何匹飼える?

■水槽にどのくらいの魚が入るんでしょうか?
 良くある質問ですね。特にアクアリウムをはじめたばかりの方が悩む問題の一つかと思います。「60センチ水槽にネオンテトラは何匹入りますか?」くらいなら、まだわかりやすいのですけど、「60センチ水槽で、ネオンと、ローチと、プレコと、コリと…」なんて言われると、答えるのはなかなか難しくなってきます。それで、例えば、”1リットルに1センチの魚が飼えますよ”とか、”1リットルに3センチくらいの小魚1匹なら大丈夫”とか、いろいろな事が言われてきました。でも、それもなかなか難しいものです。1リットルに1センチですと、50センチを越えるような魚を60センチ規格水槽で1匹は飼えるということになりますし…。とりあえず、小魚を飼うことを前提としているのですから、こういうことを言うのは屁理屈なのですが、どうにもしっくりこない法則であることは確かです。でも、それでもこの計算方法が定着する理由は、わかりやすいからだと思います。複雑な計算をしないと出ないような法則では使いにくいですからね。
 でも、それは、こうしてHPをご覧になっているあなたには当てはまらないと思うのです。あなたの目の前には何がありますか?ネットができると言うことは、パソコンが目の前にあるのではないでしょうか?それは、計算するための機械ですので、今更簡単な計算式に頼って暗算をする必要は無いんですよね。ということで、ちょっと複雑な計算でそれなりに妥当(とおもわれる(^^;)な水槽の飼育可能匹数を計算するプログラムを作ってみました。理屈は後で説明しますが、まずは、使ってみてください。

■使い方

  1. まずはあなたの飼育経験を選んでください。これは一度選んだら変更しないでくださいね。水槽に魚を追加している途中で変更するとおかしな結果が出てきます。
  2. 水槽に入れたい魚の特徴(体型、泳ぎ方、性格)を選んでください。特徴がわからなければ、とりあえず、そのままでよいですが、できれば”性格”の項目だけは調べてでもきちんと入れた方が良いと思います。
  3. 魚の体長とその数を入れてください。同じ種類でも、体長が違う魚を複数飼っているときには、別々に2から入れ直してください。
  4. ”水槽に入れる”ボタンを押すと、水槽にその魚が追加されます。下に水槽の中の魚に必要な水量と水槽の一番短い辺の最短の長さの予測値が表示されます。
  5. 水槽の中の魚を選択して、”水槽から出す”ボタンを押すと、水槽からその魚を取り除きます。そのときも水槽に残っている魚で再計算して表示します。最初からやり直したいときには”全て出す”ボタンを押してください。
●お断り
※1:予測水量は、現時点での結果です。魚の成長が予想される場合には成長すると思われる大きさを指定しましょう。
※2:濾過能力やエサの量などは全く考慮されていません。収容した魚に必要な濾過能力、エサの量はきちんと考えましょう。
※3:これは水槽の初期段階に一気に入れても良いという意味ではありません。最終的にこのくらい収容できるのでは?という意味ですので、はじめから全部入れるようなことはやめましょう。
※4:これを鵜呑みにせずに、なるべくゆったりと飼育しましょう。また、この予測水量で飼えることを猫丸が保証するものではありません。

●ご注意

※1:このプログラムはJAVAスクリプトを有効にしていないと動きません。
※2:作ったばかりであまりテストもしていないので正常に動かない場合があるかもしれません…(^^;。気づき次第バグ取りしますので、お気づきの方はお知らせください。


●水槽の魚に必要な水量の予測
飼育経験  ※途中で変更しないでくださいね
 
体型
泳ぎ方
性格
体長 cm
水槽の中

         


あなたの水槽についてです。
 水槽の中の魚は合計でリットル以上の水が必要な気がします。 
 水槽の一番短い辺の長さが、センチ以上は必要な気がします。 


参考までに、水槽のデータです。
水槽 実際に使える水量(リットル) サイズ(横×縦×高さ センチメートル)
17センチキューブ 4リットル 17×17×17
30センチ水槽 12リットル 30×18×24
40センチ水槽 24リットル 40×25×28
30センチキューブ水槽 25リットル 30×30×30
45センチ水槽 42リットル 45×30×36
60センチ水槽 57 リットル 60×30×36
60センチワイド水槽 105リットル 60×45×45
75センチ水槽 133リットル 75×45×45
90センチ水槽 160リットル 90×45×45
120センチ水槽 220リットル 120×45×60
150センチ水槽 370リットル 150×45×60





■計算の根拠

 ここから先は、とりあえず、このプログラムが気になる方に、私がどのように考えてこれをつくったのかということを説明したいと思います。ちょっと面倒なお話ですので、とりあえず、使えれば良い方は、ここよりも上だけで大丈夫です。以下はこういうごちゃごちゃしたお話がお好きな方に向けて書いております。

●基本的な考え方は?
 「4センチのネオンテトラ1匹が4リットルの水槽で飼える」ということをまずは出発点にしています。1リットルで1センチ分の魚を飼えるということですので、これは大体の方に納得していただけるのかなとおもいました。でも、これだけですと、上でも書きましたように、いろいろと問題が出てきますので、このままではわざわざパソコンを使って計算させる意味が無いですよね。
 また、水槽に入れられる量を決めるのは水量や水槽の大きさだけではありません。濾過能力やその他の水槽の管理の仕方にかなり依存することはわかっています。ですが、入れる魚に合った濾過器を用意し、普段の世話を滞り無くすることが、魚を飼うことなのだとおもいます。ですので、そういうことに関しては、このコンテンツでは触れないことにしました。あくまでも、空間(水量)と、そこに入れられる魚の関係のみについて考えます。

●魚の体長と必要な水量
 魚の体長だけで必要な水量を予測することには無理があると思いました。魚の体長が2倍になると、体積(密度が均一と考えると重量でも同じ)は大体8倍位になるのですが、体長だけですと、必要な水量は2倍にしかなりません。4センチの魚1匹を4リットルで飼えるということは納得できても、20センチの魚1匹を20リットル(40センチ水槽)で飼えるということに納得できない理由はこれですね。同じ事を体積(重量)で考えますと、20センチの魚に、500リットルになります。これですと十分に飼えそうです。でも、ここでもう一度考えてみましょう。20センチの魚1匹に500リットル…(^^;。飼えますけど、ちょっと魚を飼ったことがある方にするとかなり寂しい気がしませんか?もう少しというか、かなり飼えるような気が…。もう少し極端な例にしてみますと、40センチの魚1匹に4000リットル…。4トンです(笑)。自然界ならいざ知らず、家の水槽となると、ちょっと厳しいですよね。ということで、必要な水量が、体積(重量)に比例するというのも実際上、水槽の水量を決めようと思ったときにはちょっと利用しにくいことがわかります。では、妥当な線はどこでしょうか?とりあえず、体長の倍率の2乗に比例しないかな?と思ってちょっとやってみました。20センチの魚1匹で体長が4センチの5倍ですから、(5×5)×4(リットル)=100リットル(60ワイド)、40センチの魚1匹で400リットル(180水槽?)。これでもまだ多い気はしますが、体長や、体積(重量)に比例すると考えるよりは妥当な値だと思います。根拠はほとんどないですが…(笑)とりあえず、基本的にはこのように考えることにして次に進みましょう。

●魚の体型や泳ぎ方と必要な水量
 魚もいろいろと体型がありますね。感覚的なお話ですが、コリドラスとか、プレコとか、短くても太った魚はやっぱりたくさんの水がいりそうだということ、そして、実際にそういう環境で飼っていることが多いという事には納得していただけるのではないかと思います。ということで、太った魚とか、エンゼルのように体高がある魚などには、少し多めの水が必要ということで計算することにしました。また、ゼブラダニオみたいにびゅんびゅん泳いでいる魚って、やっぱり広い空間(大きな水量)がいるような気がします。プレコみたいにあまり動かない魚ですと、逆に空間がある程度狭められても耐えられるような気がします。ということで、同じ体長の魚でも、泳ぎ方によって、必要な水量が変わることにもしてみました。

●魚をたくさん入れたときに必要な水量
 1リットルで1センチという以前から言われている基準が、小型魚であればある程度妥当だとお話ししたのですが、それでもまだ問題はありまして…。この基準ですと、4センチのネオンテトラを60センチ水槽(60リットル)で、15匹しか飼えないということです。ネオンテトラを飼ったことがある方なら納得していただけるかなと思いますが、さすがにこれは寂しいです。でも、4リットルくらい無ければ1匹のネオンテトラも飼えないであろうこともやっぱり納得していただけると思います。この1リットルに1センチという基準は1匹の魚の時の状況を多くの魚の時にもそのまま適用しているので問題になるんですね。つまり、魚の数が多い時には、1匹当たりに必要な水量は減ってくるということが考慮されていないんです。
 ちょっと具体的に書いてみましょう。良くある規格水槽で実際に、どのくらいのネオンテトラが飼えるのかということを考えてみました。(ちょっと性格の違うプラティも併記してみました)それが以下です。

◆4センチのネオンテトラが飼えると思われる数
最低限の水槽 約4リットル →1匹
30センチ水槽 約12リットル→15匹
40センチ水槽 約23リットル→40匹
60センチ水槽 約60リットル→100匹
60ワイド水槽 約105リットル→200匹
90センチ水槽 約160リットル→400匹?
◆4センチのプラティが飼えると思われる数
最低限の水槽 約4リットル →1匹
30センチ水槽 約12リットル→10匹
40センチ水槽 約23リットル→30匹
60センチ水槽 約60リットル→80匹
60ワイド水槽 約105リットル→150匹
90センチ水槽 約160リットル→300匹?

 私の感覚的なものですので異論のある方もたくさんいらっしゃるかと思いますし、多少キリの良いところにしていますが、頑張れば大体このくらいは飼えるかなと思うのです。ネオンテトラのものを図にしてみると、上のようになりますが、こんな感じで飼育数が増えると、1匹あたりに必要な水量が減ることがわかると思います。また、ネオンテトラの場合ですと、群れていても別に気にしないというか、積極的に群を作る場合もありますので、群れる程水量が少なくてすむというのはある程度正しいような気がします。基本的に他の魚のことは気にしないプラティなどはあまり群れないので、水量がその分必要になるのではないかと思っています。また、逆に、なわばり意識の強い魚では、複数入れても1匹あたりに必要な水量が減ることは無いと考えました。
 ということで、私の独断で申し訳ないのですけど、上記のデータから、推定して飼育匹数が増えたときにはその魚の性格に応じて1匹に必要な水量は上記の割合で減ってゆくということで計算をすることにしました。


●必要な水槽の短辺の長さ
 これも水槽を決定するには重要と思いましたので計算することにしたのですが、これは単純に魚の体長と泳ぎ方で決めることにしました。ターンできない環境はあまりにも酷いと思いますので、基本的に体長の1.5倍以上が必要なことにしまして、泳ぎの激しい魚ほど広い空間(大きな水量)をとるようにしています。

●飼育経験
 飼育経験があってもなくても、入れる魚が同じなら、入れても良い数も同じなのですが、とりあえず、アクアリウムという趣味で利用するためにあるものですので、こういう項目を付けてみました。飼育経験が浅いという項目を選ぶと、飼育できる数が少な目に出てくるように設定しました。具体的には4センチのネオンテトラを4リットルで飼えるという基本的な部分について、4センチではなく、少し小さめの値に変えることで全部の計算結果に影響が出るようにしています。

●その他
 プログラムの都合上、四捨五入とか、多少ごまかしたり、プライオリティを勝手に設定したりしている部分はあります(笑)が、大体上で書いた考え方に基づいて計算しています。

●更新履歴
 2004/5/14 公開したファイルが間違いだったので、別のファイルを公開し直し(^^;) 飼育経験の欄がついてなかった…。(これもまだまだ試行錯誤です)
 2004/5/13 いろいろ手直しして一応公開(まだβ版と言うことで…)
 2004/5/8 β版完成?
 2004/5/5 α版完成
 2004/4/15 構想開始

■最後に

 私の目指したものとしては、ある程度飼育経験のあるアクアリストの方が見たときに、過密ではなく、かといって水槽が寂しいと思われないような値にしていこうということでした。ですが、なかなか難しいもので、今回のプログラムでもまだまだ改良の余地はありそうですね。体長が大きめの魚を入力すると、多少水量が少な目に出てくる感がありますし、細かい部分の調整はまだ必要な気がしています。これに関しては少しずつ良くしていこうと思っておりますので、何かあれば掲示板でご意見いただけると嬉しいです。


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