他の客も酔いが回ってきた頃に、見馴れない一人の英雄が店に入ってきた。多分以前に別の客の連れで来た事があったはずだ。額、首筋、わきの下、水槽のガラスを一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

猫丸（マスター）はその場を逃げ出して、水質チェックをしたい気持ちでいっぱいだった。

水槽の蛍光灯が夕闇に映える頃、見馴れない一人の優男が店に入ってきた。愛玩の水温計を片時も離さない。額、首筋、わきの下、水槽のガラスを一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

自虐的アクアジョークがお得意のようだ。

水槽の蛍光灯が夕闇に映える頃、見馴れない一人の野郎が店に入ってきた。野郎はチャック全開に気づいている様子もない。猫丸（マスター）の飼育魚しか話し相手がいないのか、真っ先にこちらへやって来た。

だがその目元は全く笑っていなかった・・・。

水槽の蛍光灯が夕闇に映える頃、前に見たことがある英雄が入ってきた。多分以前に別の客の連れで来た事があったはずだ。Petercoilsは辺りかまわず罵った。

なかなか話し上手な英雄だ。

遅い昼飯でも食べに来たのか、見馴れない一人の紳士が店に入ってきた。RussellPieniという名前は魚の学名と一緒で覚えるのに一苦労だ。猫丸（マスター）の水槽を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

・・・異次元の何かと交信しているに違いない。

遅い昼飯でも食べに来たのか、見馴れない一人の男の子が店に入ってきた。出来ればグラス一杯で帰って欲しい・・そういう客だ。猫丸（マスター）の胸鰭をつかむと今にも水槽を壊しそうな勢いでこう言った。

この男の子は魚の話しかしてこない。

遅い昼飯でも食べに来たのか、見馴れない一人の男が店に入ってきた。Anya147Mnというふざけた名前の男だ。この男が話すことといえばいつもコギャルの事だ。

男のこの言葉がのちのち何人ものアクアリストを苦しめることになろうとは、本人でさえも気づいていなかったのだろう。

満腹の魚たちが昼寝をしている頃、前に見たことがあるプリンスが入ってきた。JosephWekはウィンクを店にいた令嬢に送り（片目だけのウィンクはできないらしい）、JosephWekはあふれる涙と水槽の水を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

そう言いながらも目線は猫丸（マスター）のクラウンローチ水槽に釘付けである。

満腹の魚たちが昼寝をしている頃、この店の常連のTimothyMokがいつものようにビニール袋を下げて入ってきた。色男は女王様を探しているらしく、TimothyMokはガタイに似合わず甲高い声でこう言った。

何を語っても冴えない色男だ。

満腹の魚たちが昼寝をしている頃、またNormandmusが水槽をかぶってやってきた。今夜は最悪の気分だ。Normandmusは猫丸（マスター）を見つけると嬉しそうに近づいてきた。

何故、本当の自分を偽るのだろうか。