仲良くケンカしな(笑)

 2匹以上のクラウンローチを一緒の水槽で飼育していると、たまにケンカをしているような場面に遭遇することがあります。はじめてその場面を見ると、かなりドキドキすると思いますし、見慣れていても、早めにやめてくれないかなぁと思いまして、やはり心配になるものです。そういう複数飼いのときのケンカについて、書いてみようと思います。(情報を寄せてくださった、しゃまんさん、なおさん、とらりんさん、ひらめさん、あずたかさん、エリンギィさん、ありがとうございます)

■ケンカの原因

 私が一番多くケンカの状況に遭遇するのは、ローチの導入や水槽の立ち上げからあまり時間が経たないとき、新入りのローチを加えたときなどです。そういう場合には、まだ水槽に慣れていなくて、隠れ家が決まっていなかったり、ローチの間での序列が付いていなかったりという、落ち着かない状態が原因ではないかと思います。
 それ以外では、エサをあげたときのエサの取り合いをたまに見かけます。また、落ち着いてからもたまに縄張り争いのような感じでやりあう姿も見ます。そして、原因がよくわからず、ただ単に虫の居所が悪いときに、他のローチが目の前を横切ったから追いかけるとか、そういう感じに見えることもあり、原因だけとってもいろいろとあるようです。

■ケンカの種類

 クラウンローチが複数で、見た目として、ちょっと興奮気味に見えたり、あまり友好的では無さそうに見える状況をとりあえず全てケンカといっておきますが、そのケンカにも、色々なやり方があるようですので、それを分類してみたいと思います。それぞれに付けた名前は、猫丸が勝手に付けていたり、掲示板でのお話の中でついた名前だったりしますので、基本的にうちのサイト内だけで通用する名称です。あしからず(^^;

●意地悪
 エサ取りのときに良く見かけますが、とにかく自分が食べているエサをしっかりと確保したいらしく、やってきたローチに鼻先を突き出して近くに寄らせないようにします。エサを食べているところに反対方向から別のローチや他の魚がやってくると、そのエサの上に覆い被さるような感じで、相手にエサを取られないように意地悪をします。要するに腹の下にエサを置いてしまおうとして、自分の身体を前に出すわけですね。そうすると向こう側から来たローチはエサに口が届かないというわけです。なかなか良く考えてるので、意地悪というか、ローチの知恵だとは思いますが、たまに意地悪をしすぎて、前に出すぎ、エサがその場に取り残されて、別の魚にまんまと横取りされているのを見ることもありまして、そのあたりの間抜けさが、またちょっと笑える感じです。
 この意地悪に関しては、エサにちょっと執着しているローチなら普通にやりますので、それほど心配することではないと思います。。

●追いまわし、追い駆けあい
 1匹のローチを別のローチが一方的に追いまわすことがあります。また、片方が追いかけたと思ったら、つぎはもう片方が逆に追いかけるという追い駆けあいも見られます。ローチは群れて泳ぐことも好きですので、行動としてはそれと似ています。ただ、違いとしては、泳ぐ速度がかなり速く、曲がり方が鋭角的、体色が薄くなる、背鰭がピンと立つ、えらが早く動くなど、見た目にも興奮したように見える状況が観察できます。それらの状態になっている場合には、追いまわしや追い駆けあいの状況かと思います。
 また、一端これが始まると、他の関わっていなかったローチたちも騒ぎ出すということも見られることがありますので、連鎖反応を起すような、一種のパニックなのかな?なんてことも思います。
 追いまわし、追い駆けあいが頻繁にある場合、特に特定の1匹が追いかけられてばかりのときは、その子が特に立場が弱いことが多いようですので、注意が必要です。あまり酷くなりますと、ストレスで病気になったりすることもありますので、そのときにはその子を隔離するなどの処置が必要かと思います。

●突付きあい
 口で相手を突付きます。相手もつつき返すこともあります。しばらくすると何事も無く終わることが多いのですが、たまに酷くなると、相手に歯形がつく場合がありますので、そのときには一時的にでも、どちらかを隔離して落ち着かせる必要があると思います。


画像提供:とらりんさん

●押し合い
 2匹で、水中に泳ぎだして体を突っ張りながら、横並びに体を寄せてしばらく押し合いへし合いという行動をとることもあります。そのときにホバリングしたりもしますし、とにかく相手を側面で押して争っているように見えます。横同士なので、それほど酷く傷がつくという感じではないですが、それでも真剣に押し合っていますので、見ていると結構迫力があります。

●口論
 お写真を見せていただいてびっくりしました。2、3匹で口を完全にかみ合ったまま、つながった状態で泳ぐのだそうです。すぐに離れることが多いようですが、しばらくそのまま泳いでいたりすることもあるようです。そのときには、背鰭が立っていたりと、興奮している様子がうかがえるとのことですので、威嚇行動の一つではないかと思われます。


画像提供:しゃまんさん


画像提供:なおさん

●バトル
 完全に相手に怪我をさせるまでやりあう場合です。そうそう起こることではないですが、たまに見られまして、ものすごい迫力なのでかなりびっくりすると思います。追いかけあいや口での突付きあいなどがさらにエスカレートした感じで、ローチの体表面に傷がついたり、ヒレが破れたりすることもありますので、もしもこういう状況になり、ローチが弱ってしまいそうな感じでしたら、早急に隔離して落ち着かせてください。また、怪我をした場合には、傷から細菌感染しないように気をつけてあげてくださいね。


■本当にケンカ?

 クラウンローチのケンカと思われる状況というのは、上で書きましたように、いろいろと見かけるわけですが、そもそもそれが全て本当にケンカなのか?というのは、私にも良くわかりません。ローチは、狭いところに一緒に入って、押し合いしながらじゃれているような姿も見かけますし、半分遊んでいるように見えることもあります。また、ローチではない、他の魚では、ケンカの場合ももちろんありますが、求愛や繁殖行動でもかなり激しくやりあう様子が見られます。ですので、クラウンローチの場合もオスメスでの求愛行動という可能性もあるのではないか?ともおもいます。
 ですので、一応、”ケンカ”ということで、書いてみましたが、実際のところ、どういう気分でやっているのか?ははっきりしない場合もあります。



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