冷凍アカムシはきちんと買おう!

 アクアリストなら、使う方が結構いらっしゃると思われる冷凍アカムシ。私もよく使います。というか、昔はよく使っていたものなんですけど、最近は用事がないとあまり使わないのです。それにはもちろん理由があって、とっても酷い目にあったというトラウマがあったりします。そんなトラウマのお話…。

写真1


写真2
 某社の冷凍アカムシのパッケージってどうしてあんな格好になっているんでしょうね?見たことがない方のために説明しますが、要するに、一口ゼリーのパッケージのように、カップがありまして、そこに赤虫がぎっしりと詰め込まれているんです。その上からフィルムを貼って密封しているという状態なのですよね(写真1)。その赤虫の入っているカップが、縦横に相当な数くっついて長方形の一つの板状になって売っているというわけです(写真2)。ちょうど、製氷器にアカムシを入れて、その上にフィルムを貼って閉じた物だと思っていただければ良いです。それ自体は問題ではないのですが、その端っこの部分、カップの縁というか、バリというか、写真1の矢印のところが私のトラウマの原因なのでして…。
 この冷凍アカムシ、私の良く行く某ショップでは、冷凍庫の中に保管してあります。それはいいのですけど、そのお店だけはなぜかこれを立てて売っているんですね。つまり、この板が立った状態で、冷凍庫の手前から奥の方へと入っているわけです。写真2の絵柄が真正面でこちらに見える事になります。こちら側から倒したらドミノ倒しになりそうな気がしたのですが、実際にやってもならないですよ。倒れないように、サイドがきっちりと押さえられています。そういう状態で、狭い冷凍庫の中にきちんと隙間なくおさめられているわけです。そして、この冷凍アカムシ、実は賞味期限があるんですね。左下の方に書いてあります。アイスクリームって賞味期限を書く必要がないのに、冷凍アカムシにはあるのですからちょっとびっくりですが、賞味期限があると言うことは時間がたつと悪くなるということですから、なるべく新しいものを買いたいというのが人情ですね。といっても、賞味期限は普通2年くらいあるので、どう考えてもそれまでには消費するんですけど…。でも、やっぱり魚たちには新しい物を!と思うのが、アクアリスト魂というか、ただ単に貧乏性というか…。まあ、とにかく私はその冷凍庫の中で一番新しい冷凍アカムシをゲットすることに決めたわけです。そして、スーパーで牛乳を買うがごとくに奥の方に手を突っ込んだわけですよ。そして、一番後ろの冷凍アカムシに指をかけて引っ張ろうとしたときです。
「痛っ!」と、力を掛けた親指に痛みが走りました。急いで腕を引っ込めてみると親指の腹がスパッと切れておりました。「何だコリャー!」とよくよく見てみたら、例のバリで指を切った模様。あまりの情けなさについ笑ってしまったくらいです。しかも派手に出血。それほど酷い痛みではないので、冷静に冷凍庫の扉を閉めまして、とりあえず、指を見ておりましたら、私の不審な行動に店員さんがやってきまして、血塗れの指を見て一言。「救急車呼びます?」
 私は考えましたよ。冷凍アカムシで出血して救急車で運ばれた日には、そのショップでの末代までの笑いものになってしまうこと必至でございます。さらに、救急車の中で、隊員の方に「冷凍アカムシで手を切りました」って言ったところで、おそらくそれが何だかわかってもらえない上に、説明する気力などあるわけもなく…。病院までの道すがら、気まずい空気が流れること間違いないわけです。さすがにそれだけは勘弁して欲しかったので、「あ、いえ、いいです」と作り笑いで平静を装いつつ、何事もなかったかのように、冷凍赤虫を3枚ほど手前から取り出すと、レジに向かってその場を立ち去ったのでした…。うーん、血が出ただけで、救急車呼ぶ事を考える店員さんも何だか間違っている気がしますね。まあ、その前にアカムシを後ろからとろうとする私の方が間違っているといわれれば申し開きもできないのでありますが…。
 という冷凍アカムシ事件がありまして、私はそれ以来、冷凍アカムシを見ると、そのときの痛み(心)が思い起こされますので、ブルブルと震えてしまうわけです。
 ということで、冷凍アカムシ、買うときには十分お気をつけくださいね。



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