あれこれ(2006年分)
■ メビウスの輪 2006/12/8 ※1 ご注意:以下の文章は(メビウスの輪だけに)ちょっと、ひねくれておりますので、今回は、多少偏った見方のお話です。あまり怒らずに、流せる方だけ読んでいただければと思います。 ※2 猫丸マメ知識:疲れきった昨日の深夜に書きましたので普段とテンションが違います。今日、いつものように、もう一度見直し、ちょっと間抜けで意味不明な文章に笑っちゃいましたが、今回はあえて修正せず、そのまま出してます(笑) また、私はSF映画が大好きです。それと、最近、DVDでチャーリーとチョコレート工場と、亡国のイージスを見てしまいました。それから、ピタゴラスイッチのDVDをつい買ってしまいました(^^; 以上を踏まえて以下をどうぞ。 昔、TM NETWORKというバンドがありまして、”BEYOND THE TIME”という歌がありまして、その中に、「メビウスの輪から、抜け出せなくて〜♪」なんていうフレーズがありまして、メビウスの輪という言葉を聞くとそれを思い出す猫丸は、すでに歳でしょうかね(笑) ということで、この文章を書くのに、この曲を聴こうと思い立ちまして、昔の荷物を引っ張り出して、”BEYOND THE TIME”を探し出してみたら、なんとカセットテープでして、家にテープを聞けるものがすでに無いことに気がついて、ちょっとしょんぼりしている午前3時過ぎの猫丸です(^^; (仕事が忙しいときに限ってサイトを更新してみたくなったり、テスト前に限って、普段はやらない部屋の掃除なんかをしてみたくなるのは何なんでしょうかね? ”現実逃避”というのが一番近い理由のような気もしないでもないですが…) さて、なんで、メビウスの輪なんてことを思い出したのか?といいますと、水槽の濾過サイクル…って話になると思った皆さんはちょっと甘いです(笑) いつものパターンですと私の話の持っていき方はそういう感じですが、今日はちょっと違うお話です。 良くあるアクアなご質問で、「コケが出たのでどうしたらよいでしょう?」というのがありますが、そうすると、無条件にオトシンクルスだとか、エビなんかをお勧めされることが多いんですよね。また「残り餌や糞を食べてくれる魚って居ますか?」なんてお話になりますと、コリドラスとか、ローチ系、いろいろと便利魚(”生物兵器”と呼ばれる事が多い)のお話は良く聞くのですが、こういうお話を聞くたびに、私の中で「ああ、また、輪が…輪が…輪が…」なんて、10回くらいリフレインされたり、されなかったりするわけでして、そのうち「輪が…」というのが、「ピタゴラスイッチ♪」とかそういう、短いフレーズのの音楽にいつのまにか変わっていたりするので、特に気にならないといえば気にならないんですが…(ピタゴラスイッチを考えてるのって、大学の方々だったのですね。知らなかったです(人生にあまり役に立たないマメ知識(^^;)。なんて、まあ、私の頭の中のそんなことはどうでもいいのでありまして、要するにコケが出ちゃったよ!と嘆いたとき、対抗するために生物兵器を導入するということはですね、家の中にゴキブリが一匹入ってきたときに、いきなり内閣危機管理センターを設置して、三沢基地辺りからF2なんかをスクランブル発進させちゃうくらい大げさなことのように思うわけなのでして、そういう物騒なことはとりあえず止めましてですね、にっこり笑ってコケを眺めつつ、落ち着いてプアール茶でも飲みながら、一息ついて考えましょうよ、という話が今回の主題なのであります。 基本的に、コケも残り餌も糞も、濾過能力に対して餌が多すぎたり、養分や光量、二酸化炭素だけがバランスを外れて水草の成長能力を超えすぎていることが原因である場合が多いです。はじめたばかりの水槽でこういう事態になっているときは特に。ですので、その水槽に魚を追加する(≒餌を増やす)ということは、残り餌や糞、そしてそれを元に作られる養分を増やすことなのですよね。そうなると、さらにコケが増えまして、それに対抗するためにもっと強力な生物兵器として、プレコだったり、大き目のローチが欲しくなったり…。それを繰り返しているだけの連鎖が始まるわけです。それが私にはメビウスの輪を連想させるのです。 そして、水槽が中の魚の数に耐えられなくなり、輪が切れたとき…。考えたくもない状況になっているように思います。生物兵器を過度に投入することは、水槽の生態系を破壊する方向に行くことが多いんじゃないかなぁ、といいますか、例えるならば、地球の生態系を根底から覆す巨大隕石(ディープインパクト)といいますか、掘る先を間違えちゃったアルマゲドンといいますか、コロニー落しを防げなかったアムロといいますか、フォースを信じきれずにデススターを破壊し損ねたジェダイみたいなもの?でして、まあ、例えが意味不明ですが、感覚的にはそんなイメージでして、私としてはあまりお勧めじゃないわけですね。 もちろん、これは屁理屈ですよね。魚を増やしても餌を増やさない人も居るわけですし、そもそも濾過のサイクルができて、水草とかも入れて、その成長が安定してきてしまえば、コケとかも自然に減ってきますし、糞なども早く分解されるようになりますし、生物兵器を入れて、見た目として収拾されたレベルに落ち着くようにさせることができるのは大体予測がつきます。ですので、逆説的に、といいますか、結果からさかのぼって見れば、生物兵器は有効だと言えるわけです。 でも、ここで私が問題だなと思うのは、”生物兵器を入れたこと”が”コケを減らした”or”残り餌や糞を減らした”という図式のみが語られ、水槽内の濾過などに代表されるいろいろな準備や、全体のバランスが整ったという風に認識されないことが多いように思うんですよね。 生物兵器と言われる種類の魚たちは、この”準備が整った状態”で、少し発生するトラブルに対処する力はあっても、思いっきりコケが出やすい状況になっていたり、糞や残り餌があまり分解されないような状況になっているときに、それを圧倒して問題を解決する能力は無いのだろうと、私は思っています。水槽の場合、いくら強くても、ネオとか、トリニティとか、モーフィアスではダメなわけでして、ミナミヌマエビでコケまみれの60水槽をまかなうつもりなら、エージェントスミス並にいっぱい用意しましてね、例えば1000匹くらい入れましてですね、一斉にコケを食べてもらうとか、そういう極端なことをやらないといけないわけです。普通に考えて十匹単位で入れているエビとか、数匹入れるペンシルフィッシュとかに、全てお任せというのは、あまりに酷な気がするんです。 私は、そういう魚やエビを生物兵器としてだけ投入するのはとても気が引けますし、そういう便利魚扱いではなく、しっかりかわいがって欲しいなぁと常々思っておりますので、ちょっときつめに書いてみましたが、そういう魚を入れることがいかん!といいたいわけではなくて、問題の根本的な原因がどこにあるのか?を考えて対策を立てた方が良いのではないかなぁということが言いたいわけです。 また、生物兵器と呼ばれる魚たちを入れるにしても、そのメリットを評価すると同時に、その能力の限界、入れることのリスクなどのデメリットも考えて、入れるかどうかを考えて欲しいなぁなんて思うわけです。 よく聞く話がありますよね。エビがコリタブを持ち逃げするとか、フライングフォックスやアルジイーターの気が荒くなったとか…。チョコレート工場に招待されたからといって、良いことばかりがあるわけじゃないということです。何も考えずに突き進んじゃうと、ウンパルンパの踊りにあわせて酷い目にあうのと同じようなしっぺ返しを食らうわけですので、生物兵器を入れるかどうかは、やる前に考えるべきだろうなと思うのです。そうしないと、悪い循環の輪の中からいつまでたっても抜け出せないどころか、さらに大きな悪い循環の輪にまで、入り込んでいくような気がするんですね。 メビウスの輪、どうせできるなら、寂しい輪ではなくて、楽しい輪にしたいものです。 ”BEYOND THE TIME”の中に「希望より理想より憧れより、君だけが真実掴んでいた〜♪」なんて歌詞がありますが、希望する状況にならなくて、理想の環境にできなくて、憧れる水槽には程遠い場合には、生物兵器を使うことを考える前に、水槽の真実をしっかりと掴んで、的確な処置をしてあげて欲しいなぁと思うわけです(^^) 的確に水槽をコントロールできるなんて、アクアリストとしてすごく格好いいと思いませんか? せっかくやるんですから、格好いいアクアリストを目指して見るのも一興かと思います。 と、まあ、ここまでが深夜に書いた文章なんですけどね(^^; 文章がまるっきりバカです(笑) でも、こういうことを思うようになった私も、一通りの生物兵器を入れてみて、初めて実感したんですね、根本的な原因の究明と解決を無視した場合、生物兵器と呼ばれる魚たちだけでは効果がいまいちだということを…。ですので、偉そうな上に訳のわからないノリの文章ではありますけれども、たまにはこういうお話について、考えていただくのも良いのではないかと思うのですが、いかがでしょうか? それにしても、カセットテープを聞けるもの、何か無いですかね?(笑) |
■ アクア用語のイメージ 2006/6/26 久しぶりのあれこれです。なんだか最近は更新もゆったりになってきましたが、こういうペースでも長く続けていければなと思いますので、末永くお付き合いいただければ、幸いです。 さて、今日の話題ですが、”名は体を現す”なんていいまして、名前というのは、意外と重要なものだというお話です。世の中、名前の付け方一つで、イメージが変ります。例えば、”太郎”と”花子”。名前だけで、本人を見なくても、それぞれ性別がイメージできます。商品に付ける名前によっても、売上げが変わったりすることもありますよね。名前というのは、そのもののイメージをかなり左右するのは、皆さんもおわかりかと思います。 アクア用語について、以前にもちょっと書いたような気がするんですが、なんだか名前や言葉で損していることが多いような気がしましたので、今回のあれこれは、そのあたりのお話でもしてみようかと思います。 例えば、「アンモニア濃度(亜硝酸)のチェック」って言われますと、学生時代に理科が大嫌いだった方にしてみれば、それだけで「アクアって難しい」というイメージが出てきてしまうような気がします。でも、実際にやることと言えば、水槽の水に試薬をたらすだけで、色を見れば魚に悪いかどうかは一目瞭然なのですから、誰でもできる作業なんですよね。だったら、「魚の快適度チェック」とか、「魚の不快指数チェック」とか、そういう名前で良いのではないかと思ったりします。 また、「ろ過バクテリア」。世間一般に、”バクテリア”と言う言葉は、どちらかと言うとあまり奇麗なイメージが無いような気がします。なんと言うか、土とか、そういうものの中にあるというイメージならまだ良いほうで、バクテリア=バイキン という感じで捉えている方も結構いらっしゃるような気がします。アクアの世界でもバクテリアをバクテリアと呼ばないといけない理由があるのかどうか、私はちょっと疑問なんですよね。アクアの世界でのバクテリアという言葉はものすごく単純化された、ろ過サイクルの説明の中で出てくることがほとんどですから、それが「水質浄化生物」でもいいわけですし、「善玉菌」とか、そういうなんだかちょっとイメージの良さそうな名前でもいいと思います。極端な話、「きれい好きのバクちゃん」とか、そんな愛称でも良いわけですよね(笑) もう少し物騒なものもあったりします。”生物兵器”って…(^^; ”兵器”と言う言葉に良いイメージを持つ方って、そうそう居ないですよね。「コケが出たら、水槽に生物兵器を入れましょう」って、知らない人にしてみると、なんじゃそりゃ!です(^^;。魚殺してどうするの?と思われても仕方が無いというか、なんというか…。アクアリストは、普通に「生物兵器を投入しましょう」って言葉を使っていますが、アクアサイト以外でこんなことを言おうものなら、テロリスト扱いですので気をつけましょう(^^; そして、多分一番誤解されていると思われる”濾過”と言う言葉。一般的なイメージは、どう考えても、コーヒーフィルターのようなものですね。目の細かい網で、水の中のゴミを濾し取ること。アクアで言うところの物理ろ過を指していることがほとんどだと思います。ですから、アクアリストの言うところの”濾過器”というのは、一般的に思われている”濾過器”とは別物なんですよね。一般的な言い方で濾過器の機能を表す名前を付けるなら、”毒物無力化装置”とか、”水質改善マシン”といったあたりならわかりやすいかもしれません。 と、こんな感じでいろいろと専門の名称があるのがアクアの面白いところでもあるのでそれはそれで結構なことなのですが、アクアを知らない方にすると、その正確な意味が全くわからない言葉であることは覚えておいた方が良いと思うのです。でも、こういうことを書きますと、「正確な意味をきちんと勉強しなさい」という風に思われる方もいらっしゃるように思うのですね。確かにそれはそうではありますが、実は逆のこともあったりするのでややこしいのです。それは、アクアの世界の言葉が、必ずしも正確に使われていないということです。 例えば「KH」。化学で使われているKHと、アクアで使われているKHは、関係はあれど、別物なわけですし、魚の名前なんかも、古い学名そのままだったり、正確に使っているようで、実は結構適当というか、慣例で使ってしまっているものも多いように思います。ちゃんと勉強しようとしても、普通の化学や生物からアクアを理解しようとすると、これまたなんだか変な方向に進んでいきそうな気配がするんですよね。要するにアクアは、化学でも、生物学でもなく、アクア学?だというのが、なんとも面倒なところなんです(^^; こう考えてくると、アクア用語って、もう少し、改善の余地があるように思います。 初めたばかりの方には、一般的に親しみやすく、わかりやすく、イメージが掴みやすいような言葉で説明できる環境があったほうが良いと思います。水質やろ過などの本質的なところは、ちょっと難しいですから、最初はそれは置いておきまして、飼育にとって必要な、最低限魚が死なないための具体的な方法を簡単に説明できて、アクア用語を知らない人が聞いても変な先入観を持たれなくて済むような用語や説明が欲しいなぁと思います。 また、詳しいことを知りたいと思う人にとっては、一般の化学や生物の用語と比べても、特に支障がない、なるべく正確な言葉の使い方をしたほうがわかりやすいような気もします。 上で紹介したアンモニア検査などのように、やってみればとても簡単なことなのに、言葉のもつイメージのおかげで、それが難しいことだと思われてしまったり、別の意味に取られてしまったりというのは、本当に残念だなと思いますし、アクアの敷居を高くしている原因の一つじゃないかなと思います。 ただ、ここまで出来上がってしまったものですから、今の用語や用法を変えるのは難しいと思いますので、せめて、それを一般的な言葉に置き換えた入門書のようなものって、あると便利だなと思いました。そして、そういうことはなるべく、このサイト内でも説明していくべきなんだろうなと思いました。 |
■ 自然と水槽 2006/4/2 新年度になりまして、心新たにやっていこうかなぁなんて思っていたところですが、年度始め早々に、エイプリルフールで騙されてみたりと、出鼻をくじかれた猫丸です(^^;。ですので、今回は少しひねくれたお話になりました(笑)。それを覚悟で読んでくださいね。 自然、いいですね。私はNHKとかでよくやっている自然番組を見るのが好きで、結構いろいろと見ていますが、生き生きとした動物たちの動きがなんとも楽しいです。一度、東南アジアとか、アマゾンとかで、実際に川の中にいる熱帯魚を観察してみたいものです。暇とお金がほしいところですね(笑) さてさて、よく言われる理想的なアクアということで引き合いに出されるのは、自然です。飼育の説明をしている間に、「自然界では…」という話が出てくると大抵は理想論のお話しになることが多いです。例えば、自然界では、魚一匹について、何百リットルもの水があるんだから、水槽で飼うこと自体が、そもそも狭いんだということ。例えば、自然界では、人工餌は無いのだから生餌をあげるのが一番だとか、いろいろなエサを食べられるのだから、エサは多種あげるのがいいとか。自然界では流れがあるんだから、水槽の中も流れがないといけない、etc…。いろいろと言い始めるときりがないですが、基本的に”自然の良いところ”を引き合いに出して語られることが多いんですよね。確かに、これはこれで正しいこととは思うんですが…。でも、自然に住んでいる魚たちって本当にいいこと尽くめなんでしょうかね?なんて、ひねくれたことを思うわけです。 水槽では、魚を選んで飼育するわけですから、魚が、他の魚に捕食される確率は、かなり低いわけです(えさとして入れる場合はもちろん除外しますが)。水槽に天敵をわざわざ入れる人はいないわけでして、ある意味、水槽で飼育されている魚は無敵状態なのですよね。これって、かなり理想的なことではないかと思うのですが、こういうことが自然界との比較で語られることはまず無いです。また、自然界にいたら、エサが食べられない日が続くこともあると思いますが、基本的に毎日決まった時間にお腹いっぱいに餌をもらえるわけでして、こんなに良い生活はないような気がします。私も魚に変わりたいくらいです(笑) ワイルドとブリードの魚を比較すると一目瞭然なことに、ワイルドの方が大きく、発色も綺麗で、健康そうなんですよね。それは動かしがたい事実ですから、きっちり育つことができたなら、自然は一番だと私も思います。ですが、私たちの目の前に売られているワイルドの魚。その子が育つ間に、どれだけの同胞が捕食されたり、病気で死んでしまったりしているんだろうな?と思うと自然界の優位性というか、自然界を手放しで理想環境だと言って良いのかどうか、とても疑問に思います。 自然界と水槽、どちらもメリットと、デメリットがありまして、自然にはあって、水槽では実現しにくいことでも、水槽のメリットがそれをカバーしている場合もあると思うんですよね。例えば、自然界では、泳げる場所が広いので、他の魚に食べられそうになって追い掛け回されても逃げ場があるということが言えると思います。でも、水槽では、そもそも追いかけられることがあまりないので、逃げなくて良いということもいえるんですよね。 自然からいろいろと学んで飼育に生かすことはとても大切だと思うのですが、自然の良いところだけをもってきてうまくいくようにしようとか、自然と違うから水槽はダメなんだという結論を導くのはちょっと短絡的かなと思うことがあります。もちろん、「水槽だからこれしかできないけどいいんだ」という言い訳をしたいわけではないですので、それとはまた別の話なのですが…。 前にもあれこれで少し書いた覚えがありますが、水槽なのですから、水槽なりの維持の仕方、水槽に入れるという前提での魚にとって一番良い方法を見つけていければ理想的だと思います。たとえそれが自然界とは違う方向性を持ったものだったとしても、魚にとって良ければ、それで良いのだろうなぁ、なんてことを思った春の日の話でございます(笑) ということで、皆さん、学校、会社に新しく入る方、生活が変わる方も多くいらっしゃるかと思いますが、環境に早く慣れて、良い勉強、良いお仕事、楽しい生活を送ってくださいね! |
■ 水槽は因果な趣味でございます 2006/3/24 基本的に物事は全て原因と結果のペアで成り立つわけでして、良い状態になろうとも悪い状態になろうとも、それには原因があり、それに沿って結果がついてきます。なんだかややこしい水槽の状態に関しても、それは当然のことでして、うまく水槽を維持できる人、うまく水槽を維持できない人、が居るというのは事実ですから、やっぱり原因として、うまくいくような処置とか、うまくいくような方法論、そしてその逆というのは、なにかしら存在するわけです。ただ、存在するのはわかるのですが、それがなんであるかを、水槽への具体的な処置の方法として示すのはなかなか難しく、知識や体験として自分で積み上げるしかないというのが、実情かと思います。ただ、積み上げる過程で、本当にそこに原因と結果の因果関係があるのか?というのが、なかなか定まらないのがつらいところなんですよね。 例えば、水槽にコケがかなり生えたとき、魚が病気になったとします。そうすると、「コケがはえると魚に良くない」という原因と結果を得たと考えますよね。これは普通のことだと思います。でも、そうすると、コケがいっぱい生えている水槽でも元気にしている魚はなんなんだ?という疑問にすぐにぶつかると思うんですよ(ネットを探せば、いろいろな水槽がすぐに見られる時代ですし)。そこで、「コケがはえる原因の何かが、魚に良くない場合もある」と広く捉えることができて、具体的にコケがはえる原因のうちのどれが魚に悪いのか?を探し始められれば一番いいのですが、「その魚はうちの魚より強い魚だ!」とか、「コケがうちよりも酷くないんだ」なんてことを考えるのが、普通の考え方かな?と思うのです。私もはじめたばかりのときにはこういうことを考えておりました。 水槽に関する自分なりの因果関係って、上のようにして生まれてくるんですよね。そして、この例の場合、こういう因果関係を信じたら、何をするのか?といいますと、例えば、水槽の丸洗いです(^^; 「コケが魚の調子を悪くしている原因だ!」と思っているのですから、とにかく「コケをなくせば、魚の調子が戻る」ということを考えます。私ももちろん何度も丸洗いしましたよ(^^;。でも数日でコケがでる、そしてどんどん魚が弱る…という悪循環にはまって行きました。 そんなことを繰り返しているうちに、今度は「どうやらコケは魚の調子に関係ない」ということを考え始めるんですよね。そして、今度は逆にコケを放置し、水槽の水換え、掃除をやめるという方向に…。今考えると、なんでこんなに一気に右から左、極端から極端に転ぶのかと、思ってしまいますが、それが極端な判断であることにも気がつかないことが多いんですよね。もちろん、私も、そういう方向に行きました。そして、やっぱり魚の調子が悪くなることに…(^^; 試行錯誤とはいえ、大体こんな感じで水槽維持って始まることが多いんじゃないかな?って思うんです。最終的には、「コケがはえる原因」と「魚の調子が落ちる原因」がそれぞれにいくつかあって、両方に関係することもあれば、片方だけにしか関係しないこともあるということに気がつくわけです。つまり、「コケがはえること」も「魚の調子が落ちること」もどちらも結果であって、どちらかがどちらかの原因ではなく、係わり合いはあるけれども、必ず関係があるとは限らないということで納得するのですが、それはかなりあとのお話です。私もそう考えて、対処して、結果が出るまでに長い時間がかかったのを覚えています。 いま、コケと魚の調子ということで考えましたが、例えば、「エサを変えたことと魚の成長」とか、「照明を変えたことと水草の様子」とか、「ろ材を変えたことと濾過器の動きの調子」、etc…という感じで、因果関係がありそうなことはいくらでもありまして、さらに言うなら、「今日の気圧とコリの繁殖行動」だとか、「水換えしたら水草が活性化する」だとか、普通の人には因果関係なんてなさそうに思えるのに、関係があるのではないか?と語られていることも、水槽関係の話題としては多々ありますね。この辺りになると、私には正しいのかどうかは分かりません。天気予報とにらめっこしながらコリの繁殖をしたことは無いですし、水草は…水換えしようがしまいが上手く育つことが少ないので検証するだけのレベルにも無いです(^^; ありそうな気はするのですが、私自身の実体験はないレベルのお話です。そして、さらにエスカレートすると、「カラーラージグラスの色が鮮明になったら、繁殖する!」なんて話まで出てきたりするので、アクアリウムって大変ですね(^^; こう考えていくと、どこまでが「本当の因果関係」で、どこまでが「風が吹けば桶屋が儲かる」的なものなのか? はたまた、ただの冗談なのか? だんだんとわからなくなってくるんですよね。本当に困ったものです。 なんて、話がそれましたが、私が何がいいたいのかといいますと、「自分の目できちんと見極めましょう」ということです。初めからこの結論を書け!と怒られそうですが、こういう駄文を書くのが大好きなので、お許しくださいね(^^; ネットなどで大量の情報に即座に触れることができる時代ですから、余計に、情報を吟味すること、そのどこまでが自分の水槽に当てはまって、どこまでが当てはまらないのか?その辺りはしっかりと考える必要があるように思います。 このサイトを読んでいる、そこのあなた、もしかしたら、猫丸が嘘を書いているかもしれませんので十分に気をつけてくださいね(笑) って、わざと嘘を書くようなことはしないですが、たとえ、あなたが大好きなサイトや本、雑誌でも、それを鵜呑みにせずに、自分の経験と照らし合わせてみることは大切なことだと思います。試行錯誤の末に、正しい因果関係がきちんと整理されたあなたの経験が、一番の財産ですから(^^) |
■ とりとめなく、いろいろと 2006/2/10 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします(笑) 一応、今年はじめてのあれこれなので、ご挨拶ですが、すでに2月も半ばに近くなっておりまして、今更ですね(^^; 今年も、あれこれは気がついたときのみ更新、そして、今までどおりに、他のコンテンツとはちょっと気分を変えて、難しい話とか、多少批判めいたもの、またちょっと軽い話、脱線したお話なんかも含め、私の思ったことを正直に書く場所(他のところが正直じゃないわけではないですが…)ということで、やっていこうと思いますので、今年もお付き合いいただけるとありがたいです。 それにしてもいろいろと気になる事ってありますね。世の中を見渡せば、良いことにしても悪いことにしても、興味をひかれるニュースは多いわけですが、アクアの世界を見渡しているだけでも、そういうものはよく見かけます。 ということで、今回は、とりとめなくいろいろと、最近思ったこと、気になったことを書いてみようかと思います。多少批判的な箇所もありますので、そういうのが嫌だなと思う方は、これ以上読み進まれない方が良いかと思います。 まずは法律のお話。”特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法) ”なんていうのが、外国産の魚や水草を育てているアクアリストにとっては一番気になる法律かもしれません。法律の具体的な内容はこちらを見ていただくとして、日本の生態系を守ろうという趣旨の法律です。これができた背景には、害虫や害獣駆除のために無闇に別の生き物を連れてきて解き放っちゃったとか、ペットで言えば、飼っていたのに飼いきれずに逃がしちゃったとか、魚で言えば、釣りがしたいためにブラックバスを放流しまくったこととか、どれも、最初にあまり考えずにやっちゃったことのつけを今払うということでして、魚含め、ペットに関して言えば、モラルの問題なんですよね。こういう法律ができちゃうほど、モラルがないということなので、かなり恥ずかしいことだと思います。そのうち、今はおなじみの魚も飼育できなくなる日がくるかもしれません。そのときになって、みんなでしっかりやっていれば良かったのに…と悔やむことになるのだと思うと、寂しい限りです。 大きなお話を書いたので身近なお話を。ここ数年でブームになったエビ君。エビの専門雑誌まで発売されましたよね。特にレッドビーシュリンプの人気はすごいですね。ただ、いつも思うのですが、白い面積が大きい方が評価が高いのが、ちょっと分からないところです。あの紅白の色合いが綺麗なエビなのに、ザラザラした感じの白い部分が多いほうが良いというのは、何故だろうかと…。もちろん予想はつくのです。飼育していると、その道を極めたくなるものですから、初めは紅を鮮やかに見せたいために白い部分がしっかりしているレッドビーが珍重されたのでしょうけれども、それがエスカレートしちゃったんでしょうね。そして、それが流れになって、白い部分が多い子を求めるようになったのだろうなぁと思われます。趣味の世界ですから、こういうことは良くあることですので、そういう子を育てようと頑張ってらっしゃる方を非難するつもりは全くないですし、むしろその探究心はすごいなと思うのですが、それでもやっぱり、私は紅白がはっきりしたビーシュリンプが好きです(飼育する魚に関しては派手好きなので(^^;)。ですので、赤がなくならないように、少しは残しておいてくださいね(笑) この間、あるアクア雑誌を見ました。アクア雑誌を見て気分が悪くなることはまずない私なのですが、さすがにちょっとそれはないだろうと思った水槽がありました。60〜90センチの水槽4本に大型魚を400匹収容している水槽です。一匹でもその水槽では飼えなくなるような魚がいっぱいで、ピラルクーとかもいるんですよね。すし詰めというか、満員電車のような超過密水槽でした。さすがに目を疑いましたが、飼い主さんはご満悦ですし、維持はできていると書いてありましたので、そうなのかもしれません。その維持が可能かどうか?という議論は大型魚を飼育したことのない私にはできないですし、飼い主さんが良ければ私がとやかく言うのは余計なお世話とは思うのですが…。ただ、私が本当に嫌だなぁと思ったのは、それを掲載した雑誌の方でした。熱帯魚を始めようとして、いろいろと調べるとしたら、一番最初に目にする情報は、ネットであり、書籍や雑誌なのですよね。特に書籍や雑誌は読者に信用されやすいメディアですから、そこにあの水槽を無批判で掲載するということの意味を編集者の方には考えて欲しかったなと思いました。インパクトがあれば何でもありという姿勢は、本当に恥ずかしいものだと思うんですよね。あの記事を見て、ああいう飼育が普通に可能なのだと思う方が出てこないことを願いたいです。 もう一つ、アクア本のお話。最近の熱帯魚図鑑とかを見ると、だんだんとドジョウの掲載割合が増えてきたように感じます(^^)。数年前までは、ドジョウ関係の写真さえもなかなかなく、たまに熱帯のドジョウで紹介されるといえば、クラウンローチか、クーリーローチの熱帯ローチ界二大スターのみ、という状態でした。私としては、クラウンローチが載っているだけで満足なところもなきにしもあらず(笑)だったりしますが、クラウンローチがコリドラスの後ろでちょこんと紹介されるとか、そういう扱いなのが寂しいなぁと思っておりました。ですが、今は、しっかりとローチというカテゴリがあったりして、他の仲間と共にローチとして胸を張って掲載されているのが嬉しい限りです。底物ライバル?のコリドラスにはまだまだ押され気味ですが、いつの日か、”世界のローチ大図鑑”が発売されることを楽しみに、これからもローチ類を応援していこうと思う次第でございます(笑) そういえば、国内ブリードのインペリアルゼブラプレコが売られているみたいですね。生息地で、インペが減らずにすむというのが、何よりだなと思いました(^^)。ワイルドものには、ワイルドにしかない魅力があるので、それが珍重される理由も十分にわかりますが、自然界に居なくなってしまっては元も子もないですので、そちらはしっかり保護していただいて、しばらくはブリードで、飼育の楽しみを味わっていければそれで良いなぁと思いました。こういう状況でしたら、久しぶりに私もインペを飼ってみたいなとおもいました。ただ、まだ常に入荷があるという程ではないようですので、今後どうなっていくのか、見守っていきたいです。 他に最近、気になったことといえば…。 アクアセイフって中身が変わったのでしょうかね?水に入れたときの色のつき方がちょっと濃くなったような気が…。 殺菌灯って安くなりましたよね。海水魚を始める方が増えたんでしょうかね。高嶺の花だった器具がまた一つ手が届くようになってきたような気がします(^^) 無料のアクア雑誌、頑張っていますね。このまま末永く続いてほしいです。 と、いろいろと気になっておりますが、こういう事柄や、他にも新しいことがいろいろと出てくる一年かとは思いますが、今年のアクアな出来事、どんなことがあるのか、とても楽しみにしています(^^) ちなみに、個人的な今年の希望としては…。 ●殺菌灯が安くなってきたついでにクーラーも安くしてくれるといいなぁ…。 ●そのついでに、大型水槽も安く…。 ●エビ専門の雑誌があるなら、ローチ専門の雑誌があっても良い気がするんですよねぇ…。 ●新しいショップが欲しいなぁ…。 ●水がもっと軽くなればいいなぁ…(笑) ということで、今年もよろしくお願いしますね。 |