水槽の蛍光灯が夕闇に映える頃、見馴れない一人の男が店に入ってきた。Edwardzinlyというふざけた名前の男だ。Edwardzinlyはいかにお嬢さんというものが素晴らしいかを主張し始めた。もちろん、魚の次にだが。

・・・不様としか言いようが無い。

水槽の蛍光灯が夕闇に映える頃、見馴れない一人の野郎が店に入ってきた。ベテランを装ってはいるがあまり魚のことはわかっていなさそうだ・・・。猫丸（マスター）にの水槽に顔を近づけると口臭を放ちながら喋り出した。

はい、お疲れさん。

水槽の蛍光灯が夕闇に映える頃、見馴れない一人の紳士が店に入ってきた。ebwcs374という名前は魚の学名と一緒で覚えるのに一苦労だ。何を思ったか自分は卵胎生なんだと激しく主張しはじめた。

この紳士から水槽の話が出てくるとは思わなかった。

水槽の蛍光灯が夕闇に映える頃、割とよく、餌を盗みに来るMarkovabeが入ってきた。店に入る前からMarkovabeは酔っ払っていたらしく、来てそうそう床に吐いた。Markovabeは独り言をブツブツ言いながら水槽の一点を見つめ、テーブルについた。

人間もここまで落ちぶれると大したものである。

水槽の蛍光灯が夕闇に映える頃、割とよく、餌を盗みに来るMarkovabeが入ってきた。Markovabeは数匹の魚をはべらせ上機嫌そうにだ。額、首筋、わきの下、水槽のガラスを一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

なぜここまで自信たっぷりに話せるのだろうか。・・・・理解に苦しむ。

水槽の蛍光灯が夕闇に映える頃、見馴れない一人のミスターが店に入ってきた。自分の事を素晴らしい魚飼いだと勘違いしている。猫丸（マスター）の水槽を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

・・泣きたいだけ泣くがいい。今宵の酒は悲しい酒だ。

水槽の蛍光灯が夕闇に映える頃、見馴れない一人の色男が店に入ってきた。色男はマドンナを探しているらしく、何を思ったのかマドンナの話しをはじめた。

未だに過去にすがって生きている。

水槽の蛍光灯が夕闇に映える頃、見馴れない一人の二枚目が店に入ってきた。近所のガキどもを集めてはクラウンローチの魅力を力説している。そういう話だ。レディから教わったという魚の歌を歌い出した。歌詞の内容はこうだ。

水槽に冷水を入れるのだけはやめてもらいたいものだ。

遅い昼飯でも食べに来たのか、割とよく、餌を盗みに来るMarkovabeが入ってきた。Markovabeが入ってくるなり店内が静まりかえった。差し出した一杯の飼育水を飲み干すとくたびれた声で一つのアクア話をした。

魚達が泣いてるぞ・・・。

遅い昼飯でも食べに来たのか、見馴れない一人の貴公子が店に入ってきた。こう見えても金には汚い。そして、底砂も汚い。差し出した一杯の飼育水を飲み干すとくたびれた声で一つのアクア話をした。

要するに誰かの水槽の悪口が言いたいのだろう。