槽まで水が届くように丹念に引っ張りましょう。
 でも、これを作って思ったのですけど、はじめからくちばしのついたバケツを買ってくれば良かったのではないかと…。それは言わないことにしまして、とりあえず、ゴミ箱の加工は終了です。

(3)水中濾過器にホースを取り付ける
 これは結構楽なのかと思いきや、ちょっと手こずりました。水中濾過器の水の出口のパイプに上記のホースをつなぐのですが、水中濾過器@のスペースパワーフィットはちょっとパイプが太くて、差し込むのに苦労しました。結局、ホースの一部分に切り込みを入れてそこから無理矢理ねじ込むという事に(またも力業でした(^^;)。水中濾過器Aのe−ROKAは写真のようにすんなりと通ってくれたので良かったです。今回は今まである物を流用したのでこうなりましたが、はじめから作るのであれば、ホースの太さはきちんと計ってから買いに行けば問題ないと思います。

(4)濾過層(ゴミ箱)を設置する
 ゴミ箱のくちばし部分を水槽に向けて、水槽よりも高い位置に来るように置きます。このときに、くちばしから出た水が水槽に戻るように置きましょう。置いてみてくちばしが短ければまた熱して延ばしましょう。今回使ったゴミ箱は高さが30センチほどで、60センチ水槽よりも少し低いので、下に台になる物を置いて高さを調整しています。

(5)水中濾過器を設置、配管する
 水中濾過器を水槽の中に入れます。もちろん電気コードの取り回しもきちんとしましょう。水中濾過器から出ているホースを濾過層のゴミ箱に持っていきまして、ゴミ箱の底に置きます。上から濾材を入れるのでそれだけでも問題ないですけど、心配でしたら、キスゴムなどで固定すると良いと思います。私はあまっていたキスゴムを付けてみました。
 この状態で試しに水中濾過器を動かしてみましょう。水槽から水がどんどん濾過層に入っていくと思います。濾過層いっぱいになって溢れた水がくちばしのところから水槽に戻れば大丈夫です。くちばし以外のところから溢れるようでしたら、ゴミ箱が傾いていたりしないかどうかまずはチェックします。それがなければ、くちばしの部分が他よりも低くなっていない証拠なので、もう一度ガスコンロで熱して上の写真のように低くしましょう。また、水中濾過器の水量が大きすぎるとくちばしから流れた上にさらに別のところからも流れることになりますので、そのときにはくちばしを大きくするか、水中濾過器の水量を減らしましょう。

(6)濾材を入れる
 水の流れがうまくできていることが確認できたら、あとは濾材を入れましょう。この濾過層は下から上に水が流れますので、下の方にウールなどでゴミを取り除くような物理濾材を入れた方が良いと思います。上の方には生物濾材を入れます。またメンテナンスのことを考えて、生物濾材は適当なネットなどに包んで小分けにして入れると掃除が楽だと思いますよ。とにかくいっぱい入るので、濾材長者の方はこれでもかと入れてみましょう。別に濾材がなければ満杯に入れなくても良いと思いますので濾材貧乏な方も安心です。私は前回の濾材をそのまま入れまして、順番としてはウール、砂利、洗車スポンジとなっています。
 そうそう、一つだけ注意が。濾材をてんこ盛りに入れないでくださいね。それをやると、くちばしから水が出ていく前に他のところから溢れることがあります(溢れました(^^;)。濾材は9分目くらいまでにしておくのが良いかと思います。

(7)一応完成
 濾材を入れ終わったら水中濾過器を動かせば、それで大丈夫なはずです。もしも水が流れなかったときには水中濾過器がきちんと水を送っているかどうか、ホースが潰れていないかどうか確認してみてください。写真のようにうまく流れたら一応完成です。

■ちょっと改良
 実はできあがってからいくつか問題点が浮かび上がりまして、それに対する対応など書いてみます。

●水中濾過器の選び方
 今回、@スペースパワーフィットとAe-ROKA(PF200)を使ったのですが、水量としてはどちらも問題なかったです。ちなみにもう一つ、コトブキのminiBOX120も試したのですが、それは今回のセッティングですとちょっとパワー不足に思いましたので採用は見送りました。それで、@とAなのですが、結論から言いますと、私はAを現在使っています。はじめは@を使っていました。でも、10日ほど経ちましたら水量が当初の半分以下に落ちまして、本当にちょろちょろと流れるだけになってしまいました。原因は@にゴミが詰まってしまったためです。でも、@は今まで水槽の中で水流を作るためにずっと動いていたものなので、たった10日で詰まるのはおかしいなと思って考えてみたら、今回の工作に合わせて濾材を交換していたことに思い当たりました。それまでは@に付属してきた純正濾材を使っていたのですが、それが汚かったので今回はウールに詰め替えていたんです。それで、ゴミが詰まると、水が流れにくくなったようです。ですので、純正濾材を使い続けるのであれば、@で問題ないと思いますが、私はそういう使い方はしない(できない)ので、ウールに詰め替えてもあまり詰まることがなかったAを使っているというわけです。もちろん、これも規格外の使い方なので積極的にお勧めしているわけではありません。ですが、停まってしまっては困るので、使い方に合わせて水中濾過器を選ぶ必要はありそうです。

●エアレーション
 外部濾過器などで良くやりますが、水槽の入れ替えなどで、濾過器を水槽から外してしばらく置いておく場合があります。そのときにせっかく繁殖した濾過バクテリアが酸欠で死んでしまうのを防ぐために、濾材を濾過器から出してエアレーションする事がありますが、それがちょっと面倒に思えたので、今回はこの濾過層ごとエアレーションできるように、濾過層の一番下にエアストーンを先に付けたエアチューブを仕込んであります。そのチューブのもう片側が濾過層からニョキッと出ていまして、そこにエアポンプを接続すれば濾過層のエアレーションができるようにしてみました。密閉式ではない濾過器の利点だと思います。普段は使わないですけど、なにかの時には役に立つかなぁなんて思いつつ、たまにエアチューブをくわえて空気を送り込んだりして遊んでいます(笑)

●水音
 この濾過器作ってみて気がついたのは、水の音が結構うるさいことでした。水槽よりも高い位置から水を水面に向けて落としているので、結構な音がします。上部濾過の落水音に近いものがあります。水音は好きなのですが、私の水槽は寝室にあるので、さすがに少しうるさくなりまして、その対策をとってみました。そのときに使ったのは、使おうと思って買ったのに全く出番が無くなってしまったポリプロピレンのシートです。
 そのシートを適当な大きさ(今回は15センチ×20センチ位)に切りまして、一部分を曲げて、右の写真のような物を作りました。これをゴミ箱からの落水を受けるように設置したところ、かなりの消音効果がありました。取り付けた写真がその下2枚です。取り付け方はすごく簡単でして、私の場合には、ちょうど、くちばしと水槽の縁がぴったりくっついていたのでその間に差し込むだけで固定できました。これは水を受け止めるだけなので、特に水漏れとかを気にする必要はないですから、その場所に固定できればどんな方法でも良いと思います。水面に向かってうまく斜めのスロープができるようにするとよりよいです。
 ただ、この方法、うちのリザードフィッシュにだけは要注意でした。渓流ドジョウの皆さんは、水が流れてくる斜めのスロープがいたくお気に入りのようでして、これを上ってきます(笑)。ですので、そういう魚(おそらくホンコンプレコの種類なども多分好きだと思います)を飼っている方は、そこから逃げ出さないように対策をする必要がありそうです。私はこの上から網をかぶせて、これ以上、さかのぼれないようにしています。

■問題点など
 濾過層が開放型なので、ゴミ箱を倒してしまうと酷いことになるというのもありますし、むき出しの濾過層に蓋をしないと苔が生えると思います。上でも書きましたが、水中濾過器を選ばないと流水量が減ってしまいますのでその辺りを少し吟味する必要はありそうです。また、今回は加工に火を使ったりとちょっと難しかったので、もう少し簡単に作る方法を考えれば良かったなと反省しているところです。でも、とりあえず、サイフォンが停まるのを心配しなくても良くなったことが何よりです。また、ゴミ箱を大型化したので、トータルの水量を大きくとれるようになったのも良かったと思います。今回は水中濾過器で水を動かしていますが、前回使ったエアリフトでも水を動かせるのではないかというご指摘もいただきましたので、また機会を見て考えてみたいと思います。

■最後に
 今回のアイデアは水槽生活さんのジャガーさん、プリンさんに教えていただいたものを、細部を私がアレンジしたものです。また、私が掲載するにあたり、快く許可をいただいた上に、引用元のリンクも、著作権表示も不要との太っ腹なことをおっしゃっておりましたが、さすがにそれは申し訳ないので、こうして感謝の意味も込めまして書かせていただいています。本当にありがとうございました。



◆プチ外部濾過器3(改)

■はじめに
 プチ外部濾過器もだんだんと仕様が固まってきたみたいで、最近はそれほど見直す部分も無かったのですが、プチ外部濾過器3をしばらく使ってみて、メンテナンス面で少しわずらわしさを感じるようになってきたので、そのあたりのことを改善してみようかなと思います。プチ外部濾過器3からの大幅な変更は無いので、今回は(改)ということで、手直しをした点についてのレポートです。

■プチ外部濾過器3の問題点
 使っているうちに出てきた問題点なのですが、水中濾過器(e-Roka)のスポンジが2週間程度で詰まってしまい流量が落ちるということに気がつきました。右の写真のようになります。濾過器の外側から見た様子で、スリットまでびっしりとゴミが詰まっています。中にすぐスポンジがあるためにこのように詰まってしまうようです。水換えのたびに掃除すればいいのですが、濾過器を分解するのが大変な上に、水中濾過器をガラス面に取り付けるときに魚をはさんでしまいそうで、あまりやりたくない作業なのです。ということで、まずは、中のスポンジを取り除くことを考えました。
 もう一つの問題点として、水中濾過器から伸びて、濾過層(ゴミ箱)の底まで達しているホースの内側にコケが着いてしまうということがあります。これも取り外して中を洗えばいいのですが…。水中濾過器側は簡単に取り外せるのですが、濾過層側はその上に濾材がびっしりと乗っているために、ホースを取り出すには濾材を全部出さなければならないというのがさすがに辛いです。
 ということで、この2点を何とかしようと思います。

■どんなものをつくりましょうか?
 まずは、水中濾過器のスポンジが詰まってしまうので、そのスポンジは取り出すことにします。水中濾過器(e-Roka)の吸い込み口にはスリット(右図(上)がありますので、かなり小さな魚でも吸い込まないのですが、小さなゴミはそのまま吸い込まれまして、スポンジを取り除くと流路にゴミを濾すものがなくなりまして、濾過層の一番下という厄介なところにゴミを溜め込むことになります。それはちょっと問題ですので、その手前、濾過層に入るところで、水中のゴミを除去するようにしようと思います。また、ホースも濾過層の一番下まで引くのではなく、濾過層の一番上までにして、その下のほうへは別の道筋をつけてやろうと考えました。その方法を図(右図(下)にしました。スポンジを外した水中濾過器からホースを通って濾過層の上まで来た水を、ろうとに落としてやります。ろうとは一番下まで通っているので、そこに落とした水は濾過層の一番下から出るようになります。そうすると、濾過層ではこれまでと同じように、水が下から上へと濾材の中を流れて、最後はオーバーフローして水槽に戻ります。水中濾過器に入っていたスポンジの代りに、ろうとの入り口のところにウールをつけて、小さなゴミを濾し取る事にします。このウールはいつも見えている位置にあるので、汚れたら濾過器を分解することなく、すぐに取り出して洗ったり、取り替えることができます。また、ホースも水中濾過器から、ろうとの上までしか来ないので、取り外しも容易になるのではないかなと期待して作ってみたいと思います。

■お買い物
 といっても、今回追加したのはろうとのみです。ですので、またまた100円均一に行きまして、こんなものを買ってきました。万能ジョウゴと言うみたいですね(笑)。もともとは、灯油などをこぼさずに入れるために使うろうとのようです。ろうとの開いた部分がうまく濾過層の口に入ることと、足の部分の太さが、これまでのホースよりも太いこと、濾過層の下まで届く長さがあることが条件です。

■改造の仕方
 
(1)まずは、ろうとの改造です。このろうとをそのまま濾過層に立ててしまうと、出口がふさがって水が流れないですので、ろうとの足の先のところに写真のような穴をあけます。私はピンバイスというドリルで開けたのですが、このろうとの素材は、やわらかくて、めうちでも、カッターでも簡単に穴が開きますので加工は楽でした。
(2)万が一、詰まってしまうとろうとから水が溢れて困るので、そのときのためにろうとの入り口のところに写真のような切り欠きを作ります。この切り欠きを濾過層に水が落ちるように設置すれば、ろうとが万が一詰まってしまっても水が外に溢れてしまうことが無いので安心です。これはカッターで切りましたら意外と簡単に作ることができました。りっぱなろうとを買ってこないのがポイントかもしれません(笑)
(3)加工したろうとを濾過層に設置します。といっても特に取り付けに困ったわけではなく、ただ単に濾過層の中に立てただけです。その周りに濾材を入れるとそれで支えられて垂直に立ちました。ただ、濾材の入れ方が悪いと傾きますし、ちょっと不安もありますので、私は周りから針金で引っ張って固定しました。また、このときに、濾過層の中に水が落ちるように先ほど作った切り欠きの向きを整えます。
(4)このろうとにウールを敷いてその上に水中濾過器からのホースを乗せれば完成です。ホースも針金で固定していますが、ろうとの中にうまく収まれば固定しなくても大丈夫かもしれません(でも、念のために固定しましょう)。

■使ってみたのですが…
 結構加工は簡単でしたので、その勢いで使ってみたのですが、いきなりろうとから水が溢れまして…(^^; 切り欠きを作っておいて良かったと思いました(笑)。って、笑っている場合ではなく、このままでは、濾過層の下に水がほとんど行かないために、濾材に水が通らず、濾過器としては全く無意味になってしまいそうです。
 ろうとから水が溢れる問題は、ろうとの流量が水中濾過器の流量よりも小さいことがあげられます。その原因は二つありました。
 一つは、このろうとは100均製品なのに気の利いた作りになっておりまして、ろうとの入り口の一番根元、細くなっていく部分に、写真(左上段)のような金属製の目の細かい網がはじめからつけられているために、その上にウールを置くと、そのおかげで目が詰まってしまい、水を流れにくくしています。ですので、これを取り外し…しようと思ったのですが、力をかけたら破けてしまいまして、そのままちょっと強引に取ってしまいました(^^;。このあたりの強度がさすが100均という感じです。
 もう一つは、さきほど、足の先に水の出口の穴をあけましたが、その穴の数が少なく、流量が小さくなってしまっていたことです。ということで、写真(左下段)のように、これでもかと穴をあけたりして流量を稼いでみました。これもカッターで簡単に穴を広げることができたので、加工としては楽でした。
 その後、もう一つ改良点がありまして、時間がたつとウールがへたってきてろうとに詰まるということが起こりました。その対策として、またもや100均で、あくとり用のおたま(穴のあいたおたまや、網でできた掬う道具ですね(写真(右)を買ってきて、ウールの下に置いてろうとの中にウールが流れていかないように工夫しました。
 こんな感じで、もう一度セットしなおしまして、完成としました。

■使ってみて
 プチ外部濾過器3(改)にしてから1ヶ月ほど使用していますが、水中濾過器は一度も洗っていませんが、全く詰まる気配はありません。また、取り付けたろうとからも水が溢れることはありませんでした。ろうとにセットしたウールはかなりの勢いで汚れが貯まりますので、1週間に一度くらい、水換えのたびにすすいでセットしなおしています。今までは、これだけの汚れを水中濾過器の小さなスポンジで吸収していたのですから、短期間で詰まってしまうのも無理はないですね。今回はすぐにウールが取れるので掃除も簡単です。また、ホースも取り外しが楽になったのでちょっと時間があるときに外して中を洗っています。今のところこれといって問題点はありません。もう少し長く使ってみて何かあればまたレポートしようと思います。

■最後に
 今回はちょっとした改造でしたが、かなりメンテナンスがしやすくなったので満足でした。メンテナンスが良くできると、流量の減りかたも少ないので安心です。



◆プチ外部濾過器4

■はじめに
 ここまでで紹介した、プチ外部濾過器、以前作ったものは、問題なく、ここ数年間、動いていたので、濾過システムとしては、特に問題はないように思っていました。ですが、最近、ちょっと気になることが起こりました。それは、濾過槽にしていた、100均で買ってきたゴミ箱のことです。このゴミ箱、安いですし、10リットル程度と、容量が大きくて重宝していたのですが、ちょっと場所をずらそうとして、縁に手をかけたとき、バリっと音がして、縁の部分にひびが入りまして…(^^;
 濾過槽自体は無事でしたので、問題はないのですが、さすがに100均ゴミ箱では、強度不足というのがわかりました。特に水槽周りのパーツですから、常に温度が高めの水に接している、治療で塩を入れたりもしましたし、障子を開けると、直射日光が当たる場所ですから、そういうのが積み重なって、かなり劣化していたように見受けられます。
 ということで、久しぶりに、プチ外部濾過器をバージョンアップしようと思い立ったわけです。今回は、これでしばらく使い続けるということを前提に、強度重視、それから、前からずっと考えていたことをついでにやろうということで、その部分の追加ということで考えて、作ってみました。
 ですが…。
 出来上がったものは、もはや、”プチ”外部濾過器とは言いがたい規模になってしまいまして…。全然”プチ”じゃないというか、大掛かりになりすぎてしまいました。いい加減、名前を変えようかと思ったんですが、とりあえず、私が作っている変な濾過器のシリーズということで、この名前を引き継ぐことにしました。
 ですので、今回は全く、お手軽じゃないです。真似される方、いらっしゃるのかどうかわかりませんが、ちょっと手間とお金がかかっております。ただ、今回と同じ濾過容量の市販されている外部濾過器を普通に買うよりは、圧倒的に安いことだけは確かです。というか、だんだんとオーバーフロー濾過器の容量に近づいてきてしまいました(笑)

■どんなものをつくりましょうか?
 基本的な構造は、右の図の通りでして、メインで濾過をする部分に関しては、上記のプチ外部濾過器3改と変わりませんので、それに関する細かい説明は省きます。ただし、同じものをもう少し強度と耐久性のありそうな部品で作りましたので、その部分でお金と手間がかかっております。
 それと、今回の濾過器がプチ外部濾過器3改と決定的に違う部分は、右図の”上空濾過槽(水草栽培)”という部分とそのための水の経路が、追加になったことです。これが、私が前からやってみたかったことなんです。今回やっと実現しました。
 で、これは何か?といいますと、一応、上部濾過器をイメージしてください。ただし、今回の場合、濾過槽自体は水槽よりもかなり高いところにあり、しかも透明です。なので、その高さから、上空濾過槽と名付けてみました。そして、そこで何をするか?といいますと水草を育てるつもりなのです。この水槽の設置場所は、後ろが障子になっておりまして、障子を開けると、南向きの窓があります。つまり、直射日光を当てることが出来る場所にあるわけです。ですので、普段は、障子を閉めて、直射日光が当たらないようにしています。水温上昇もありますし、なにせ、栄養分はかなり多いはずの水槽なので、コケが爆発的に増えると厳しいですので(^^; 普段は蛍光灯1灯が水草への光です。でも、それですと水草がなかなか育たないんですね。というのも、皆さんご存知のように、ドジョウ類だらけの水槽だからというのもありまして…。普段も掲示板とかでお話させていただいてますが、きっちり掘り返す魚さんばかりなので、もうマツモと、ミクロソリウム、ナナ、くらいしか育たないんですよね…。それが寂しいと思っているということ。それと、水草がしっかり育っていると、やっぱり水質もかなり良いと、経験的に思えますので、濾過の経路内に水草が育つ環境を取り入れたかったということです。
 ということで、この上空濾過槽では、水草を直射日光で育ててみようともくろんでおります。障子を開け、水槽部分だけは遮光して、上空濾過槽はそのままという状態にしたいと思っています。そして、上空濾過槽内の底砂は、本水槽内のような小粒の砂ではなく、ソイルなどを使ってみようと思っています。これもドジョウ類が掘り返したりして、水がにごりやすいということで、今まで敬遠してきた底砂ですが、上空濾過槽にはドジョウは入れないので、底砂も選びたい放題です。なので、ソイルでお手軽に水草を育ててやる!なんてことを考えております。
 上空濾過槽は、メイン濾過槽と、ほぼ完全に分けようということで、水槽から水を供給する水中ポンプも別々にしました。ただ、上空濾過槽から出た水は、メイン濾過槽に落ちるようにして、ちゃんと濾過してから本水槽に戻すようにしてみました。
 とりあえず、図を見ていただければ、私が何を作りたいのか?というのはわかっていただけるかと思います。

 全体としてのこんな感じの濾過器を作るのが今回の目的です。で、まずは、お買い物。

■お買い物
 今回は、お買い物にかなり力が入っています。というのも、ガッチリとした耐久性の高いものを作るというのが、目的ですので、それを果たすために、今回の買い物のメインは、100均ではなく、ホームセンターでした。近所に熱帯魚売り場のあるホームセンターが出来たので、そこに、会社帰りにコツコツ通って部品を集めたのは言うまでもありません(笑)

●ゴミ箱
 まずは濾過槽にするための上下に細長い箱を探しました。そうしましたら、やっぱり今回もゴミ箱になりました…。ただ、100均のゴミ箱よりはかなり頼りがいのあるゴミ箱になりましたので満足です。エコとか、分別なんかが流行りなのか、ゴミ箱もかなり種類があって、選び放題でした。その中から、20リットルのほぼ直方体のゴミ箱を選びました。20リットルなんて濾過容量、60センチ水槽には必要なさそうですが…。まあ、容量が多くて困ることは無いので、OKということで。ただ、やっぱり100均と比べると高いです。800円くらいしました。

●ポリプロピレンシート
 ポリプロピレンという、曲げたりするのも簡単な樹脂の板というか、シートが売っているのですが、それを買ってきました。これは100均です。100円で余るほどいっぱい買えました。前にも使ったことがあるので、このページの上のほうに写真がありますが、それの水色のものを今回は使いました。

●強力な防水両面テープ
 これはホームセンター。1.5センチ幅で、長さは2メートル、300円くらいでした。これは、ポリプロピレンシートとゴミ箱をくっつけるのに使いました。実は、その前に普通の両面テープでやって、水を張ってテストしてみましたら、見事にグニョグニョになって、水漏れし、はがれてしまいましたので、ちゃんと防水の両面テープにしました。

●バスコーク
 水槽の補修なんかでも良く出てくる接着剤?です。固まると、ゴムみたいになって、弾力があり、水を通さなくなります。ただ、買うときには注意してください。同じような水中用の接着剤でも、水槽(魚などの生き物)に使えるものと、使いないものがあるので。バスコークの水槽でも使えるタイプを選びました。50mlで400円くらいです。ただ、使い終わってもかなり余ってますので、一本買ってくれば十分に足ります。

●水道用の配管(塩ビ管)
 今回の強化ポイントその2という感じですけれども、濾過槽内部の配管を全て水道用の塩ビ管でやっています。前のは、100均で買った灯油を移し変えるためのポンプを分解してパイプの部分を使ったり、やっぱり100均の漏斗の長いものを使ったりしていましたので、それに比べるとかなりの強度アップです。
 それでも、びっくりしたのは、意外と安かったこと。1メートルで、150円くらいでした(しかも1メートルも使ってません)。また、接続部分とか、そういう部品も一個50円とか、そういうレベルでしたので、これに関しては100均よりもお得かもしれません。

●プラスチックダンボール?
 名前がイマイチ良くわかりませんが…。ホームセンターで買いました。ストローのような素材で、それがダンボールみたいな感じの構造になっている板です。結構ガッチリしていて、すごく頼りがいがあります。しかも、ハサミやカッターで切ることができます。ポリプロピレンのシートは良く曲がるので便利ですが、曲がって欲しくないところには使えないので、これも買いました。
 こちらもホームセンターで90センチ×90センチくらいの板、一枚が200円くらいだったような…。とりあえず、結構お買い得な素材です。

●洗濯ネット?
 あまりぐちゃぐちゃになると困るようなものを洗濯機で洗うときに入れる袋がありますが、それを買ってきました。これは100均です。実は、前の濾過器で、少し困っていたこととして、スポンジを細かく切ったろ材がばらばらになってしまうというのがありました。その対策として、ろ材を、台所の三角コーナーにかぶせる網で包んで入れてあったのですが、あの網、しばらくすると溶けるんですね(^^; 水周りのものだから、溶けることなどないだろうと勝手に思っていたのですが、見事に溶けてしまい、ろ材が濾過槽の中で散らばっていまして、なんとも格好の悪いことになったのでした。ですので、今回は、もう少し強そうな洗濯ネットに入れてみることにしました。

●三角コーナー
 これも100均ですが、濾過槽に水が入ってくる部分に使います。濾過槽内の配管の水の出口の部分をガードするためのものです。ろ材が直接配管の出口に来てしまうと、、詰まってしまって、水があふれる可能性があるので、それを防ぐために、適度な網目のある三角コーナーを使うことにしました。

●上部濾過器用の長方形のスポンジ
 上部ろ過器を使ってらっしゃる皆さんは持っておられると思いますが、スポンジろ材です。これ、かなりたくさん使っています。写真のパッケージには6枚入っていますが、2袋買って来ました。濾過槽がかなり大きく、内部でろ材を分けるときに仕切りとして使ったり、色々とやっていましたら、結局、全部、メイン濾過器の中に入ってしまいました。一袋、500円くらいでしたから、約1000円。結局、スポンジが一番高かったような気が…。

●テクノロート(プラスチック針金)
 プラスチックの針金って、ちょっと名前がおかしいですが、そういうものです。要するに、針金みたいに、曲げて、曲がったまま固定できるプラスチックのワイヤーです。今まで、水槽周りで何かを止めるとか、結びつけるときとかには、皮膜つきの針金を使っていて、特に不自由はなかったのですが、やっぱり時間が経つと皮膜が破れて中の針金が露出し、錆びてくるので、今回は錆びない針金ということで探し回って見つけました。今回、一番見つけるのが大変だった品です。ネットとかで調べて、手芸店に行くと、そういうものがあるということで、手芸店にいってみました。中を覗くと、なんだか女性ばかりが目に付いたので、ちょっと入るのに勇気が…。でも、無事にありましたので、良かったです。7メートルで400円と、皮膜針金に比べるとかなり高かったですが、手芸用品なので、そういうものなのかなぁと思いました。

●鉢底ネット
 これは園芸用品ですが、100均で売っています。鉢植えの底に敷くためのプラスチックのネットです。ハサミなどで切って使うものです。A4サイズくらいのものが3枚で、100円で売ってました。でも、今回は、ほんの少しだけ使いました。

 ここまでが、メイン濾過槽の強化のために購入した部品です。このほかに今回は購入していませんが、前回のプチ外部濾過器3改からの流用で、水を受けるための漏斗、水を濾過槽に送り込むための水中ポンプとして、e〜ROKA PF-201とそれに接続するホース、それから、ろ材としての砂利、スポンジを細かく切ったものを使っています。

 次に、上空濾過槽(水草栽培)の部分を作るための買い物です。

●プラスチックのケース
 CDを入れるための透明なケースですが、アクアリストが見ると、立派なプラケに見えます(笑)。買ったのは100均です。長さが足りなかったので、二つ買って、縦に連結しました。そのときに、上で書いたバスコークも使っています。

●園芸用の支柱と、支柱を連結するためのプラスチックの金具
 畑で、きゅうりとか、つるが延びる植物を育てるときに、その横に立てる支柱です。一番細いのを買いましたがそれでもかなりの強度があります。長さは90センチで、直径が8ミリです。2本で100円でしたが、意外とたくさん使ってしまったので、16本買っています。なので、合計800円です。金具のほうは、一つ30個入りなんですが、これも2つで、200円でした。
 

●e-ROKA PF-201
 これはメイン濾過槽用とは別に、上空濾過槽用に1台買いました。

●ホース
 e-ROKA PF-201から、上空濾過槽までの分のホースを買いました。これはホームセンターで色々な太さのものが量り売りされているので、その中から選んで、、1メートル150円くらいだったような…。でも、1メートルも使ってないので、最初から長さがわかれば、もう少しケチることもできたかもしれません(笑)

 以上が、上空濾過槽用に購入した部品です。このほかに、バスコークとか、ポリプロピレンのシートとか、メイン濾過槽を作るのに買ったものをいくつか流用しています。

 それから、用意するものとして、工具類ですが、基本的に、ハサミとカッターで作ってます。ただ、2つだけ、少し特別といえば、特別なものがあります。後で出てきますが、上空濾過槽用のプラスチックケースに水が流れるための穴を空けるのに、小学校のときに図工の時間に使うといって買わされた彫刻刀を使っています。それから、塩ビ管と、園芸用の支柱を好きな長さに切るために、中学校の技術家庭で使うといって買わされた、ノコギリを使っています。両方ともそれほど特殊な工具ではないですが、今回はこういうものも使いました。私はどちらも家にあったので、それを使いました。でも、両方とも、100均に売ってましたね(^^;



■メイン濾過槽の作り方
 メイン濾過槽のほうは、上記のプチ外部濾過器3改と、あまり変わりがないので、流れだけ説明します。細かいところは写真を見ていただければ、おそらくわかるのではないかと思いますし、もしもわからなければ、聞いてください。というか、これを見て作る人がいるかどうかが疑問ですが(笑)
 とにかく、私があまり器用なほうではないので、難しいことはやってないです。

 (1)まずは、濾過槽作りから。
 ゴミ箱の口の部分の内側に、一周、ポリプロピレンシート(写真の水色の部分)を貼って、ゴミ箱の高さを6センチくらい高くしています。これは、ゴミ箱(濾過槽)から水槽に水を戻す部分を作るためです。前回のプチ外部濾過器3改では、ゴミ箱自体に加工をして、水の戻り口を作っていましたが、今回は強度を保つことを優先するので、ゴミ箱自体に穴を空けたり、削ったりするのは避けました。強度が下がると思ったからです。なので、ゴミ箱はそのまま、傷つけるような加工はしていません。
 その代わりに、まず、ポリプロピレンシートで、少し高さをつけてやりました。6センチくらいゴミ箱の口が高くなっていますが、ポリプロピレンシートは、8センチ幅に切って、残りの2センチは、ゴミ箱との接着のために使っています。接着は、防水用の両面テープで止めてから、継ぎ目の部分にバスコークを塗って、水漏れが無いようにしています。これで、ゴミ箱を少し、上に延長したことになります。


 その延長部分に一箇所、穴を開けます。ポリプロピレンなので、カッターとかハサミとかでも簡単に加工ができて楽です。実際には、ポリプロピレンシートをゴミ箱に貼り付ける前に穴の位置を決めて、穴だけはあけておきました。その穴に、水道管を短く切ったものを通し、プラスチックダンボールと防水両面テープで水道管がグラグラしないように固定してから、その全体を、バスコークで覆って、水漏れしないようにして、水の戻り口を作っています。ここまでが今回の工作の中では、一番面倒な加工でした。
 ここまで出来たら、一端作業をやめて、バスコークが乾くのを待って、水を入れてみます。水漏れがないことを確認するのに、数日間、水を入れて放置しました。
 ちなみに、今回はこんな風にサラッと書いていますが、防水両面テープを使わなかったときとか、ポリプロピレンシートの代わりに、プラスチックダンボールで、周りの部分を作ったときとかには、見事に水漏れしました…(^^; なので、この状態にたどり着くまで、3回ほど作り直しています。


 (2)次に水槽内部の配管など。
 水槽内部も、前回までは、100均ものを流用するなどして、強度的には少し足りない感じがしますので、今回は水道用の塩ビ管でやってみました。といっても、大した長さではないのですが…(^^; まずは塩ビ管をゴミ箱の高さに合わせて切りました。このとき上に物がついたりするので、それも考えて長さを決めて切ってます。それから、塩ビ管の連結分岐に使う、T字型の部品をその先につけます。この部分が下になります。なので、上から流れてきた水を左右に流すという役割になります。
 で、これをただ単にゴミ箱の中に立てただけですと、この周りに、ろ材になる砂利や、スポンジなどが来てしまって、詰まるとこまりますので、この周りをガードして、水の流れをせき止めないようにするために、台所用品の三角コーナーを使います。三角コーナーの底に穴を開けて、塩ビ管を通し、T字の部分がその中に隠れるようにします。ちなみに、写真で穴が二つ開いていて、片方を鉢底ネットで塞いでいるのは、ただ単に穴を空ける場所を私が間違えただけです。2個も穴を開けなくていいので、間違えないようにしましょう。
 T字の分岐をつけた塩ビ管を三角コーナーにあけた穴に通して立てまして、それを、ゴミ箱の中に入れます。右の写真を見てもらえればわかると思いますが、こんな感じになります。T字の分岐部分が、三角コーナーの中にあるので、まわりにろ材があっても、水の流れを止めてしまうことが無いと思います。
 次は、右の写真のような部品を、プラスチックダンボールで作ります。プラスチックダンボールもカッターやハサミで切れるので、加工は簡単です。これは塩ビ管をゴミ箱の中で立たせるためのストッパーなのですが、塩ビ管を通す穴が二つ開いているのは、やっぱり私が穴の場所を間違えたからです。これは、ふさぐ必要も特に無い部分なので、放置ということで、このまま使っています。もちろん、二つあける必要はありません。で、それを取り付けると、さらに右の写真のような感じになります。

 次に、塩ビ管に接続する部品で、太さの違う塩ビ管を接続するときにつかう部品があるのですが、それを取り付けます。というのも、買ってきた塩ビ管のままですと、その上に取り付けたい漏斗と太さが合わなくて、接続できなかったからです。ということで、下の写真、左から、その部品をつけたところ、その上につける漏斗、そして漏斗をつけたところ。です。漏斗は、一箇所だけ切り欠きをつけておきまして、万が一、漏斗が詰まった場合に水があふれるときには、一定方向のみからあふれるようにしてあります。この部分を濾過槽側にしておけば、水で床をぬらすことも無いと思います。
 これで、メイン濾過槽に関しては配管が完成しましたので、一度分解してから、ここにろ材を入れていこうと思います。


(3)ろ材を入れて組み立てる
 次にろ材を入れます。今回は今まで使っていたろ材(砂利とスポンジ)をそのまま流用しました。ということで、まずは写真のように、三角コーナーの周りを囲うように砂利を入れました。でも、その前に本当は三角コーナーの周りに上部濾過器用のウールで壁を作ったり、ろ材が偏らないように、仕切りを立てたりと、色々やっているのですが、写真を撮り忘れました(^^; でも、とりあえず、砂利ろ材を入れたということで、ご理解ください。たいしたことはしてません。
 それから写真に写っている、緑色の管は、エアポンプで使うエアホースです。必要かどうかは未だに不明ですが、このホースの先にはエアストーンをつけてありまして、濾過槽の一番底に埋めてあります。濾過槽にエアを送り込んで嫌気領域を無くそう!なんて考えて、前回も埋めて、たまにエアを送り込んだりしていましたが、本当に必要かどうかは不明です(^^;、
 次に入れるのはスポンジろ材です。これは、今回、洗濯ネットに入れてちゃんとまとめることにしました。そうしないとスポンジろ材は収まりが悪くて、濾過槽の中をふらふらと動き回るので、なんとも厄介です。
 スポンジろ材、色々なサイトで紹介されていますし、安くて簡単に大量に作れるので、結構人気があるような気がするんですが、色々と欠点もありますので、そのあたりも考えた上で使うと良いと思います。私も、新し物好きという感じで、使ってみたのですが、結局、pHの変化するスポンジがあったり、長年の使用で溶けるものがあったり、今回のような苦労があったりと、いろいろな欠点も見えてきました。もちろん、スポンジをきちんと選べば、安くて大量に、ろ過能力の高い生物ろ材を手に入れられるので、良いとは思います。でも、利点と、欠点やリスクなどを考えると、個人的には、ちょっと微妙な感じがしてきています。今回はろ材を変えないということなので、そのまま使いますが、次回があっても、私はスポンジろ材は使わないかもしれないなぁと思っているところです。
 で、ろ材を入れた洗濯ネットを砂利ろ材の上におきまして、その上から、プラスチックダンボールで作ったストッパーで抑えました。
 実はここまでで、前回の濾過器に入っていたろ材は全部収まってしまいました。さすが、20リットルのゴミ箱は大きいですね。もう、入れるものが無い状態ですが、まだまだ空間が空いているので、色々と入りそうです。とりあえず、今のところは、上部濾過器用のスポンジを適当に入れたりしただけで、他には何も入れずに、そのまま組み立てを続行します。上で書いたのと同じように、塩ビ管に太さを変える部品をつけ、さらに漏斗を装着します。漏斗につけた切り欠きが、手前(濾過槽の余っている部分)に来るようにセットします。こうすることで、漏斗から水があふれても、外にはこぼれないようになります。
 次に、漏斗の中を作ります。まずは、鉢底ネットを正方形に切って、その四隅を下に曲げて、支えのようなものを作ります。それを漏斗に敷いた上に、上部濾過用のスポンジを、これも正方形に切って乗せています。このスポンジは、物理濾過用といいますか、濾過槽内に大きなゴミが入らないようにするためのものなので、ゴミがたまってきたら、適当に洗うという感じの使い方です。
 この写真では、借り組みなので、黒い皮膜針金を使って漏斗やホースをとめていますが、本組みの時にはテクノロート(プラスチック針金)を使っています。それから、やっぱり借り組みなので、二本もホースが来ていますが、実際にはこれは一本だけになり、水草を植える予定の上空濾過槽からは、水を直接漏斗に落とし込む形になります。

(4)万が一、水がもれたときのために
 ちょっと作業の順番としては前後するのですが、万が一、水が漏れたときのための対策もしてあります。今回、水が漏れる可能性が一番高いと思われるのは、やっぱり、ゴミ箱の上部に取り付けた水色のポリプロピレンの部分だと思いましたので、そこから水が漏れた場合に備えて、右の写真のようなものを作りました。使ったのは、プラスチックダンボールです。それを適当な長さに切って、縦に半分に折り曲げています。これをゴミ箱の後ろと左右に傾斜をつけて取り付けて、漏れた水を前に流すようにしてあります。ちょうど、濾過槽を囲むように戸井をつけた状態です。そして、ゴミ箱の前にはプラケを置いておく予定です。また、前に漏れてくれれば、見つけやすいということで、こういうものを付けてみました。これが活躍するとかなり困る自体なので、活躍しないで欲しいですが、水漏れは絶対にまずいので、念には念を入れてということで作ったものです。


以上で、メイン濾過器に関しては完成です。あとは、水槽の右横に置きまして、水槽から水中ポンプ(e-ROKA)で、濾過器の上の漏斗に水を入れてやれば、塩ビ管の中を水が落ちてゆき、ろ材を通過しながら水が上がってきて、最後は(1)で作った穴の部分から、水槽に戻るという仕組みです。密閉式ではないですし、とても単純な構造なので、e-ROKAが壊れなければ、ろ過が止まることはまず無いと思われます。


■上空濾過槽(水槽栽培エリア)について
 メイン濾過槽だけでも、ろ過としては全く問題ないので、こちらのほうはさらっといきます。
 今回は、メイン濾過槽にプラスして、上空濾過槽を作ってみました。上でも少し書きましたが、ここは、透明なプラケで作り、日光を直接当てて、水草を育てようと思っています。ろ過的には、水草の成長が水槽内の余計な栄養分を吸収してくれるのを狙うということもあるのですが、実際には、それ意外の気持ちのほうが大きいです。
 私自身、飼ってる熱帯魚が、あんな方々ですので、メイン水槽での色々な水草の育成など、望むべくも無い感じですし、そうじゃない水槽を作ったこともありますが、水草はどうにも上手く育てられませんでした。魚と水草を上手く共存させるというのが下手というか、いつの間にやら魚寄りの飼育になっていることが多いので、ちょっと難しい水草はことごとく失敗してきたという経緯があります。ですので、今回は濾過槽という形にしてしまって、魚は一切入れないことを心に誓いました。そして、今まで、光は蛍光灯とか、そういうものでやっていましたが、それでも水草は育たなかった感じですので、もう太陽光しかかないんじゃないかとも思っていまして、本水槽からかなり分離した上空濾過槽という名の水草育成装置を思いついたわけです。これで、本水槽だけ遮光して、上空濾過槽だけ日光を当てることが出来るようになりましたので、もうどんな水草でも育ちそうな気がしています(自己満足に近いので、勝手にそう思わせておいてください(笑)。
 底砂もソイルなんか入れてみようかとか、掘り返されることとか考えずに自由に選べますので、嬉しいです。それに、二酸化炭素も上空濾過槽の一番最初で添加して、上空濾過槽内では濃度を高く、そして、上空濾過槽を終えて、メイン濾過槽に落ち込むときの落水で飛散してしまうようになる予定なので、水槽内にはあまり二酸化炭素が来ないんじゃないかなぁと、勝手に予測しております。そのために、上空なんて呼べるほど、濾過槽を高い位置に作ったわけです。もちろん、メイン水槽内は24時間エアレーショしまくりなので、二酸化炭素が仮に入ってきても、多分、魚に害が出るような濃度にはならないとは思いますが。
 ということで、水槽内の余計な養分だけは利用しつつ、水草が上手く育つ条件を出来る限り作り出すようにと考えたのが、この上空濾過槽です。まあ、素人考えなので、実際にどうなるかはわかりませんが…。

 ちなみに、この記事を書いている、現時点では、まだ何を植えようかとか、そういうのは決めていません。私にとっては、夢のグロッソ絨毯でもやってみようか、とか、難しそうな赤系水草でも育ててみようかとか、飼育難種って言われているような水草に挑戦してみようかとか、アクアテラ風にレイアウトしてみようかとか、色々と考えているところです。こういうの、考えてるだけでワクワクします。綺麗な空中庭園になる予定(こんな大見得切っていいのでしょうか?(^^;)の上空濾過槽です。

 それで、一応、構造の説明なども簡単にですが、しておきます。もう、出来上がったものを見ていただくのが一番早いかと思いますので、まずは、その写真を。真正面から撮った写真に書き添えてみました。
 普通の上部濾過器は、水槽のすぐ上に乗っている感じですが、今回作ったのは、赤で囲んであるように、水槽からかなり離れた上にあります。なので、上空濾過槽って呼ぶことにしたんです。
 水の流れとしては、水槽内から水中ポンプで、上空濾過槽の一番左側の部分に向かって水を上げまして、濾過槽内を、左から右に水が流れ、最後は、上空濾過槽の一番右側から、メイン濾過槽の上についている漏斗に水が落ちるという仕組みです。なので、仕組み自体は、普通の上部濾過器と変わりません。ただ単に、かなり高く作ってあるというだけです。次が上空濾過槽を撮った写真です。
 奥側が水中ポンプから水が上がってくるところで、手前が、メイン濾過槽に水が落ちるところです。構造としては特に難しいことはなく、プラスチックのCDケースを二つ並べてバスコークで接着してあります。水が通るための穴を彫刻刀であけてあるので、その穴を通って、水が奥から手前に向かって流れてきます。一番手前のところにも彫刻刀で穴をあけ、そこには、ポリプロピレンのシートで作った注ぎ口を付けて、メイン濾過槽の漏斗にうまく落水するようにしてあります。
 CDケース二つを支えているのが、園芸用の支柱です。支柱をとめる金具というのも売っていましたので、それを使って、とにかくガッチリと支えられるように作っています。結局、縦に使った支柱は、メインが4本と補助が4本。横の支柱は、8本で、プラスチックケースがたわまないように、落下したりしないように配慮しました。また、水漏れ対策として、プラスチックケースは、水槽の上に来るようにしています。もしも水が漏れても、そのまま本水槽に落ちるということになっています。
 これを作るにあたっては、彫刻刀でプラスチックケースに穴を空けるのが、ちょっと面倒でしたが、それ以外はかなり簡単でした。
 あとは、どんな水草を育てるか決めるだけ。かなり楽しみです。

※2009/7/18 追記
 設置から1週間ほど経った上空濾過槽ですが、強度不足により、墜落しました(T_T) 幸い、私が部屋にいたときでしたし、まだ水草を植えたりしていませんでしたので、大きな被害はなかったのですが、いきなり支柱が一本はずれて、かなり傾いてしまい、水がこぼれました。
 失敗の原因は、支柱自体の強度ではなく、支柱を止めているプラスチック製の金具の強度でした。上空濾過槽の重量のほとんどを、4つの金具で支えていました。それでは足りなかったようです。なので、支柱の数を増やし、金具も、同じ力のかかるところに何個もつけるようにして、いきなり外れたりしないように考えてみました。結局、重量のかかる金具の数を4倍の16個にして、それをつけるための支柱を何本か増設しています。これでひとつの金具にかかる力が、1/4になるはずなので、さすがに大丈夫じゃないかと思っています。
 とりあえず、皆さんも自作で何かを作る場合にはとにかくガッチリ作ってくださいね。


※2009/8/25 さらに追記
 上空濾過槽に関してですが、その強度についてご指摘をいただきました。やはり、支柱を増やし、金具で止める場所を多くしても、基本的には金具と支柱の摩擦力や金具の締め付ける力(プラスチックの弾力)だけで支えている状態に代わりは無く、長期間の仕様では、微妙な振動の積み重ねなどで崩壊する可能性があるとのことでした。私もそのご指摘は確かにそうだと思いましたので、さらに強度を増すために工夫をしました。
 それが左の写真のようなものです。立ててある支柱の最上部は、プラスチックというか、ゴムというか、そういう素材のキャップのようなもので包まれているのですが、そこに支柱の直径に当たるように一本の切り込みを入れました。その切り込みにワイヤーを引っ掛けます。そのワイヤーの先は、上空濾過槽のケースが直接乗っかっている横の支柱の下を通して結び付けてあります。これで、横の支柱にかかる重量を、縦の支柱の頂上部分で支えることが出来るように工夫しました。ちょうど、つり橋が支柱からのワイヤーで橋げたをささえているのと同じ状況です。また、これに加えて、これまで支えていた金具に関しても、滑り落ちないように、全てビニールテープを巻きつけて固定しました。これによって、上空濾過槽の強度はかなり上がったと思われます。もちろん、初めての試みですので、十分かどうか?というのはわかりませんが、私が試しに上から力をかけてみたところ、ずり落ちる感じは全くなかったですので、大丈夫ではないかと思っています。こういう自作ものに関しては、前例が無いので強度には気をつけて、本当に大丈夫なように作る必要があると、実感しました。ご指摘くださったたま尾さん、ありがとうございます。


■最後に
 今回はメインの濾過槽に関しては、システムとしては特に変わっていないのですが、強度や耐久性重視で作り直してみました。壊れる前に作り直せたのは良かったと思います。ろ材を入れる余地がまだまだありますので、何か気になるろ材でもあれば、試してみようかとも思います。また、水槽の調子が悪いときなどに、活性炭を入れるとか、唐辛子を入れるとか、そういうことにも使えそうです。
 今回の目玉はどちらかといえば、上空濾過槽かなぁなんて思っていますが、これは以前からやってみたかったことなので、今回実現してよかったです。うまく水草が育つように、願いたいと思います。



■ご注意
 このHPの全てのコンテンツに言えることなのですが、試すときはご自分の責任でお願いしますね。床を水浸しにしてご家族に冷たくされても、火を使って火事を出されても、私は何もできませんので。


■参考資料

●エアリフトの原理について
 エアリフトとは、空気の力で水を持ち上げる事のできる原理です。考案したのはドイツ人の鉱山技師で、物理公式として数式化したのはアメリカ人らしいです。すでに200年以上の歴史のある原理のようです。公園の池などで、老廃物の沈殿を防ぐために、対流を起こす装置として使われているのをよく見かけます。アクアリウムでは投げ込み式フィルタや底面フィルタによく使われている原理です。
 この原理は水の比重を空気でコントロールすることによって成り立っています。
 簡単な例で説明します。まず水中に筒を立てます。筒の片方の端を水面から出し、もう片方を水底から離して配置し、水が筒内に自由に入れるようにしておきます。その筒の中にポンプで空気を送り込みます。すると、筒の中にある水は空気と混合して比重が小さくなります。でも、筒の外の水の比重は前のままですので、水の比重に差ができます。そうすると水圧が筒の中に向かって大きくなるわけです。そうなると、当然周りの水が筒の中に入ってきますから、それに押されて比重の軽くなった水(空気混じり)が筒の中を上昇して、水面よりも高い位置まで昇ってきます。これによって水を汲み上げることができるという原理です。
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●サイフォンの原理について
 サイフォンの原理は、水を中間の高いところを通過して、片方の入れ物からもう片方の入れ物へと移すことができる原理です。考えたのは誰なのかとか、公式とか調べられませんでした。理科の教科書に書いていそうですが、私の教科書は遠い昔に捨てられているのでわかりません。灯油やお醤油のポンプ、集合住宅などの給水塔はサイフォンの原理を使って機能しています。アクアリウムでは、換水や底砂の掃除道具に同じような構造のものが良くありますね。
 例を示しますが、水を入れたコップ(A)と空のコップ(B)とビニールホースを用意します。二つのコップを同じ高さの場所に置きます。Aにホースの片側の口を入れて、もう片側の口を吸うと、水がホースの中を満たします。その状態で口からホースを離して、それをBの底に入れると、水がホースの中を伝わってBにどんどん入ってきます。それで、このままAの水が全部Bに移ってしまえばおもしろいんですが、そうはなりません。両方のコップの水位が同じになったときに水の流れは止まります。逆に、Aの水を何かで取りだしてしまうと、今度は水が逆流してBからAへと水が流れていき、やはり両方の水位が同じになったときに止まります。
 このように二つの水槽の水位を同じにしようとする力が働くために、いったん高いところを通過しているにも関わらず、水が流れます。これがサイフォンの原理です。
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