吸付きドジョウの仲間について
以下の記事および、個々の吸付きドジョウの記事を書くにあたり、うどうあとりさん、BEEさん、scarletgemさん、おでっせいさんに、写真、情報を寄せていただきました。ありがとうございます。 |
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■一般的な情報 ●学名:Gastromyzon属、Pseudogastromyzon属、Beaufortia属、Sinogastromyzon属、Sewellia属などに属する ●全長:3〜8cm ●分布:中国〜東南アジア ●水温:22〜26度(温度に関しては下で触れます) ●水質:中性 ●特徴:体型は、ものすごく平べったく、エイとか、カレイとかそういうものを想像していただければと思います(でも口は体の裏側?腹側?についています)。体の側面に胸鰭と腹鰭が、連続したようについており、ぴったり感をより強調しております。背鰭と尾鰭は立っていますが、それも身体に沿って閉じることもでき、体にぴったり張り付いているように見えることもあります。急流で岩に張り付いて生活していると言われていますので、できるだけくっつきやすく、水に流され難いようにできているように見えます。 |
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●だいたいの種類、個体に当てはまると思われること
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飼育魚:吸付きドジョウ多種、多数 ※掲示板に投稿いただいた文章、写真を、猫丸が掲載用に多少修正してあります(内容は変えていません)。 特に意識しているのは、付着藻類の増殖です。以下のことを気をつけています。 ・過剰なまでの光照射 60センチ水槽に上から40W、裏から40W、両側面から各15Wの蛍光灯を7朝7時〜21時30分まで照らしています。更に冬、陽が低い間は直日光を水槽に当てます。人工飼料からカロリー取らない以上、光合成で作ってやらないと。 ・コケ畑の表面積の拡大 アヌビアスナナを繁茂させ、全ての葉にコケを生やします。横からも光を当てるので葉の両側にコケが生えます。すごい大表面積になるはずです。ちなみにアヌビアスナナは決して枯れません!まさに不死草です。 ・適度な水の富栄養化 完全藻食魚は人工飼料受け付けないので、ペンシル、金魚、ゴールデン・ハニー・グラミーなど雑食魚への給餌を通して付着藻類繁茂のための栄養塩類(硝酸塩、燐酸塩、etc)を供給しています(つもり)。 ただ、短期間には最も望ましい付着藻類中心の繁茂状態には、なかなか出来ないです。最初はミドロ系の糸状藻類に占有され、その後はベトッとした藍藻に覆われ、それらの期間が終わってようやく付着藻類中心の状態になるような…。60cm水槽、新旧2本なのですが、新しい方は藍藻支配が終わるのに半年以上、10ヶ月経った今でも新水槽のコケ生産力は旧水槽に及びません、半分以下かな…。君が代に歌われているようにコケの生すまでには長い時間がかかるようです。 ただ、一旦こういう状態になってしまうと人工飼料を口にしない完全藻食魚(5cm以下)を40匹以上を長期育成可能です。彼らが食べたコケは糞として排出された後、再び微生物分解され栄養塩類は大部分リサイクルされていると思われます。(下の写真が、維持している水槽です) |
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(画像提供:おでっせいさん) |
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容器の壁を伝わるように水を入れて、点滴水あわせをすると、下の写真のような感じで、その水を伝わって登ってくることがありますので、かなり登坂力がありますので、縁なし水槽などで飼育する場合には、脱走しないようにきちんとした蓋をしたほうが良いと思います。 |
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(画像提供:おでっせいさん) |
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主に吸い付きドジョウが食べる種類のコケの生産とどんなコケを食べるか?に関する経験的知識です。この種のドジョウを長く、健康的に飼う為の方策はあまり見当たらないですので、まだコントロールできてはいないとはおっしゃっておられますが、かなり完成された飼育方法の一つとして、とても参考になると思います。 以下、おでっせいさんに寄せていただいた文章をほぼそのまま乗せています。 ただ、参考リンクを載せていただいていたのですが、私のサイトからリンクしてよいのかどうかわかりませんので、掲示板はともかく、コンテンツとして書くのはちょっと問題があるかもしれず、掲載するに当たって省きました。出てくる単語を元に検索エンジンなどで調べてみてください。 それと、下記の事柄を試してみるときには、自己責任でお願いします。くれぐれもおでっせいさんに苦情を言ったりしないようによろしくお願いします。 コケの増産法ですが、簡単な方法から紹介すると (1) 蛍光灯照明時間の延長(7:00〜21:30間照明してます) (2) 前面(観賞面)以外のガラス面(裏、左右)に付くコケを放置 (3) 他魚への給餌を通しての富栄養化(硝酸、燐酸、etcの供給) (4) 底砂部分のコケの有効利用 (少し掘ってあげると直ぐに食べに来ます) (5) アヌビアスナナの増産(うちでは水槽一杯です) (6) スポンジフィルターの有効利用 (7) 素焼きの陶器の導入 (8) 水溶性ケイ酸、鉄分の添加 (9) サイドからの照明追加(裏と両サイドからも蛍光灯照明してます。電気代がっ!!、夏は水温上昇も...水槽クーラー使ってます) 基本的には ◎光エネルギー ◎肥料 ◎栽培面積 の増加です。 写真や参考サイトでより詳しく説明しますと、 (2)を続けるとやがて(写真1)のようになります。 (3)はコケを食べてる藻食魚たちの排泄物からも硝酸、燐酸が供給されるので大部分はリサイクルで廻ってると思います。 (4)(写真2)のように底砂部のガラス面に生えるコケを時々露出させてあげます。 (5)アヌビアスナナ、決して枯れないんで放って置くといずれなります。(写真3) (6)黒いので分かりませんが、たぶん凄い生産能力、単純な藻類だけではなく栄養豊富な”+α”(吸水を通して様々なデトリタス、バクテリアなどが混じったもの)が堆積してるようです。とっても人気の高い場所で、リザードフィッシュなどは殆どここの”コケ+α”で生きています。(写真4) (7)(写真5) この丸い表面が大好きなようで夜はここに張り付いて寝ます。人気が高く領土争いが絶えません、水槽内激戦区。 (8)水槽を長年維持しているとたケイ藻類(付着性の平面状のコケ)の勢いが落ちて来るように思います。ネットその他の様々な情報から水溶性ケイ酸&鉄分の補給を試しましたところ、ケイ藻類が爆殖しました。たぶん河川では常に岩石の浸食成分が供給されるので十分なのでしょうが、水槽内では底砂が古くなると不足すると考察しました。水溶性ケイ酸添加に使ったのは園芸用のミリオンAという商品。 アクアショップ売っているモンモリロナイトでも同じかな…?鉄分添加にはアクアの世界では有名なメネデールを添加しました。 ただし、これで珪藻が爆殖するとpHが跳ね上がります。もともとコケ水槽pH8位なのですがpH9を越えました。珪藻増殖でケイ酸の他、硝酸、燐酸、炭酸、つまり酸と名の付く化合物みんな吸収されてしまったせいかなと思ってます。ちなみにミリオンAを水に溶かして数日置いただけの水溶液のpHは酸性で、pH5.6でした。大抵の水草にとっては厳しい水質かな...うちの生体は大丈夫でしたが、他所の水槽は保証の限りではありません。 こんな風に挙げてはみましたが、私も自在にコントロール出来ている訳ではありません。水槽2本ありますが、同様に添加しても効果が違いまして、新しい方はいまいちです。長年の時間ってのも重要なファクターなのかも知れません。 藻食魚達に欠かせないコケの種類ですが、平面状の珪藻類の確保が必須だと思ってます。(写真6)は素焼きの陶器の表面を覆う珪藻です。毎日表面が舐め取られますが、少しずつ厚みが増してやがて限界になるとゴッソリ剥げ落ちます。この時は藻食魚たちにとって収穫期、労せずしてたらふく食べることができます。 糸状(ミドロ類)やヒゲ状(黒ヒゲ)のコケ類(緑藻、褐藻?)は栄養価的にOKだとしても繊維が強くて噛み千切れないようです。また、ベトォ〜〜っとした藍藻も食わないですね。よほどマズイ(有毒?)のかなぁ〜...。藍藻を剥がしてやるとそこに群がってきます。 |
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●飼育に関して思ったこと、気をつけていることなど(猫丸の場合) 飼育魚:ボルネオ、ホンコン、チャイニーズバタフライ、その他詳細不明2種 ・水温について
ただ、25度よりも低い方が、そういう気を使わなくて良いので維持はかなり楽だと思います。最低温度に関しては、20度までは大丈夫でしたが、それ以下にしたことはないですので、よくわかりません。 ・水流について 水流に関しても必須との記述を見かけます。実際に観察していると、水中濾過器による水流のところにずっと居るわけではないようですが、たまに水流に逆らうようにへばりついていたりもしますので、好きなことは確かなようです。特別に水流を作らなくても濾過器の水の流れだけで、元気に飼育することができましたので、個人的に必須とは思っていないのですが、あったほうが良さそうには見えます。小さい水中濾過器でも良いですので、設置できる場合には付けてあげたいところです。 |
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適度な隠れ家があり、コケがそれなりに生える水槽でしたら飼育できると思いますが、人工餌に慣らして飼育するとコケがなくなったときの餓死の心配をしなくてすみますので、理想的だと思います。また、この魚に関して言えば、コケをなるべく生やしてあげた方がうまく飼育できるようです。 |
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■吸い付きドジョウの捕まえ方 この種のドジョウ、捕まえるのがものすごく大変です(^^; お店で、店員さんが掬うのに四苦八苦しているのを見られた方も多いかと思いますが、ぴったりとガラス面に張り付きますし、体高もかなり低いですので、網で捕るのは至難の業です。私も、捕まえるまでには、レイアウトはぐちゃぐちゃ、流木も取り出されて、他のローチ達が騒いでいるような状態になったことが多々あります。 そんなあなたに朗報です(笑) この種のドジョウを上手く捕まえる方法をおでっせいさんに教えていただきましたので、紹介します。なんと写真付です。猫丸もやってみましたが、かなり簡単に捕れました(^^) 以下、おでっせいさんの解説(太字)に、猫丸が掲載用に加筆などして紹介いたします。 |
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(1)まずは、中が見えるコップのような容器を用意します。それを水槽に入れまして、ガラス面にくっついている吸い付きドジョウに静かにかぶせます。 |
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水槽内で被せて身動き出来なくなりピンチ! |
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(2)そのままにしておくとコップの方に自分から移ってきます。移ってこない場合には、ガラス面をコンコンと軽く叩いたりすると、びっくりして移動してきます。 |
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たまりかねてコップの壁に乗り移って一安心 |
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(3)コップに移ったら、そのまま水槽から取り出せばそれでokです。 |
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水槽から引き上げられて、???? |
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(4)あとは、移す先の水槽やプラケに入れましょう。 |
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再び水槽の中へ、周りの様子を伺ってピュッと逃走 |
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以下、おでっせいさんのコメントです。 「紹介しておいてなんなんですが、ちょっとコップが小さ過ぎました。やっぱ獲物の体長(5cm)よりは大きな容器使わないと... 思うに100円ショップとかに売っている小さな半透明のポリ容器なんかがイイのかなと思ってます(じゃ、それを使って紹介しろよっ!て、スイマセン)。これを見た皆さん、ショップの店員さんに広めましょう! いつも網で追う姿見ていてもどかしくって。 「俺にやらせろっ!」って言いたくなっちゃう」 |
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とのこと。おでっせいさん、ありがとうございます(^^) かなり楽に捕れますので、捕まえるのにいつも苦労している皆様は是非お試しくださいね。私も今まで網で追いまわしていましたので、何をしていたのかと…(^^; 本当にお勧めです。 |